ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第5回 03月14日 渡邊 雄一郎

生命になぜ水が必要なのか

2013/3/14 - 2013/3/15

水はわれわれにとっては身近な物質であるが、化学の世界ではむしろ特殊な物質である。地球上には水が豊富に存在するために、海洋、大気、さらには地表のありさまも水の性質によって大きく支配され、変化もする。本講義ではこの流れをうけて、最初は水という物質について概説した後に、我々の生体内でその性質がどのように活かされているか、その中にとけている物質がどのように挙動するかを考察する。ここから生きているとはどのようなことかを、化学と生物学的な観点からの表現を試みる。進化のなかで生命体は、水の性質の影響を受けながらも適応力を身につけたものが生き残ったと考えられる。巧みにその性質を利用している興味深い生物現象にも遭遇する。人類の誕生とその営みは、それまでの生命と水の関わりに新たな段階を生み出したと考えられ、人類が地球の水環境を守らねばならない時代に来ていると考えられる。

講師紹介

渡邊 雄一郎
植物を対象にして、生物が地球環境の中で生きていること、生き延びてきた仕組みを、遺伝子やRNA分子に注目しながら研究している。なぜ木は大きくなるのかといった目的論ではなく、どのようにして大きくなることができるのかという機構に興味があります。
レジュメダウンロード

コメントする

 
他の授業をみる

Loading...