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Vol.9 2017.11.29 Emi Goto、Nanami Toishi

A Consideration of Ie (home) and Gender―A Comparison between Japan in the Edo Period and Present-day Egypt―

A Consideration of Ie (home) and Gender―A Comparison between Japan in the Edo Period and Present-day Egypt―

Japan in the Edo period and present-day Egypt have some things in common. Firstly, both countries are marriage-orientated societies. Secondly, the male female relationship in which a man supports his family, forms the core of establishing households. After belonging to their parents’ households, the women in these societies are expected to marry, become housewives and start their lives afresh. However, not all women live up to these expectations. In this lecture, we are going to consider Ie (home) and gender, giving contrasting examples such as widows and divorcees.

Instructor

Emi Goto
Emi Goto received her doctorate (Ph.D.) in 2011 from Department of Area Studies, Graduate School of Arts and Sciences, The University of Tokyo. Her dissertation, titled “Veils for God: Increase of the Muhajjabat and Dissemination of Religious Discourses in Contemporary Egypt,” dealt with the relationship between religious discourses and Muslim veils. From September 2003 to August 2005, she was a research fellow of Institute for Gender and Women’s Studies, The American University in Cairo, Egypt. Then from April 2008 to March 2012, she was a postdoctoral research fellow of Japan Society for the Promotion of Science, and since November 2012, she has been a project research fellow of University of Tokyo Library System. Her main research interests are 1) understanding of Islam in contemporary world, 2) Islam and women: their status, roles, and veils, 3) sharia and national law, and 4) history of clothing in the Middle East. Her works in English include “Qur'an and the Veil: Context and Interpretation of the Revelation,” International Journal of Asian Studies 1 (2), 2004, pp. 277-95.

Nanami Toishi
Nanami Toishi obtained a PhD from the Laboratory of Agricultural History, Department of Agricultural and Resource Economics, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, the University of Tokyo in 2007. Since November 2013, she has been a Lecturer of the Laboratory of Agricultural History, Department of Agricultural and Resource Economics, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, the University of Tokyo. Her topics are the history of rural society and family, especially focussing on Pre-modern Japan and India.

comments(最新2件 / 22)

ngnl0715    reply

今回の講義では初めてのグループワークを行った。扶養とは誰が誰にするものかという非常に漠然とした問題を投げかけられて四苦八苦したが、自分たちなりに考えて答えを出せたと思う。また、他のグループの発表を聞いて新たな視点を見出だせたりと、意義のあるグループワークだった。

gene32    reply

私はディスカッションの意見として出た、義理の親を扶養すべきかについて考えさせられました。有望な子供は扶養するという意見が出たように、将来ある子供に対しては不要に積極的なように思います。しかし義理の親の介護となると、非血縁であるだけでなく、その先にほとんど何も生み出さない人の面倒を見なければいけないということなので、心理的に厳しいのではないかと思いました。民法では扶養を義務付けるという項目があるようですが、無理な扶養を行うことで精神疾患や犯罪などの負の側面のリスクが大きくなるのであれば、義務化の必要はないのではないかと思います。

AIL205    reply

日本とイスラームという、文化的背景が全く異なる地域の家族の比較は興味深かったです。講義からは、イスラームが養子を禁止するなど血縁重視なのに対し、日本の方が村などの地縁も重視しているという印象を受けました。この違いはやはり、イスラーム地域におけるイスラーム法の存在が大きいように思われます。日本の幕府法に比べ、イスラーム法は宗教ゆえ実行力を備えており、かつ歴史もあると考えられるからです。
しかし一方で、男尊女卑のイメージが濃かったイスラームにおいて、夫の妻に対する扶養が義務となっていることは意外でした。家族というテーマは暮らしと密接に関わっているため、それについて考えることは偏見や誤解を解きやすいのかもしれません。

gb2017    reply

扶養は誰が誰に対してするべきかというテーマからスタートして、江戸時代の日本やエジプトで実際行われていたことを知ることができ、とても有意義な講義でした。身寄りのないものは共同体が扶養するということが江戸時代の日本とエジプトには共通していて、現代の共同体とホームレスの間にはない関係があったことに気づかされました。昔の日本や異文化の扶養に対する考え方を知ることで、今の扶養形態を再考することはとても大事なことだと思いました。

