中国の学生との共同フィールドワークを体験したい

学生による意見・感想 東大×南大共同フィールドワークin東京【11月】2013年度

共同研究「日本人の飲む水――なぜ日本人はお湯を飲まないか」を通して(2班)

1_2.jpg私は2013年3月に、南京で東大生と共にフィールドワークをした経験があるので、今回は少し進行方向をより早く見つけられるように感じていた。東大のS.K.さんとS.M.さんと討論して、やはり身近なテーマにめぐて進む方がより面白い結果が出せるとみんなが思っていた。だから、私たちのグループは「日本人はなぜお湯を飲まないか」というテーマに決めた。それからの一週間で、私たち第二班はこのテーマに関して、インタビューや文献調査ををし、その結果をまとめて、日本人がなぜお湯を飲まないのかという謎に自分なりに解けてみた。

インタビューを通して
背後にある日本人の飲み物の変遷が見えてきた

日本人は普段の生活で、お湯はほとんど飲まない。なぜ日本人はお湯を飲まないかというと、まずそれは飲むものではないと思われている。お風呂に入るとき、お茶やコーヒーを入れるとき、またカップラーメンを食べるとき使うものであるから、いかにも一種の「道具」のイメージが強そうだ。今、日本人の日常生活でよく飲んでいるのは常温の水道水と冷えたペットボトルである。水道水はきれいでありながら、便利である。一方、ペットボトルについて、人々はそれが早く便利で手に入られるとか、値段も全体的な物価と比べ、そんなに高くはないとか、運動や労働後には、水分補給のために、冷えた味付けているペットボトルを飲むのがより美味しくて、快感もあるとかと答えてくれた。各年齢層の人の答えをまとめてみれば、その背後にある日本人の日常的な飲み物の変遷が少しずつ見えて来る。

DSC04754_2.jpg文献調査の結果と対照して、以下の結論に導いた。中世の頃に、多くの日本人は白湯やお湯を飲んでいた。生活水準の向上に連れて、江戸時代に一般庶民もお茶、特に煎茶を飲めるようになった。そして、日本の水道設備が整えてから、人々はきれいな水道水を飲み始めた。八十年代に至って、安くてより美味しいペットボトルが流行って来て、特に、若者の間にペットボトルを買うのが主流となった。その後、自動販売機の出現に伴い、いつでも、どこでも、人々はペットボトルを買えるようになった。まとめていうと、日本人の日常的な飲み物は、社会リズムの加速、経済レベルの向上、科学技術の進歩とともに、だんだん変わってくる。それに、一つ重要なポイントは、日本人は元々冷たいものに対して、抵抗感が低いである。弁当とか握り飯とか、特に中国の食物と比べ、冷食が多いようだ。これも日本人が冷えた水や飲料に慣れやすい一つの理由であろう。

フィールドワークを通して
印象に残った点や勉強になった点

フィールドワークをする過程で、印象に残った点や勉強になるところはいくつある。まず、インタビューをするとき、どすれば最適であるかということだ。東京の人々は普段生活のリズムが速いので、長く質問される時間の余裕はないようである。また、知らない人にいきなり聞かされるのもすこし抵抗感があるかもしれないので、最初の自己紹介や訪問の目的をちゃんと説明しなければならない。インタビューする時に、聞き取り対象の気持ちも忘れずによく注意するわけである。相手が急いで終わりたい時は、ひたすら自分の思うままに聞くとは、大変失礼なことになるかも知れない。更に、むやみに事前で用意した質問に沿って聞くと、いい回答に逃げられる可能性があるから、聞くとともに、素早くその回答の内容をベースとして、一歩進んで新しい質問を出しても構わないのである。これで、思いつかなかったいい研究方向が出現できるかも知れない。それにしても、インタビューをするのは、やはり話し手のペースでやるというのは忘れてはいかない。3_2.jpg

そして、フィールドワークをすると同時に、かならず研究方向を弛まなく修正するわけだということを実感した。聞き取り対象の話からいいアイデイアを思いだしたり、文献調査で今の仮説と矛盾しているところを発見したり、また専門家に調査の漏れを指し出してもらったりのも、これからの研究の道に影響を与える可能性があるので、できるだけ早く、また合理の範囲で、より多くの人の思いを収集したほうが良い。そして、一回聞き取りをする後で、必ずその結果をまとめて見る必要がある。それから、価値のある研究方向を決めながら、結論の根拠として関連資料を探すべきである。例えば、私たちのグループは、最初から「中国人がお湯を飲むが、なぜ日本人は飲まない」という疑問から研究を始めたが、最後は実際に中国廣東省の先生に聞いて、思いかけないことに、その辺の人もお湯を飲まないという習慣がある。つまり、この「事実」は最初から成立しにくいであろう。もし仮説を立てる前に、より広い範囲でインタビューをしておいたら、より説得力のある研究結果が出せると私はそう思った。

(南京大学日本語科 大学院生 L.X.)

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