I Want to Learn How to Think Beyond Academic Disciplines

Vol.6 2011.11.16 SAKAI Kuniyoshi

Linguistic Memories and Record of Humans Seen from Brain

"There are rules in language not because human beings created language in such ways but because language follows natural order." This innateness hypothesis of language by Chomsky, notwithstanding the initial controversy it sparked, has been supported by recent brain science. With the accumulated results of experiments and the improvement of imaging technologies as exemplified by MRI (Magnetic Resonance Imaging), the analysis of brain functions has made exponential progress.

 We have detected the center (grammar center) for processing grammars located at the frontal lobe on the left side of the brain. It has been also clear that as the learning of second language (English) grammar progresses, the same grammar center undergoes dramatic change. Besides this grammar center, the nerve required for understanding sentences has been found to exist at the frontal lobe not only in Japanese but also in Japanese Sign Language, gradually unveiling the "language map" in the brain. In this lecture, after gaining proper understanding of the "innateness" of language marked in the brain, let us think about the memories and record of language that are acquired after birth and stored in the brain.

Instructor

SAKAI Kuniyoshi
Associate Professor at the Graduate School of Arts and Science, Tokyo University. Doctorate of Science. Upon finishing his doctorate program at Tokyo University's School of Science in 1992, he became a Research Assistant at the First Department of Physiology at Tokyo University's Faculty of Medicine. After serving as a Research Fellow at Harvard Medical School in 1995 and a Visiting Scholar at MIT in 1996, he has served in the present position since 1997 (Assistant Professor and Associate Professor). He received the 56th Maichich Award for Print Culture with The Brain Science of Language (Chuko Shinsho) in 2002 and the 19th Tsukahara Nakaakira Memorial Award in 2005. His areas of research are brain science of language and brain function imaging. He is aiming toward scientifically clarifying the human nature through language.
Reference : books
  • 酒井邦嘉: 『言語の脳科学-脳はどのようにことばを生みだすか』. 中公新書, 東京(ISBN 4-12-101647-5) (2002).
  • 堀田凱樹 & 酒井邦嘉: 『遺伝子・脳・言語-サイエンス・カフェの愉しみ』. 中公新書, 東京 (ISBN 978-4-12-101887-8) (2007).
  • 酒井邦嘉: 言語脳科学の最前線. In: 『生命システムをどう理解するか-細胞から脳機能・進化にせまる融合科学』, 浅島誠編, 共立出版, 東京 (ISBN 978-4-320-05648-0), pp. 136-148 (2007).
  • 酒井邦嘉: 脳に描く言葉の地図. In: 『ことばの宇宙への旅立ち2-10代からの言語学』, 財団法人ラボ国際交流センター/東京言語研究所発行, ひつじ書房, 東京(ISBN 978-4-89476-429-3), pp. 59-98 (2009).
  • 酒井邦嘉: 『脳の言語地図』. 明治書院, 東京 (ISBN 978-4-625-68433-3) (2009).
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comments(最新2件 / 9)

mamamama    reply

ご講義ありがとうございました。
自然言語の文法処理は、脳の構造によって決定されている、そしてその文法構造は再起的な性質を持ち、文章は可能無限的に延長されていくというお話でした。また、講義の後半ではスケール普遍性をもつものが、自然界や人間の文化的産物のどのようなところに見いだせるかというお話も伺いました。
プログラミングを勉強していると、再帰的なアルゴリズムに実践的な形で慣れ親しむことになります。プログラミング言語は人工言語の中で最も成功したものともいわれますが、構造の扱いという面では自然言語を遥かにこえて複雑なことを日常的にやっています。
たとえば、「これはジャックが建てた家」が講義のなかで例として出されていましたが、いくら人間の脳がこのような長い文を瞬時に理解できるといっても、こういう言葉を日本人が常日頃から発しているわけではありません。ところが、プログラミングでは何層もの構造からなるアルゴリズムを書かなくては解けない問題がままあるわけです。
プログラミング言語も当然人間の生来的な言語能力の産物のひとつでしょう。このような例をみていると、言語能力の持っているポテンシャルがいかに大きいか、実感するなあとおもいました。