ma76    reply

どのような関係の人にまで扶養することができるかについてのフィールドワークを行った。
人によって血縁関係か親しさかに分かれていて面白かった。

また、エジプトに生まれなくて良かったと思う。
先生方が言う通り少しあとのほうの江戸時代に生まれるのが一番生きやすそうだと思いました。

ueup8    reply

日本の古い縁組制度が家同士の合意によって成立する契約であったり、古典イスラーム法による婚姻が女性差別的に見えて当事者同士の合意を要し、夫は婚資や扶養といった形で奉仕する必要があるなど、形は違えど双方向に提供し合い、本人か家かの違いはあるにしろ双方の合意が必要なものであったということはなるほどと思いました。
多くの人に利益のある制度だからこそ長い間維持されてきたのだろうと思います、

mdk216    reply

二人の教師が対話形式で授業をするというのが初めての経験だったので、お互いの意見を交換し合うような形式は新鮮だった。エジプトと日本という、ほとんど地球の裏表にあるような遠く離れた場所であるのに、どちらの国でも女性は家に入る、嫁入りするという事が期待されてやや抑圧されているような印象さえ受けた。しかしその中でも枠から外れ自由に生きる女性も存在したのであろう。そのような女性像が今の女性の社会進出の前身であるのかもしれない。

minorin7    reply

序盤のグループワークで扶養を考えたときに、扶養とは一体なんなのかちゃんとわかっていなかったことに気づきました。普段バイトとかで扶養控除という単語はよく聞くけど、しっかり理解していないまま使っていたんだなあと思いました。

nagi5    reply

大変興味深い講義でした。
特に印象に残っているのは、講義の冒頭に行われたグループディスカッションです。
誰が誰を養うべきかということについて考えてたとき、「一緒に住んでいる」というのは大きなファクターになるのだなと改めて感じました。
また、これは「家」というものが我々に与える影響が大きいことの証明なのではないかとも思いました。

akioto0927    reply

「扶養とはだれがだれにするべきか?」という問いから始まり、江戸時代、古代イスラームの男女の婚姻関係について詳しく学ぶことができた。時間があればそれを踏まえた現代の扶養の在り方について授業を受ける前に比べてどのように考え方が変わったかというところも話し合ってみたかったが、授業内容自体は十分に満足できる内容であった。

mthw509    reply

今回の講義も、対談型の講義が初めてだったのもあり、とても興味深かったです。江戸時代の日本と現代のエジプト、時代も国も違うけど、家という同じテーマに沿って比べていくと、より理解が深まったように思います。
また、最初のグループワークの誰が誰を扶養すべきかについても、どの班も違った見方から発表していて、面白く感じました。

HSn1230    reply

昔の日本は(も?)、離婚が多かったのが意外だった。日本とイスラームは一見文化的差異が大きいように思えるが細かいところで共通項があって面白い。

0240ym    reply

二人の先生の対談形式によって行われる授業というのを初めて受けたので、少し感動しました。また、最初にグループでディスカッションしたテーマについて日本とエジプトを対比するという流れはとても分かりやすかったです。
日本では儒教の影響で子が親を養うという文化があったり、エジプトではイスラームの影響で養子が禁じられていたりと、どちらも宗教の影響を色濃く受けているところが特に興味深かったです。
また、アラブ系の人々にイブンという名前が多かったり、やたら名前が長かったりする理由も分かって大変おもしろかったです。
有難うございました。

Laco1925    reply

分野横断的な対談を直接目にしたことは少なく、非常に希少な経験だった。今回の講義においては、「家」の制度の地域的な差異というものが非常に重要であったと感じた。江戸期日本の家制度は地域・身分で分断的であるのに対し、イスラム法においては重層的に家制度が構成されていた。江戸時代の日本というある程度他国から地理的に分断されていた国においては地域差を地域差として維持することが容易なのに対し、イスラームという地域横断的な宗教の中では統一性を維持するための重層性が必要なのではないかと考えられる。私の限られた知識ではそのような考察に留まるが、より深い原因・普遍性を持つ考察を聞いてみたかった。

astonrin0514    reply

日本の民法では扶養が義務とされていることを知ったのは、最初のグループワークで少し驚いた点だった。
私には退職後に職が見つからず数ヶ月間生活保護を受けていた知人がいるが、確かに彼が申請を出した時、家族親族に扶養できる人がいないか問い合わせたり、煩雑な手続きをしていたのを思い出した。
しかし実際には、たとえ直系の親族でも「養う余力はありません」と言ってしまえば生活保護申請も通る印象だったので、扶養義務の規定も絶対のものではないのかと思ったりもした。
むしろ、そうして扶養してくれる者がいない人間に対しては税金から生活費を支給するシステムは、江戸時代の日本にもイスラムにもあった「共同体による扶養」という考えが、社会保障という考えに転化しながらまだ生きているのだろうか、と考えていた。
実際の所、親等の近い親族であっても、殆ど関わりのない人間を扶養はしたくないというのが、個人的には正直な所である。

