I Want to Learn How to Think Beyond Academic Disciplines

Vol.9 2012.12.05 FUJIWARA, Haruhiko

Biology of Insect Camouflage and Metamorphosis

Many of the insects we find in the world, which are as diverse as over a million species, radically transform their shape and figure in the process of their development. Such "transformation" is called metamorphosis, but what kind of molecular mechanisms account for this? On the other hand, apart from ontogeny, which is a short-term "transformation," there is also another kind of "transformation" (evolution) that spans quite a long period of time and has given rise to the diversity among insect species. In particular, insects, being smaller in size than other animals and more prone to predators, have developed a strategy (camouflage) for deceiving their enemies by imitating colors, shapes, behaviors etc. of others. In this lecture, I would like to introduce you to the molecular mechanisms behind those skillful adaptive strategies by insects, by looking at their camouflage and metamorphosis, the two completely different kinds of "transformation."

Instructor

FUJIWARA, Haruhiko
Areas of specialty: molecular biology/adaptive evolution studies Professor Fujiwara finished his doctorate at the Department of Biology Sciences, Graduate School of Science, the University of Tokyo in 1986. He holds Ph.D. in Science. After serving at National Institute Health Japan and as Researcher at the Department of Zoology, University of Washington (Seattle, USA), Associate Professor, Graduate School of Science, the University of Tokyo etc., he has served since 2004 as Professor at the Graduate School of Frontier Sciences, the University of Tokyo. His primary research interest is in insects, and he has been working to unravel the molecular mechanisms of camouflage and metamorphosis as well as evolution of telomere and selfish genes from various angles.
Reference : books
  • Fujiwara, H. Deceiving by imitating: The mysterious world of camouflage. Published by Kagaku-dojin (series "DOJIN sensho") in 2007. / ISBN 978-4-7598-9
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comments(最新2件 / 6)

luke    reply

本日の講義を受けて感じましたのは、生物の進化のメカニズムを解き明かそうとする生物学の営みは、なんと宗教的なのだろうか、ということでした。これは、「進化論は科学ではない!」と言って糾弾するつもりなのではまったくありません。むしろ私は、このような「宗教的な」進化生物学に、強い憧れを抱いてしまったのです。(藤原先生のご研究を「進化生物学」という実にあいまいな名称で括ってしまうことに、大変申し訳なさを感じますが、「表記の都合上」ご了承ください)

私は、文系の人間ですから、必然的に、「人間」が中心的にかかわる問題に取り組むことになります。するとそこではいつも、人間の生死の問題がつきまとい、理念や手続きに関して「倫理性」なるものを追求すれば追求するほど、出口のない難問(アポリア)に陥ることになります。そして、実に絶望的な気持ちになります。もちろんそこで諦めてはいけないのですが(アポリアに直面しても諦めないことに文系学問の存在意義があると信じています)、しかしやっぱりこんなアポリアだらけの世界には付き合いきれない!と叫んでふと横を見ると、そこには輝かしいばかりの科学の世界が広がっていたわけです。

科学には、言うまでもなく、暗い側面と明るい側面がありますが、今日の講義を通じて垣間見た科学の世界は、紛れもなくその明るい側面、それもその最も明るい側面でした。進化生物学――それは、現在の自然界に残された「痕跡」をもとに、過去の長大な進化の歴史を、いわば考古学的に解き明かす営みに他なりません。その進化生物学にとって、いま最も有望な武器となっているのがゲノム情報であるわけですが、現在進行中の「ゲノム情報ビッグバン」によって私たちが直面しているのは、自然界にはいかに大量の、文字通り想像を絶するほどの情報が埋め込まれているか、ということでした。それは、現在の最新のコンピューターをもってしてでも追いつかないほどなのです。この圧倒的な情報量を前にして、無力感に襲われるのではなく、むしろそのすべてを解明して、地球上の生物の歴史をできる限り明らかにしようと意気込む、藤原先生の、そして進化生物学者の方々の姿勢に、感動してしまいました。文系学問の世界で、「大きな物語」の喪失が言われるようになってから久しいですが、ここにこそ、「大きな物語」はしっかりと息づいているではないか!と私は感じたのです。地球上のすべての生物がこれまでに辿ってきた道のりを明らかにすること。それは、聖書に記された世界創造の物語を、科学という人間の言葉によって、その不完全さを十分に自覚しながら、もう一度語りなおす営みだと言ってもよいかもしれません。それが、私が進化生物学に、ある種の宗教性と、あふれんばかりの輝きを見出し、そしてそこに、深い憧れを抱かずにはいられなかった理由です。

