Politics and Philosophy of Ignorance: From/ Within Asia-Pacific Localities

LAP・メルボルン大学 Ignoranceワークショップ Politics and Philosophy of Ignorance: From/ Within Asia-Pacific Localities(無知の政治と哲学―アジア太平洋地域から/において)
2015年11月14日(土)開催 於:駒場キャンパス18号館 コラボレーションルーム3 使用言語:英語(+日本語)
去る11月14日(土)10時半から17時過ぎまで、Ignorance(無知)をテーマにした、メルボルン大学とのワークショップが行われた。本研究は、2012年にメルボルン大学で開催されたJapanese Studies研究会をきっかけに、東京大学とメルボルン大学の間で毎年行ってきた研究交流を土台としたものである。
今回メルボルン大学側からは、クレア・マリィ先生とカレン・ジョーンズ先生、東京大学側からは、清水晶子先生、原和之先生、ジョン・オデイ先生がパネラーとして参加し、午前中は、それぞれが現在関心を持っているIgnoranceに関連するテーマについて英語で発表した。
発表内容は、バラエティー番組の字幕に表れるignorance(マリィ先生)、white ignoranceはどのように意図的に再生されるのか(ジョーンズ先生)、powerful ignorance 、queer forgetfulness、a melancholic nationという概念について(清水先生)、アレクサンドル・コジェーヴのヘーゲル解釈によって提示された「知りたい」という西洋の自我と「知りたくない」という東洋の自我の対比(原先生)、confabulation(作話:記憶障害により以前の経験が思い出せないため、空想を実際の経験として話し、自らはその虚偽を意識しない状態)という現象について(オデイ先生)というものであった。
午後には、それぞれの発表に対する質疑応答がおこなわれたのち、フロアも交えて活発な議論がたたかわされた。Ignorance概念を多様な専門的知見から論じ、再考することで、今後の研究交流につながる学際的な論点が見出された、意義深いワークショップであった。
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