News

【募集要項】中国社会文化研修~深思北京2024

北京は中国の首都であり、政治の中心である。そして、現代アートに代表される新しい文化発信の中心であり、京劇に代表される伝統文化の中心でもある。北京はじつにさまざまな顔を持つ重層的な場所である。本研修は当初、中国語上級者向けの語学研修の色彩が強かったが、今年から、語学の枠に囚われずに、中国の政治的・文化的中心である「北京」を通して、現代中国と同時代に生きる中国人を多角的に考察する視点を提供するプログラムとして再出発する。

振り返るに、2020年以後、コロナ禍による渡航制限、そして技術の飛躍的な発展に伴う語学学習のあり方の変化を逆手にとって、学生の主体性をより重視したワークショップを積極的に取り入れ、オンラインと対面方式を両方駆使した日中学生相互取材や代行取材などの交流実践をしてきた。その間、時に、言語の「壁」が過大視されることによって、交流の意欲と工夫が阻害されることがあった。あるいは逆に、語学力をはじめとする自分の知識量を過信し、先入観や思い込みに囚われて、他者への想像力、目の前の人間に対する感受性が鈍り、思考停止に陥るようなこともあった。しかし、本研修に参加する学生は、好奇心とともに相手に対するリスペクトを決して忘れないでいただきたい。それは、相互理解のため、相互交流のための、はじめの一歩、異国の社会文化を理解するための必須の生の技法である。2024年の研修は、東京大学教養学部リベラルアーツプログラム(LAP)と中国人民大学文学院、そして現地の文化団体との連携で実施されるが、本研修が成り立つのは、そもそもこの、東大駒場と北京のカウンターパートナーとの間の信頼関係があってこそである。

S2タームに選考を行ったうえで、事前講義を行ない、10名以内の少人数クラスを編成し、9月上旬に北京に渡航して現地研修を実施する。事前講義の段階で各自の問題意識を明確にしておく。現地では、受動的な見物ではなく能動的な考察に取り組む。訪問先では、現代中国の第一線で活躍されている各業界の識者と密度の高い「対話」をする。また、滞在期間中に、中国人民大学の学生と集中的に意見交換ができる自由観察日を設ける。事前にチームを組み、十分な計画を立てたうえで、市民生活や都市文化を考察する。

 研修日程
.事前講義:S2ターム水曜日5限【暫定・応相談】
 ・ガイダンス1回
 ・中国社会文化レクチャー3回【講師調整中】
 ・中間発表会1回(問題関心、考察テーマ、情報共有)
 ・チュートリアル1回(個別対応、自由観察の計画調整)
.現地研修: 20249月上旬の1週間(日付調整中)

 研修後提出物
 1.研修後報告書(刊行予定)
 2.vlog(公開予定)

 担当教員
  伊藤 徳也(大学院総合文化研究科・教養学部)
朱 芸綺(教養教育高度化機構)

 参加・単位取得要件等
 ・中国語か英語での対話が自在にできると便利だが、参加のための必須条件ではない。語学力よりも、コミュニケーション力と意欲、そして主体性と問題意識が求められる。
 ・参加希望者は以下の規定によってレポートを提出すること。参加希望者が予定人数を超えた場合は、レポートにより選抜を行う。
 ・出発前の事前講義への参加、研修後提出物の提出は、いずれも必須。
 ・単位が必要な学生は履修登録訂正期間が終わるまでに履修登録をする必要がある。

 対象・人数
  学部生10名以内(大学院修士課程生も参加可)。

 レポートについて
1.テーマ
 ①今最も関心のある中国関連の話題について、調べたこと、自分の考え方、さらに知りたいことなど(日本語1200字程度)
 ②(北京の広さと時間制限を念頭に、情報収集力を生かし)中国人民大学の学生との1日自由観察会で確認したいテーマ/対象、理由、ポイント(文量・体裁自由)

2.提出方法:メール添付
 ・タイトル:深思北京2024参加希望_氏名
 ・以下の情報をメール本文に記載してください。
  ①氏名(学年、所属、学生証番号)
  ②外国語(中国語、英語)運用能力(学習歴、滞在歴、国際交流経験、関連資格の有無など)

3.送付先:adminlap.c.u-tokyo.ac.jp(@は半角に置き換えること)

4.締切:2024531日(金)24時(締切厳守)
62日までに受け取りの確認メールを送付する。確認メールを受け取ってない場合は必ず担当教員に連絡すること。

 注意事項
 ・研修参加中は本学が派遣する学生であることを自覚し、東大生としての品位と矜持を持って行動するとともに、研修に精励すること。
 ・渡航にかかる航空券、宿泊費及び研修費には、奨学金<(株)ゼンショーホールディングス提供>が用意されるが、海外旅行保険料、ビザ申請費用、その他生活上の諸雑費などはすべて参加者の自己負担となる。
 ・所定の期限以降に参加を辞退する場合は、辞退理由を問わず、航空券、宿泊費及び研修費など諸費用のキャンセル料を支払うこと。その際に発生する海外送金手数料等も学生負担となる。また、課題、報告が提出されない場合は、奨学金を返還していただく。※やむをえず参加を辞退する場合は、①ただちに本研修の開講部門リベラルアーツ・プログラムに申し出ること。(事務局admin@lap.c.u-tokyo.ac.jp ) ②事務局に連絡の後、書面による辞退届を提出すること。辞退日は書面による辞退届を受理した日となる。申し出が遅れた場合、補欠者の繰上げ合格や現地の調整支障が出る。
 ・2024年5月7日現在、中国に入国する際にビザが必要。9月の現地研修への参加が認められた人は、パスポートがなければ速やかに取得したうえで、中国のビザを申請、取得すること。

 問い合わせ先
 ホームページの問い合わせ欄から、もしくは下記のLAPメールアドレスまで。
 LAP事務局 admin@lap.c.u-tokyo.ac.jp(@を半角に置き換えて下さい)

Loading...