ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい
第4回 03月11日 原和之
思想史の中の身体──精神分析学を中心に
・3月10日:前夜祭
・11日~12日:講義
プレ講演の中でも紹介したとおり、西欧思想史における身体をめぐる思考は、心身二元論と呼ばれる枠組によって強力に枠づけられていたが、とりわけ20 世紀に入るとこうした枠組を乗り越えて身体を思考しようとするさまざまな試みが登場してきた。この授業では、そうした試みの中から、精神分析学における「身体」概念のあり方を取り上げる。精神分析は、心身の双方に症状を生ずる「ヒステリー」という具体的な問題に答えを与えようとする中で、「身体的なもの」と「心的なもの」の関係を独自の視点から捉え直すことを余儀なくされた。そこから展開された精神分析の議論の中で、身体がどのように捉えられているかを、一日目は精神分析の創始者ジグムント・フロイトの初期の草稿『心理学草稿』を、二日目はフランスの精神分析家ジャック・ラカンのエディプス・コンプレックスをめぐる議論を中心に検討してゆく。
- 講師紹介
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- 原和之
- 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻多元世界解析講座准教授。 東京大学から同大学院で地域文化研究(フランス)。パリ第一大学、パリ第四大学で哲学を修める。パリ第四大学博士(哲学史)。電気通信大学 専任講師・助 教授を経て、2004年4月より東京大学大学院総合文化研究科助教授(准教授) (地域文化研究専攻)。著書に『ラカン 哲学空間のエクソダス』(講談社)など。
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