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2014/04/06

田中知先生「放射性廃棄物と『排泄』」

Tweet ThisSend to Facebook | by:LAPスタッフ

今日から、原子力国際専攻・田中知教授の「放射性廃棄物と『排泄』」が始まりました。受講生の多くが文系であることから、田中先生には専門的な話を分かりやすく説明していただきました。講義は「原子力を理解する──原子力エネルギーの利用原理」、「自然放射線──私たちの身の周りの放射線」、「放射性廃棄物の種類──放射線廃棄物の発生と種類」、「“放射線廃棄物”(資源?)の再利用──高速増殖炉と核燃料リサイクル」、「放射線廃棄物の処分──現在の処分技術が想定していること」によって構成されます。

講義の概要は地域文化アジア日本2年生、原伸太郎のレポートを転用します。

 

原子力エネルギーを利用する際に生じる放射性廃棄物には、文字通り廃棄物として、利用ののちにすぐ処分してしまうほかに、再処理を通してもう一度利用したり、熱消毒などの線源利用に充てたり、将来何らかの形で処分できるように分離変換を行ったりするなどの処置が行われている。そこで重要となるのが、何が廃棄物であって何が廃棄物でないのか、即ち何が再利用可能であるのかの見極めである。原子力発電後の生成物の内訳は、ウラン2389395%を占め、そのほか1パーセント前後の割合で、ウラン235、プルトニウム、核分裂生成物が存在しており、このうちウラン235、プルトニウム、ウラン238は発電終了後もなお核分裂をさせることができるため再利用が期待されるものの、それぞれを分離するのが難しいということが問題点のひとつとなっている。一方、核分裂生成物は安定状態に向かって放射能を発散しながら反応を続け、くわえて反応物だけでなく、周縁として原子炉に用いられている金属も中性子を吸収することで全て放射性廃棄物に変わってしまう。これらは気体・液体・固体といった状態の違いや危険性のレベルに伴い、埋設処分など、1000年または10000年単位の長期間での処理がなされる。

放射性廃棄物の特徴は、大きく三つ挙げられる。それは、量的に少ないという点、主に人間の身体へ影響しやすいという意味で高い危険性を有する点、放射能減衰つまり無毒化までに途方もない長期間を要するという点である。特に三つ目に関して、捨てることが10000年単位の行為であるのに対し、生きることが1年単位、1日単位での行為であるというジレンマが常に付いて回るように思われる。排泄物を人の身体から遠ざけることは重要であり、放射性廃棄物の場合も、ガラス固化体や多重バリア、地層処分など慎重に慎重を重ねた処理が行われているが、5万年後にそのシステムが正常に働いているのかどうか、正確に予想できるのかには疑問が残る。

 

田中先生は十数回の中国訪問歴があり、中国の歴史、地理について豊富な知識をおもちで、南京にもこれまでに7回来たことがあるそうです。自由時間ができると、先生は一人で南京の町を歩き回っておられました。新街口の路地に民国23年(1934年)に建設された集合住宅を発見したと、興奮して教えてくれたのがとても印象的でした。授業の最後に、先生は和歌をお詠みになり、授業に参加者にお送りくださりました。

 

 紫金山 春の緑に 月冴えて

 南と東とに

 大きく学ぶ

 

田中先生、お忙し中ご出講していただき、ありがとうございました。
(白佐立)








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