江戸時代の婿養子は立場がとても弱かっただとか、イスラムでは婿養子が禁止されているという点は、共通点が感じられて興味深かった。
日本でも武家といえば男系重視の印象があるし、イスラム圏もイスラム発生以前からのアラブ部族は男系優位の部族社会であったと聞いている。そうした歴史的に形成された血統に対する価値観が反映されているのだろうかとも思った。

ma7    reply

扶養とは何かという議論から始まり、結婚や離婚など、家に一緒に住む人に関する事象を、エジプトと日本で比べるということだった。イスラーム文化では(エジプトを含む)諸々の規則が神と個人の関係で成り立つのに対し、日本では血縁者を含む村落共同体で成り立つという違いがあることがわかった。と同時に、イスラーム圏では男女格差が日本に比べても大きいと感じた。例えば、離婚は妻の同意なしに夫による独断で行われる。この男女格差は一夫多妻制によるものだと思う。1人の男性に対し、多くの女性が婚姻関係を持つゆえ、一人一人の女性の地位が男性より下がってしまうのではないだろうか。
イスラーム圏と比べることで日本人がもつ思想や文化の特徴を垣間見れた気がする。

panda123    reply

扶養は誰が誰にすべきかということは生活に関わる大きな問題であるけれど、今まであまり考えたことがなかったので、授業で考えることができて良い機会になった。実際の人間関係などを考慮せずにただ血縁が近いからというだけでは、扶養したりしてもらったりはしづらいと思った。江戸時代の日本と現代のエジプトは、身寄りがない者は共同体で扶養するなどといった共通点もあるけれど、養子などに関しては違いがあって、興味深いと思った。

Sugaya79    reply

冒頭で行なったグループワークのテーマである扶養や血縁の諸事情を江戸時代と現代のエジプトという時間も場所をかけ離れた場合で比較するというかなり面白い(よそではなかなか聞けないであろう)授業であった。やはり人間社会である以上身寄りのない貧者を村落共同体/ムスリム共同体が負うなど共通していることも多かったが養子の可否や離婚の規定等両者に差がある規定もみられた。現代の日本の法律でも親類の扶養は義務とされているが、グループワークや授業を通して将来は扶養のあり方も血縁関係に縛られず多様性を帯びてもおかしくはないと思った。

morizo15565    reply

江戸時代の日本や現代のエジプトといったように様々なケースを考えて比較し、いろいろな視点から見ることで、家やジェンダーについてより深く突き詰めてみることができたと思う。

aub0625    reply

普通に生活をしていてあまり扶養義務の定義・範囲について考えたことがなかったのでなかなかに面白いトピックだなと思いました。結構自分の思ってる常識とは異なる考えの人がいて、またしても自分の固定観念の存在に気づかされたディスカッションでした。
また、江戸時代の日本と現代のエジプトとの比較において、エジプトの命名の方法だったり養子の禁止だったりなかなかに私達からすると斬新な制度が多かったように思いました。

7vincent7    reply

普段はあまり考えたことの無いような、もし自分が扶養する側の立場になったときに、どこまでを扶養すればよいのか、ということについて深く考える機会になった。
班員の様々な意見はもちろん、、イスラームではそれがどのようであったか知ることができ、かつ両時代、地域への興味が深まった。

tsu2954    reply

江戸時代と比較しても、エジプトの女性の生きづらさを感じた。しかし、前回の授業でもあったように、クルアーンには解釈の余地があり、実際に離婚に関する法律などが変わってきていることを見ると、この問題もいづれ解決されるだろうと思った。また、エジプトでの命名法が紹介されたが、私はこの命名法に驚いた。エジプトでは、正式名称は、「個人の名前」「父の名前」「父の父の名前」と紹介されたが、ここから私は、エジプトでは、「家系」という意識が薄いのかなと思った。日本や中国であれば、ファミリーネームを代々受け継ぐが、エジプトでの命名法では、基本的には代が進むごとに先祖が誰かわからなくなってしまう。実際のところエジプト人がどう考えているのかはわからないが、こうしたところにも文化の違いが見れて面白かった。

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