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学生による意見・感想 南京大学フィールドワーク研修【3月】2012年度

集中講義の感想(南京大学M1)

今年集中講義のテーマは「変容」です。変容というと簡単に理解すると様子の変化です。でも、ここでいったい様子を変えることか、あるいは様子が変わることかは問題です。もちろん、どっちでも変容と言えると思います。でも、「様子が変わる」のをさておいて、「様子を変える」ということが非常に興味深いです。

今回の講義を聞いて、一つ中心的な考えがあります。つまり、ある程度極端に言えば、「変容」は進化のために動物と植物が自己から選んだ行く道です。植物といえ動物といえ、地球で生まれたはじめの時から「変容」が設定されるわけではなくて、生まれてから自然環境の変化と応じて自己の変容を行います。

昆虫を例にして見れば、変態と擬態があります。変態は成長段階によって身体が変わることです。これをさておき、擬態のことを考えてみると、それはまさに昆虫の知恵です。昆虫の擬態には二種類があります。食べられない擬態と食べる擬態です。ベイツ擬態と隠蔽型擬態はそれぞれほかの動物と植物の葉に似ていて、逃れるための擬態です。そして攻撃型擬態は食べ物を捕らえるための擬態です。たくさんの昆虫は常にこの二種類の擬態を同時に持っています。自分のニーズによってこの二種類の擬態の中に自然に転換できます。

植物においてもそうです。エピジェネティクスというものがあって、環境の変化によって、記録の使い方が調節され、調節の状態が次の世代に伝わることもあります。これをエピジェネティクスと呼びます。このエピジェネティクスによって、新たな種の誕生にもつながります。

つまり、変容というのは進化のためで、常に新たなものを生み出すことに導きます。

人に関してはいささか理論が複雑ですが、上の点では同じです。「精神分析における主体の変容」の講義では、先生がフロイトの考え方について紹介してくださいました。フロイトは治癒体験から遡ってヒステリー症状の原因を考えていました。病からの治癒というのは、「悩み」からの解放であり、「私」に訪れた望ましい変容である、と言うことができるでしょう。これは一般にあらゆる病についていえることではありますが、ヒステリーに特徴的なのは、その発病と治癒が、ある一定の欲望との関わりで考えられています。これは非常に面白い考えだと思います。病から治るというのは、まさに「変容」の欲望と関わるのは前はどうしても考えられないことです。

ですから、今回の講義を聞いて、たくさんの知識を学んだほか、ものを考える新しい視点を見つけました。そして、自然の生物、人間自身に対する認識も深めたような感じがします。

(南京大学M1)

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