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2016年度上級中国語研修「深思北京」報告集

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中国の文化と社会を知るために、北京という場所でなにができるだろうか。

北京は中国の首都であり、政治の中心です。政治の影響力の大きさを考えれば、ある意味では経済の中心とも言えます。そして、現代アートに代表される新しい文化発信の中心であり、京劇に代表される伝統文化の中心でもあります。「老北京」と呼ばれる独特の文化が今も残っています。北京はじつにさまざまな顔を持つ、重層的な場所です。

この北京の地を舞台に、これまで学んできた中国語の力を試す現場で試す、それがこの中国語上級・北京研修――「深思北京」です。「深思北京」と名づけたのは、参加する学生の皆さんに、北京がもつ重層的な姿を体験し、考えてほしいと願うからです。

東京大学では、トライリンガル・プログラム(TLP)を前期課程で実施しています。英語と日本語、そして中国語に堪能な学生を育てるこのプログラムは、後期課程でも後期TLPを開講しています。この北京研修も後期TLPと連携した活動となっています。この研修の運営は、教養教育高度化機構国際連携部門のリベラルアーツ・プログラム(LAP)とグローバルコミュニケーション研究センター(TLP担当教員)が担当し、中国人民大学文学院と北京戯曲評論学会のご協力をいただき、北京で開講されました。北京では、中国に関する講義や学生交流、政府機関や中国企業の見学や関係者との懇談が行われ、「北京」を体験し、中国語の応用力を磨くとともに、中国を重層的に考察する充実した一週間となりました。使用言語は中国語のみとし、日本語は原則禁止です。

今年度のプログラムには学部二年三名、三年四名、四年五名のTLP履修生が参加しています。そのうち五名は現在中国に留学している学生です。

本冊子は、二〇一六年十一月十三日から二十日の一週間における、東大生の北京見聞録であり、北京という新しき古都に対する思考集でもあります。

二〇一七年三月 

本研修は、東京大学TLP学術奨励金及び株式会社ゼンショーホールディングスの寄付金による支援をいただいて実施されました。

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