ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第5回 03月16日 後藤絵美

イスラームと家―性別空間分離の過去・現在・未来―

イスラーム教徒が暮らす家の特徴としてしばしば挙げられてきたのが、性別による空間分離の傾向である。婚姻外の男女(婚姻が禁止された関係を除く)の接触を制限したり、女性の美しい部分を覆い隠したりする行為は、イスラームの啓典クルアーンに由来するものでもある。一方で、そうした行為の実践のあり方は、時代や地域、個々人によってかなりの程度異なってきた。本講義ではエジプト・カイロの家とそこに暮らす人々に焦点をあてて、その多様性やダイナミズムを知るとともに、それらが生まれる背景について考えていきたい。

講師紹介

後藤絵美
西アジア・中東地域研究、イスラム文化・思想、服飾文化史。東京大学総合文化研究科博士課程修了。学術博士。平和中島財団奨学生としてエジプトに留学、カイロ・アメリカン大学女性・ジェンダー研究所に研究員として在籍(2003–5年)。東京大学東洋文化研究所助教(2013年-15)を経て、現職は東京大学日本・アジアに関する教育研究ネットワーク特任准教授(2015- )。主著『神のためにまとうヴェール―現代エジプトの女性とイスラーム』(中央公論新社、2014年)、共訳『「女性をつくり変える」という思想』(明石書店、2009年)。

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