I Want to Learn How to Think Beyond Academic Disciplines

Vol.2 2017.10.04 Hasegawa Toshikazu

Family Unions in Animals and Humans(2)

Part 2: “Family of Human Beings and a Communal Society-How Human Beings were Promoted to the Status of Special Chimpanzees”

 It can be safely said that human beings are unusual monkeys who form family and live in societies, beyond the family, among other two hundred primates. There are no other mammals who experience old age.

 In this lecture I am going to examine how the life of humans and their methods of nursing are different from the other anthropoids (such as orangutans, gorillas and chimpanzees) that are closely related to humans, as well as considering why that kind of uniqueness appeared. In addition to these, I will examine the influence of family life and community life on the evolution of human’s mind.

Instructor

Hasegawa Toshikazu
Born in 1952. From Kanagawa Prefecture. Graduated from the Psychology Department, Faculty of Letters at the University of Tokyo in 1974. Finished doctorate course at the Graduate School of Humanities and Sociology (major in Psychology) of the same school in 1984. Ph,D. (Literature). Afterwards he worked as a specialist dispatching international cooperation agents; Assistant at University of Tokyo's Faculty of Arts and Sciences; and Assistant Professor at the Faculty of Letters of Teikyo University; Assistant Professor at the Faculty of Arts and Sciences of the University of Tokyo since 1991, and since 1999 has served as Professor at its Graduate School of Arts and Sciences. In 2011 became the Dean of the University of Tokyo's Faculty of Arts and Sciences as well as its Graduate School of Arts and Sciences. A member of the Science Council of Japan for its 21st term. Areas of Specialty: Ethology, Evolutionary Psychology.

comments(最新2件 / 27)

mdk216    reply

ヒトとチンパンジーが案外近い存在であるということ、また食生活の変化などにより特別なチンパンジーとして人が進化していったのだということがわかった。おばあさんの存在は類人猿の中ではヒト独自のものというのが興味深かった。おばあさんというのは直感的に暖かく、安心させるイメージがあるが、その直感は人間にしかわからないものなのだろう。そのような生物には皆あるように見せかけて実は人間にしかない性質というのは他にもあるかもしれない。

bene32    reply

「人間は特別なチンパンジーである」ということが二週に渡ってのまとめであったように思います。「家」がテーマのこの講義においてこれほどまでに動物に特化した内容になるとは思っていませんでしたが、類人猿の家族のあり方を見つめることで、我々人間の家族関係の充実した子育て環境を再発見しました。

hk55    reply

今まで私は、なんとなく1970年代までの認識と同じく人は類人猿とは別の何か特別な存在(「特別な霊長類」)だと思っていたので、「ヒトは一介のチンパンジーにすぎない」のだということを聞いたときとても衝撃を受けた。
またチンパンジーが肉食でもあったり、戦争をすることも有るのだということに驚いたとともに人間に共通するものを感じた。
二足歩行は必ずしもメリットだけでなく、 難産というデメリットも生み出したのだということに関して、物事には必ずいい面があれば悪い点も有る、など思ったりして感慨深いものを感じた。

Kaiji827    reply

長谷川教授の講義を通じて、ジャレド・ダイヤモンドの本を読んでいたのである程度は知っていましたが、改めて人間はチンパンジーの延長にいる存在にすぎないと感じました。その中で、それでは何がチンパンジーと人間を区別しているのかという点も、雌雄それぞれの協力性が違うこと、人間の脳の発達が原因で早産が起こりそれが養育の負担を大きくすること、食べ物の性質の違いも社会体系に影響を与えることなど、ハッとさせられる知見が多く得られました。特にチンパンジーは助け合うかというスライドの説明が興味深く、人間が持つルールを理解する力、社会全体の富を増やそうとする傾向、あるいは想像力というものの素晴らしさを学ぶことができました。

azricot2017    reply

私たちは自らを理性的・社会的であると考えがちだが、今回生物学的視点から『家』を捉え直すことで、人間という動物が共通に有する性質について考察することが出来た。しかし私が一つ疑問に思ったのは、人間は動物の中でも特別な能力を有している以上、人間を社会的であると考える文化人類学などのアプローチも重視されるべきであり、どこでバランスを取るのが適切であるかということだ。今後授業で様々なアプローチが示されると思うので、多角的な視点を持てるよう励みたい。

