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3月22日前夜祭、24日・25日講義

                                                                        
 shimizu akiko                                               
 講師 清水晶子 
     フェミニズム・クィア理論     
 
 テーマ
 「〈わたしの〉身体と自己決定——トランスセクシュアル、インターセックスの身体から照射する」
講義概要
                  
この授業では、〈わたしの身体〉として認識される身体が〈誰の〉ものであり、その身体に関して〈わたしの〉決定権がどこまでおよぶのかを、とりわけトランスセクシュアルおよびインターセックスの身体が問題化してきた点を参照しつつ、考察する。〈わたしの身体〉と〈わたし〉とは、ここで所有格によって表現されるように、全く同一のものではない。しかし同時にまた、〈わたしの身体〉が何よりもまず〈わたしの〉身体であるべきであり、それに関する決定権はまず〈わたし〉にあるべきだという要請は、特定の社会・文化的状況下においてその決定権をより大きく侵害されていた存在に起源を持つフェミニズムやクィア理論の基本をなす主張の一つでもある。今回は、〈わたしの身体〉に関する決定をめぐって、〈わたし〉と、〈わたしの身体〉を取り巻く/つくりあげる様々な文化的・社会的な制度とが、どのような交渉をおこない、どのように共犯関係をむすび、あるいはどのような緊張をはらんできたのかを、具体的な事例もとりあげつつ、考えていきたい。
 
*なお、この授業に参加する者は以下の宿題をやってくること*

宿題:2009年のベルリン世界陸上(World Championship)女子800m競技の金メダリスト、キャスター・セメンヤのいわゆる「性別疑惑」について、2009年の世界陸上当時から現在にいたる報道などをできる範囲で調べ、国際陸連(IAAF:The International Association of hletics Federations)の対応について、自分の意見をまとめてきて下さい。その際、参考にした報道やウェブサイトがあれば、出来るだけ持ち寄って下さい(言語は、英、日、中いずれでもかまいません)。

 

1)導入ディスカッション——キャスター・セメンヤをめぐる性別〈疑惑〉

2)〈身体の自己決定権〉をめぐって

3)〈わたしの身体〉の他者性

4)「性同一性障害」とトランスセクシュアルの自己決定権——「特例法」とその周辺

5)医療の介入とインターセックス・ムーブメント

6)(時間の余裕があれば)ファイナルディスカッション

<我的”身体与自我决定对变性、双性身体的考察>

本讲义将特别参照关于变性及双性身体的问题进行考察。被认为是“我的身体”的身体究竟是“谁的”身体?关于这一身体,“我的决定权到底有多大?“我的身体”和“我”在这里通过使用所有格表明两者并非为同一所指。但与此同时,不管怎样“我的身体”首先应当是“我的身体,关于其决定权也首先应当属于“我”。这一要求,也是在特定社会文化背景下该决定权受到严重侵害而产生的女权主义、男性同性恋理论的基本观点之一。在本讲义中,将通过列举具体事例,就“我”和包围生成“我的身体”的社会文化制度之间的关系:两者如何交涉、如何结成共犯、两者之间孕育了怎样的紧张感等进行考察。

1导读讨论关于卡斯特尔赛门娅(Caster Semenya)的性别质疑问题

2)关于“身体的自我决定权”

3)“我的身体”的他人性质

4)“性别认同障碍”与变性人的自我决定权“特例法”及其周边事项

5)医疗的介入与双性运动

6)(时间允许的情况下)最终讨论

参考文献

Susan Stryker and Stephen White eds., _The Transgender Studies Reader_ (Routledge, 2006)の中から

14. Judith Butler, "Doing Justice to Someone: Sex Reassignment and Allegories of Transsexuality", pp.183-193.

20. Jay Prosser, "Judith Butler: Queer Feminism, Transgender, and the Transubstantiation of Sex", pp.257-280.

22. Cheryl Chase, "Hermaphrodites with Attitude: Mapping the Emergence of Intersex Political Activism", pp.300-314.

米沢泉美編著『トランスジェンダリズム宣言性別の自己決定権と多様な性の肯定』(社会批評社、2003
 
石田仁編著『性同一性障害——ジェンダー・医療・特例法』(御茶の水書房、2008年)
 
アリス・ドレガー著『私たちの仲間——結合双生児と多様な身体の未来』(緑風出版、2004年)
 
 Alice Domurat Dreger, _One of Us: Conjoined Twins and the Future of Normal_ (Harvard University Press, 2004)

日本語参考サイト

日本インターセックス・イニシアティブ http://www.intersexinitiative.org/japan/index.html