本日は、刺激的な、というよりもほとんど救済的な講義を、ありがとうございました。
進化生物学者の方々の、こうした輝かしい営みを心の支えにして、私はもう一度、自分の領分に戻っていこうと思います。

koco2    reply

幼いころ昆虫図鑑をよく眺めていた身として、アゲハの幼虫が最後の段階で鮮やかな緑色になるというのは長年の不思議でした。今回それに対する科学的な説明を聞けたことは非常に嬉しく、また昆虫の細やかな生態に一層の興味が湧きました。擬態の事例はそれなりに知っていたものの、その擬態が虫自身には見えないのに彼らは最適な形態を獲得したのだというお言葉には胸を衝かれた思いです。昆虫の進化を解き明かす現在の研究がより進展することを願うと同時に、私は未来の昆虫の姿に思いを馳せてしまいました。決して現在の形態も適応の答えではないはずですから、これからも昆虫達は驚くべき姿を手に入れるのかもしれません。私が死んだ未来で、そこにも世界に擬態する昆虫がいることを空想すると、やはりこれこそが彼らの終わることのない魅力の一つなのかと思いました。

You    reply

前回の講義(植物における変容)でも思ったことですが、今回の講義で昆虫の変容を学び、いっそう「生きとし行けるものはみな変わらずにはいられない」ということを感じた。
自然界の緑も千差万別で、そのため緑を発現する遺伝子ではなく、青と黄を発現する遺伝子を用いて繊細に色を調整するというやり方に、進化(長期間の変容)或いは幾多の淘汰の果てに獲得した能力だけに安定している方法故に合理的で安定しているのだろうか。
メラニンやドーパミンなど、人間の仕組みを学ぶ時に耳にする物質が、まるで人間とは異なる昆虫でも(主に色・模様の発現具合のためとはいえ)使われているということに非常に驚いた。
私個人としては積極的に虫を触ろうと思えるほど好きではないのだが、昆虫がここまで奥深く、興味深いものだとは思わなかった。生命の半分ほどを占める種なのならば、研究対象としてもし尽くせない部分があるのは確かかもしれないが。

mushamusha    reply

ダーウィンの進化論が嘘っぱちに思えるくらい昆虫は奇怪で巧妙な手を使って擬態・生存することがわかりました。このことから考えるに、地球の生物には人為的な介入があるのではないかと感じます。それは宇宙人かもしれない。笑われても仕方ないけれど、地球の生命より以前に生命が宇宙のどこかに存在していたという可能性はいなめません。実際人間も遺伝子操作などを自分より下等とみなしている生き物に対しては行っているわけですから、実験的に誰かが地球に生命の苗を植え付けた可能性も考えられるわけです。生命が目的論的に帰結できないとするなら、あのような変容には何者かの介入があったと考えても何がおかしなことでしょうか…。というのは完全に僕の妄想が入っていますが、原子や分子って昔は妄想の類とみなされていたけど今は立派にみんなが信じるものになっている。それに比べたら宇宙人?介入説だってあながちおかしくはないかもと思います。

HAT    reply

ヒトも思わず騙されるトリックアートのような紋様をもつ昆虫たち、
その人の手によっては到底描ききれない繊細なカモフラージュをいかにして手に入れたのか。
僕は蟻を触るのも躊躇する虫ギライですが、今回だけは宝石のカタログでも眺めるように講義に見入ってしまいました。

僕は人文・社会科学の畑の人間なので昆虫の進化がどのように起こっているのか全く分かりませんが、
昆虫の目で見ると世界はどのように見えるのか、非常に興味を持ちました。
人間の目では追いきれないような繊細な色のグラデーションまで感じ取って、さぞ美しくカラフルな世界なのでしょう。

えあ    reply


変容に、進化の意思の在る無しが、あるとして、その進化 は、繁茂をえらぶのか滅亡を目指すのか。それらの進化 が 滅亡 を 目指す 極めて 生物の本能を退ける 異様な選択を 重ねることを求める それである 証明を、始めたその 証 を、確認するには、生命のmission 抜きには、不可に思えます。 

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