宮崎榛名    reply

人間の言語に見られる再帰性という特徴が、数学のフラクタルや、スカイツリーのクレーンにまで表れるという広がりを、興味深く感じました。それが「人間が再帰性をもつ言語を使うから」という理由で説明できるかどうかには若干疑問が残りますが、再帰性が人間の脳に刻み込まれた重要な法則であることは間違いありません。世界には非常に多様な言語がありますが、そのどれもが「言語の骨」と再帰性を持っているのでしょう。すべての言語の根底にある共通の基盤とはどんなものなのか、それは人間の他の行動にどのように影響するのかということについて、もっと知りたいと思いました。

yu    reply

ご講義をきいて自然言語において長い文を瞬時に理解できますが
プログラミング言語は何回もアルゴニズムを解かなければいけないんだとわかりました。
世界には日本語以外の言語も多数ありますがそのすべてが再帰制と無限に延長できるとは驚きました。

S.M    reply

ご講義ありがとうございました。
授業の最初の方で世界の言語の文法構造についてお話いただいた時、(私は二外がドイツ語だったのですが)ドイツ語の文法は面白い構造をしてると思いました。
またフラクタルが人間言語や自然の中に現れるというのも、生物の進化の中で脈々と受け継がれる果てしないものを感じました。

紅葉咲姫    reply

ご講義ありがとうございました。
私は、各言語に固有の骨が形成される一方、言語を用いるときは普遍的に骨が形成される、というのは面白いと思いました。この言語構造の認識能力が、人間全体に遺伝されている能力なのだろうか、と感じました。
また、再帰性は数学でもよく用いられますし。私たちが日常でも使う手段でもあると実感しました。数学の言語的理解は幾何学的に理解できないところを補充する点で、とても興味深かったです。

金杉純哉    reply

 興味深いご講義ありがとうございました。
 講義の中で提起していらっしゃった「なぜ数学は嫌われるか」という問題に関しては、おそらく再帰性、スケール普遍性という言語構造のもとに成り立っていながら、数学は我々の等身大の経験によっては捉えきれない抽象性に支えられているからだと思います。ここで我々の経験を超えているのは可能無限であり、操作の無限反復性が依って立っている「構造」の把握なのだと思います。この構造の把握が得意な人、(私のように)不得意な人という違いが生じるのは興味深い問題だと思いました。
 それからアートにも再帰性があり、共通する構造がありそうだというお話はたいへん刺激になりました。

s.s    reply

ご講義ありがとうございました。
人間の言語は再帰性があり、文章は無限に延長されていくというお話は興味深かったです。そしてそれは日本語以外のどの言語にも当てはまるのでしょう。そしてその再帰性が言語以外の様々なところに現れているというのが驚きでもあり面白い話でした。

細川大吾    reply

 ご講義ありがとうございました。
 人間の言語に共通するフラクタルな構造、一見シンプルなその構造が明らかにされるまでに数多くの研究があったのだろうなぁ、としみじみと感じながら拝聴しておりました。
 フラクタルというと最近カリブロ(ロマネスク)という植物を見て衝撃を受けました。ブロッコリーの細かい蕾がフラクタル状に螺旋を描きながら積み上がった、グロテスクさと一種魔法のような美しさを持ったもので、このお話を聞いていて無限につながるマザーグースの長文との連想に至ったりしました。
 言語という人為の根源に触れるようなものにもフラクタル構造が潜んでいる、再帰性を色々なところに見いだして行くと面白い物が多々あるのではないかな、とか考えています。

C.O    reply

ご講義ありがとうございました。
様々な言語に共通する構造は、脳の生物学的な特質に帰してよいのでしょうか?
全く違う文化を生きる人々の言語に共通性があるということは、ヒトという種の、生物としての特質が共通性を作り出していると考えるのが一番自然だと思いますが、文化というものについても、共通の構造を見いだせるという話を聞いたことがあります。この場合の構造も、やはり生物学的なものなのでしょうか?
我々を普遍的に支配している構造がある、といったとき、その構造の起源は、具体的にどのようなところからきているのか、ということについても知りたいと思いました。

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