AIL205    reply

今回の講義を受けて、これまで漠然とした感覚しか持ち得なかった、ヒトの家族や共同体の成り立ちについて初めて理解できた気がする。「アユム」の実験は心理の講義で言及されたことがあり、内容として理解しやすかったが、二足歩行への進化が胎児の早産化を促し、それが共同体の進化につながったという論点は意外だった。あくまで個人的な考えだが、小学校などにおけるPTAや「子ども会」などのシステムも、学校という社会的なシステム内ではあれど、親同士の協力から成る共同体と言えるかもしれない。この場合は「親」に父兄も含まれるため若干ニュアンスの違いがあるが、先ほどの論点が現代社会におけるヒトの行動と重なりうる点は非常に興味深いと感じた。

nagi5    reply

大変興味深い講義でした。
講義の中で人間とチンパンジーを比較することで、改めて、”人間を人間たらしめているものは何なのか”を考えることができました。

7vincent7    reply

長谷川先生の講義を通じ、ヒトは特別なチンパンジーであり、特別な存在でないことを実感しました。しかし、そのように共通点の多い類人猿でも社会構造には様々な違いが存在する、ということが興味深いと感じました。オランウータンであれば、食べ物が果物に偏るがために集団で暮らすことはしないなど、そこには様々な要因が存在し、それぞれ自分たちの生活に適した構造を採用していることを学びました。
今後の講義でも、様々な視点から「家」を見つめたいと思います。

ngnl0715    reply

ヒトとチンパンジーやゴリラは似ているとよく言われるが、今回の講義の中で両者の間の様々な違いを具体的に学ぶことができた。また、ヒトにおける「おばあさん」や「子育てヘルパー」の存在など、普段考察してみることもなかった事柄について話を聞くことができ、大変有意義だったように思える。

panda123    reply

人間とチンパンジーは非常に似ているということは聞いたことがあったけれど、具体的にどう似ていて、どこが違うのかなどということは今まであまり知らなかった。しかし今回の講義を通して、両者は遺伝的には非常に似ているけれど、人間は共同体で生活してきた中で、脳や知性が発達したということを知り、共同体生活が与える影響の大きさに驚いた。人間は他者と共に生活するからこそ、心の理解や、教育をするので、特殊な動物だと感じた。今後は、このような特別さをふまえて、家というものについて考えてみたい。また、チンパンジーは基本的に利己的で、自分に利益がない時は助け合わないが、それでも相手に執拗に要求されたら助けてあげるというのは面白いと思った。

minorin7    reply

チンパンジーは助け合うかというテーマに関して、「2頭で同時に協力して引っ張って順番に餌をもらえる」場合にチンパンジーは助け合おうとしない。餌を貰えるのに順番にという要素が加わるだけで助け合わない。
しかし「相手からの執拗な要求に応じて相手に間接的に手を貸し、相手だけが餌を貰える」場合にはチンパンジーは相手を助ける。
自分が先にもらえないだけで相手に協力しないほど利己的なチンパンジーが、相手に執拗に迫られると餌をもらえなくても協力してしまうというのがおもしろいなと思いました。あとは「間接的に手を貸す」というのがどのように手を貸すのだろうかと気になります。

ma76    reply

人間は特別なチンパンジーである、ということを2週間に渡っておっしゃられてました。
ボノボとゴリラ、チンパンジー、ヒト、それぞれが独自の進化を遂げていて、それにより夫婦の形が変わっていることを知り興味深かった。
興味を持ったので、またこのような内容の本を読んでみたいと思います。

gb2017    reply

ヒトは共同体生活をするなど特別ではあるが、類人猿の一員であるということを聞いて驚くとともに、自分の存在について改めて考えることができました。想像というか理解できないのは、なぜ他の生物は服を着ないのに人間は着るに至ったのかということ。ヒトがチンパンジーとわかれて進化して来たのならば、羞恥心や善悪の判断がどのようにして、どのような理由によって人の中に芽生えたのか、とても不思議です。まだまだヒトの存在について知識が少ないと感じましたので、より学習を進めて知識を広げていきたいです。

mthw509    reply

遺伝的にヒトと近いとされるチンパンジーやゴリラなどと、ヒトとの違いを、養育行動や社会的知性といった多様な面から見ることができ、またそのようになった理由であると考えられているものも知ることができて、動物学を面白いと感じました。また、今回の講義で動物学的観点から私達ヒトを見たことで、自分たちが人間がどのような存在なのか、色々な観点から学んでみたいと思いました。

