事前演讲
《镜》
概要
われわれが自らについて知るための最も身近な手段「鏡」。それはさまざまな仕方でわれわれの認 識を拡張してくれるものであると同時に、実在しない世界を作り出す最古の装置でもあった。「精密科学でありながら、逸脱した、夢幻的なヴィジョン」(J・ バルトルシャイティス)をもたらす反射光学の現象は、古くから自然の中で、水面の反映や大気の屈折によって生ずる蜃気楼などを通して知られてきたが、 「鏡」はその魅力的な矛盾を人間の支配下に置く仕掛けとして、技術的な洗練を経て科学の進歩に大きな役割を果たすとともに、文学や芸術の分野において尽き せぬ霊感の源となってきた。
本講義では鏡および鏡映の現象が古今の科学や文化の領域にもたらしたインパクトやそこで提起した問題をオムニバス形式で紹介してゆく。
日時
2014年10月30日(木)6限
教室
情報教育棟4階 遠隔講義室
講演者
松田恭幸先生(広域科学専攻/物理学)
「自然界における右と左の話」
林少陽先生(超域文化科学専攻/思想史・文学)
「漢字圏文化史の中の「鏡」」
本講演は、2015年3月に南京大学で行われる南京大学集中講義『鏡』と連携しています。3月の集中講義の中から、核となる文理2つのトピックスについて「鏡」について論じます。
また、本講演は南京大学集中講義『鏡』への派遣学生選抜を兼ねております。同講義への参加を希望する方は本講義に参加し、レポートを提出して下さい。選抜された方は2015年3月8日~15日或いは15日~22日の期間に、南京大学での集中講義及び学生討論・共同研究に参加することができます。前期課程から大学院生まで、全ての学生の聴講及び選抜への参加を歓迎致します。