中国の学生との共同フィールドワークを体験したい

学生による意見・感想 南京大学フィールドワーク研修【3月】2010年度

南京リベラルアーツ・プログラムについて

今回行われた南京大学との交流プロジェクトは、自分のこれまでの常識を揺るがすとても貴重な機会になった。
自分と外部の境界は揺ぎ無いものだと考えていた。しかし、このプログラムを通してその境界をある意味で撹乱することが出来た。
 
例えば、「機械が人間に近づいている」ということは、ニュースで報道される人間型ロボットから認識していた。ただ、廣瀬先生の講義において、人間がメガネをかけるなどごく日常的になった行為を「人間が機械を取り込んでいる」と解釈することも可能だと知った。そういった考え方をすれば、埋込式の人工内耳など人と機械が一体化するようなロボットも「メガネをかけるようなものだから」という形で社会に納得させることが出来るかもしれない。ただ、その時の違和感から、人間と機械の間には自分の中ではまだ壁があるのかもしれない、と思わせられた。この違和感を克服することについてはまだためらいがあり、ロボットに関する倫理が成熟するまで待つことも必要ではないだろうか。
講義も素晴らしかったが、南京大学の学生との交流、南京を見たことは、日本と中国の違いを見つめ直すいい機会となった。
中国は近年、急速に経済発展している。その知識はあっても、いざ本当の中国を見てみるとその近代化した街並みやあちこちに見られる大きな建設現場には驚かされた。南京の中で発展している部分は、日本の街と変わらないだろうと思われた。それでも、キャラクターの絵的センスなど、「中国らしい」と思える部分が随所に見つかった。
南京大学では日本語科の中国人か、そうでなくとも日本語を会話が出来る程度に習っている中国人と主に交流した。日本語の上手い人なら、特に口下手な日本人と比べればどちらが日本語が上手いのかは分からない。外見的には日本人と似ている中国人が日本語に近い言葉を話している、ということは非常に自分にとってややこしかった。ややこしかったが、言葉を交わしている時に言語能力の差ではなく考え方で「いかにも中国人だな」と思わせられる点はあった。それでも、やはり違和感を受け入れてみればより深く交流ができると感じた。
異なる2つの物があり、それが似通っていく時にこそ相違点は見つかりやすい。その時に覚える違和感を、ある時は克服し、ある時は受け入れていく。今回のプログラムはどのような体験にも根本的には相違点を見つけ、考えていくという基本的な行動がいかに重要であるかしることの出来る、とても意義深いものであった。
 

今回行われた南京大学との交流プロジェクトは、自分のこれまでの常識を揺るがすとても貴重な機会になった。

自分と外部の境界は揺ぎ無いものだと考えていた。しかし、このプログラムを通してその境界をある意味で撹乱することが出来た。

例えば、「機械が人間に近づいている」ということは、ニュースで報道される人間型ロボットから認識していた。ただ、廣瀬先生の講義において、人間がメガネをかけるなどごく日常的になった行為を「人間が機械を取り込んでいる」と解釈することも可能だと知った。そういった考え方をすれば、埋込式の人工内耳など人と機械が一体化するようなロボットも「メガネをかけるようなものだから」という形で社会に納得させることが出来るかもしれない。ただ、その時の違和感から、人間と機械の間には自分の中ではまだ壁があるのかもしれない、と思わせられた。この違和感を克服することについてはまだためらいがあり、ロボットに関する倫理が成熟するまで待つことも必要ではないだろうか。

2010_hirose.png
廣瀬先生の授業の様子

講義も素晴らしかったが、南京大学の学生との交流、南京を見たことは、日本と中国の違いを見つめ直すいい機会となった。

中国は近年、急速に経済発展している。その知識はあっても、いざ本当の中国を見てみるとその近代化した街並みやあちこちに見られる大きな建設現場には驚かされた。南京の中で発展している部分は、日本の街と変わらないだろうと思われた。それでも、キャラクターの絵的センスなど、「中国らしい」と思える部分が随所に見つかった。

南京大学では日本語科の中国人か、そうでなくとも日本語を会話が出来る程度に習っている中国人と主に交流した。日本語の上手い人なら、特に口下手な日本人と比べればどちらが日本語が上手いのかは分からない。外見的には日本人と似ている中国人が日本語に近い言葉を話している、ということは非常に自分にとってややこしかった。ややこしかったが、言葉を交わしている時に言語能力の差ではなく考え方で「いかにも中国人だな」と思わせられる点はあった。それでも、やはり違和感を受け入れてみればより深く交流ができると感じた。

異なる2つの物があり、それが似通っていく時にこそ相違点は見つかりやすい。その時に覚える違和感を、ある時は克服し、ある時は受け入れていく。今回のプログラムはどのような体験にも根本的には相違点を見つけ、考えていくという基本的な行動がいかに重要であるかしることの出来る、とても意義深いものであった。

(理科Ⅰ類 1年(第一グループ))

Loading...