刈間 文俊
中国映画はどこからきたのか――その形成と変容

2012年3月22日(木)
日時:3月22日(木)16:30~18:00
場所:南京大学鼓楼キャンパス知行楼1階ホール
言語:中国語
なお、講演に先立ち、刈間先生の南京大学外国語学院名誉教授就任式典(16:00~16:30)があります。
[講演者紹介]

東京大学大学院総合文化研究科教授(表象文化論)。専門は、中国映画史、中国現代文芸。
1983年東京大学文学部中国語中国文学科博士課程修了。1980年代以降の中国文芸に関心があり、新しい文化状況を追いかけるとともに、サイレント時代の中国映画にも魅力を感じている。これまでに中国映画の字幕を100本近く手がけてきた。
講師インタビュー
石井 では、刈間先生、ご感想をお願いします。
刈間 私は「中国映画はどこから来たか」という講演を中国語で行いました。そのテーマで前から話はしていたのですが、変容という視点で整理し直すとどうなるだろうという。自分の専門に、一つテーマを与えられた時に、それに合わせて整理するとどうなるかと考え直すというのは、自分にも良い刺激になるので面白うございました。それと私は今回南京大学で名誉教授という称号を頂けるということになって、その式典を兼ねたので、南京大学の党委員会の書記とかが出てきて聴くということになったものですから、前は講演の中で中国共産党を皮肉るとかいろいろ針を入れて遊んだのですが、今回はそれを全部引っ込めて(笑)。引っ込めたものですから、そういう枷があると非常に面白いということもありました。一つのテーマで講演するというのも良い体験で、一つのテーマを強調するために単純に物事を話したおかげで、自分の研究には分かりやすくうまく喋れたと思っております。何が変わって何が変わらないのかというところから、変わっていく過程で本質が見えてくるだろうし。映画の場合は外国映画を入れてどんどん変化していく中で、そもそも自分たちは何なんだろうというものが問われていって、最終的にこれが自分たちのイメージであるというものが作られていくという過程として約20年間の映画の変遷の話をしたのですが、その話をする際に、それ以前に聴いていた他の先生方のお話が参考になりました。
石井 刈間先生のおっしゃったように、変容というテーマを自分の専門に当てはめて考えるというのがすごく面白いと思います。私は授業を聞いていただけだったのですが、先生方が話してくださる変容というテーマを受け止めながら、自分のフィールドではどう考えられるかということを考えていたので、先生の今おっしゃられたことはすごく共感できました。
(2012年4月24日に行った南京集中講義意見交換会より抜粋)
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