梅 葆玖、李 恩傑
TLP(日中英)推進特別企画 梅蘭芳生誕120周年記念 梅蘭芳双甲之約東京大学講演会

京劇は中国を代表する伝統劇です。梅葆玖氏は、その京劇の代表的な流派である梅派を継承する現代の名優です。その梅葆玖氏と北京京劇院長の李恩傑氏をお迎えして、講演会を開催します。
今年は、梅蘭芳生誕120周年にあたる記念すべき年です。梅蘭芳(1894‐1961)は、四大名旦の1人として知られ、清朝末期から辛亥革命、さらには北洋軍閥の時代という激動の中国にあって、それまで倫理的な男役(生、老生)を中心とした京劇を、舞いや所作で伝統的美意識を表現し、近代的な女性観を併せ持った女形(旦、花衫)の演劇に昇華し、京劇を時代の最先端を行く芸術へ発展させた功労者です。
梅蘭芳の影響は中国にとどまらず、日本や世界にも広く及んでいます。1919年に京劇初の海外公演を日本で行い、歌舞伎との交流を行うとともに、日本の観客に深い印象を与えました。1924年と国交のなかった1956年にも訪日公演を行っています。1930年にアメリカ、1935年には当時のソ連などでも京劇公演を行いました。
本講演会は、梅蘭芳生誕120周年を記念し、梅派の京劇をいまに継承し、その発展に努めておられるご子息の梅葆玖氏を本学にお招きし、その代表的な演目『貴妃酔酒』を軸に京劇の精神や技法について語っていただきます。また、李恩傑氏は、北京京劇院院長の職にあって、京劇芸術の伝承と発展の責任者として重責を果たしておられます。中国の伝統文化の今日の課題について、ご紹介いただきます。
日時
2014年10月14日(火) 18:20開演
場所
東京大学教養学部 21KOMCEE East 地下一階ホール
プログラム
梅葆玖氏 『「貴妃酔酒」から「貴妃酔酒」へ』 (从贵妃醉酒到贵妃醉酒)
李恩傑氏 『現代における京劇芸術の伝承・保護と発展』 (京剧艺术在当代的传承保护与发展)
使用言語
中国語(通訳あり)
対象者
学生・大学院生・教職員
[講演者紹介]

1934年生まれ。名優梅蘭芳の子息。中国全国政治協会委員、北京京劇院国家一級俳優、梅蘭芳芸術研究会・基金会会長、北京京劇院梅蘭芳京劇団団長を務め、中国文化部「無形文化遺産継承者」である。梅派の京劇を継承する名優として、内外に多くのファンを持つ。代表作は『貴妃酔酒』、『太真外伝』、『覇王別姫』、『宇宙鋒』、『穆桂英掛帥』など。

1958年生まれ。ながく北京市の文化行政に携わり、これまで北京京劇院のほか、中国雑技(サーカス)団の団長や北京市雑技学校の校長を務めたこともある。2002年に北京市文化局副局長、2009年に北京演芸団と中国雑技団有限公司の理事長となり、2010年8月から北京京劇院院長となり、現在に至る。
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