HSn1230    reply

ヒトもチンパンジーもオス・男性同士では団結するのに、メス・女性同士で団結するのはヒトだけであり、その背景に生活環境の違いがあるというのが興味深かった。
ヒトを特別なチンパンジーとして捉えた時に、チンパンジーとしての共通項と特殊性を考えていくことが人間というものを多角的に知るのに必要であると感じた。

ram168    reply

人間とチンパンジーが非常に種類として近いものだとは聞いたことがあったが、今回の授業で両者の共通部分と相違部分を確かめられたことで、人間の特徴を再認識できた。今回は家のような社会構造の内情が人間と他の類人猿では大きく異なることが説明されており、非常に興味深かった。特に人間の「おばあさん」の存在が類人猿内では奇異な特徴であるという点は驚きだった。人間の協力性、社会性という特徴を再確認したことで、「家」とは人間の成長、存続に欠かせない要素であるに違いなく、「家」というこの講義の重要性を感じることができたので、最初の講義が長谷川先生であってよかったと思う。

mk0806    reply

おばあさんは生物学的に考えると生殖機能を失った雌と位置づけられ、それをもとに役割を考えていくという流れが物理や化学と比べて新鮮で面白かったです。
人間が同種間で集団同士で殺し合う唯一の動物だという考えは知っていましたが、人間がチンパンジーと同じ系列ならチンパンジーにも戦争はあるのかと考えたことはなく、実際チンパンジーも戦争をするというのが興味深かったです。

tsu2954    reply

自分たちは「特別なチンパンジー」であるという言葉が非常に印象に残った。どうしても人間を他の動物から離れた特別な種と考えてしまいたいが、人間はチンパンジーが進化したものにすぎないと認識し、人間を他の類人猿と比較することで、人間について気づかされることが多くあった。特に、チンパンジーと人間だけが戦争をするということが興味深かった。進化の過程で、まず戦争を覚え、チンパンジーから人間への進化のうちに、同情や共感性を獲得すると考えると、性善説より性悪説の方が正しく、多くの人が潜在的に暴力性を備えているのではないか、と思った。

Sugaya79    reply

今週から参加いたしました。
今までの生物の学習で人間はチンパンジーの一種に過ぎないということは認知していたが両者の共通点、相違点について詳しく考えたことはなかったので今回の講義は新鮮でした。雄の連合は類人猿共通だが雌の共同生活はヒト特有であるとか集団繁殖社会がヒト特有の「助け合い」をもたらした、などヒトと他の類人猿の違いをより鮮明に認識できました。「家」というテーマの学術講義で動物行動学について触れるのは正直意外でした。今後の講義がどういう展開をしていくのか非常に楽しみです。

Moo123    reply

ヒトとチンパンジーがDNAという観点から見ると近いということは知っていたが、しかしその差は思ったほど近くはないものなのかと思った。特に父親が子供の世話をするのはヒトだけである、という点は、いかに「家族」というものが特別なものなのかを考えさせるものであり、衝撃的だった。ヒトの家族の形態は時代によって変化しているが、それがヒト固有なものであるとすれば、ヒトをヒトたらしめているのは家族であると言っても過言ではないのかもしれないと思った。

ueup8    reply

ヒトと類人猿の違いというものについて考えられたのはとても良かったと思います。二足歩行をするかどうかが違いだと言う事は知っていましたが、共同繁殖や集団狩猟というように集団で行動することが格段に多いということは知りませんでした。思えば我々の暮らす社会の多くの部分は集団でないと成り立ち得ないようなことな気もして、深く納得させられました。

Laco1925    reply

類人猿においては、通常使われるような意味での「家」「家庭」ではなくとも、その原型ともとれるような社会組織が構成されることを知ることができた。「人間は特殊なチンパンジーである」という意見は非常に興味深く、また説得力のあるものだが、講義を聞くにつけやはり私には人間の特殊性が強調されて見える。人間は時代・場所・社会的位置など様々なものに合わせ家族の形を変化させてきた。その原型は類人猿のものなのだろう。しかし、その形態の変化はあまりに多様である。一夫多妻制の社会もあれば、核家族という形態が主流になりつつある社会もある。そのようなヒトという存在は、進化論の中でどのような意味を持つのだろうか。社会的ダーウィニズムという枠組みに押し込めることのできないような豊かさがそこに見えるのではないだろうか。

oka430    reply

人がチンパンジーの一種であるという事を知って少なくない衝撃を感じました。無意識のうちに人は特別な存在だとおもいこんでいたのだと思います。しかし、チンパンジーが戦争をするなどの話を聞くうちに人も単なる動物の一種にしかすぎないということを認識させられました。

0240ym    reply

今回の講義でもっとも興味深かったのはおばあさんの存在でした。
自分の中のイメージとして人も類人猿も同じように社会生活を営んでいるという印象が強かったので、繁殖機能を失ったメス(女性)が社会で重要な役割を果たしているのが人間だけであるという点が非常に興味深かったです。繁殖を終えた女性が自身の様々な知識を次の世代の女性へ繋ぐ存在として「家」を支え、結果として人類全体の繁殖、繁栄に寄与しているというのはとても感慨深いお話でした。

grape22    reply

ヒト、チンパンジー、ボノボの特徴を比較したときの複雑さや、そこから考えられる遺伝の分岐について興味深く思いました。また、ヒトに固有の特徴として見られる「おばあさん期」について、それが進化の過程でどの段階で生じたものなのかということや、おばあさん期の存在と、人間が特別なチンパンジーとして社会や文化を築いてきたこととの間にはどのような関連があるのか、学び、考えてみたいと思います。

akioto0927    reply

講義の感想

 配布された紙シラバスには特に記述がなかったため、てっきり地域文化に即した家の構造やその働きなどについての講義かと思っていた。教室に入って、受講している生徒に「この講義はなんですか?」と思わず質問してしまった。ただ、この講義の内容が予想していたものとは違ったとはいえ、内容自体は興味深い内容であったので次回からも引き続き受講したい考えである。
 さて、講義についての考察を書いていくわけだが、まずこの講義の最も大きなテーマとは「人間とは何か?」であろう。この問題に対するアプローチは多種多様であり、歴史の中でも様々な哲学者や文学者によって考察されてきた。例えば、今回の講義ではヒトと他の類人猿との違いをたどりながら人間が人間たる理由を探していく形であった。人は遺伝的には一回のチンパンジーに過ぎない。テナガザル、ゴリラ、ボノボ・・・様々な霊長類の中で人はこの地球上で一番繁殖しているが、その要因は何なのだろうか。自然淘汰において、進化には方向性がない。
 つまり、チンパンジーにある突然変異が起こってそれが集団内の遺伝子頻度が高くなる方向へ導く適応となったのであるが、その原因は一つではないと思われるが考えうるものは以下のようなものであろう。つまり、2足歩行である。2足歩行を獲得し長距離移動が可能になった人類は、今までの樹上生活をやめ、危険も多いが資源も多い平原での生活を始めた。その危険を回避するための共同体生活が営まれ、木の実だけでなく肉、根茎などの食物の変化が起こる。手が自由になった人類は武器や道具の利用を開始する。集団間の意思疎通を的確に行うために言語が開発され、(文字が生まれたのは最近のことであるが、)それによって後世に生きるすべを伝える、文化と教育が誕生した。二足歩行によって賛同が屈曲するために未熟児が生まれ、人間は共同体の支えなしでは生きていけない。その代わり、脳が大きくなり(正確には脳の容量が大きいほうが適応度が高かったということなのだろうが)言語、文化、教育によって今現在のことだけでなく未来のことについても考えられるようになる。それもあってやがて育てて収穫するという農耕牧畜社会が誕生する。
 このように、ヒトがヒトたる他の類人猿とは違う点はほとんど2足歩行の獲得という出来事に帰着できるのではないか。と私は考える。いかにも真実のように語っているが、当然この考え方は間違っているかもしれないし、もっと良い見方が存在するだろう。ただ、長谷川先生の授業を受けた一生徒の感想として受け取ってもらえたら幸いである。

fs0312    reply

本日10/11にコメント提出を報告したものです。

人間と似ているとされるチンパンジーだが、行動面では予想よりも類似点が少なかったように思う。相互利益ならば協力するのはもちろんだが、利益があるのにそれを待つことができないという譲り合いの精神は欠落していた。また同情心は持ち合わせているのに、単純に他の利益になることには協力しない。人間との違いがはっきりしている。人間社会と自然社会の違いだろうか。

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