I Want to Learn How to Think Beyond Academic Disciplines

Vol.3 2016.10.12

The Color of the Cat's Hair in Natsume Soseki's I Am a Cat

The first novel by Natsume Soseki (born as Kinnosuke), one of the representative authors of modern Japanese literature, is I Am a Cat, which was published in a haiku magazine Hototogisu in January, 1905. The novel begins with the sentences: “I am a cat. As yet I have no name.” Even though he is kept as a pet by a family, they do not give him a name.

The ending of the novel, too, shows a strong will to remain nameless thus: “I shall stay in this teacher's house as a nameless cat for the rest of my life.” If we turn to his cat friends, the “names” they are given are only the colors of their houses, as in “Black” owned by the ricksha driver, “White” at the military officer's house, and “Calico” at the lawyer's house.

This lecture will reveal how the colors of these cats' hair invite I Am a Cat to the domain of world literature in the context of the intersection between literary history and art history.

comments(最新2件 / 55)

MIKAKO0311    reply

猫の毛の色からそれぞれの主人の職業を考えられて良かった。今まではあまりにも有名な冒頭にしか目がいかなかったが、日清戦争という背景から掘り下げられて良かった。本の読み方が変わる気がする。

iroww55    reply

吾輩は猫である の登場人物やその職業が当時の時代背景を反映しているというのは面白い点でした。

aobababa    reply

「吾輩は猫である」は小学生の頃初めて読み、全く意味がわからなかったことだけ覚えています。今回は先生の講義を通してどのように文学を考察するのかについて学べたように思います。販売当時ブームを引き起こした作品にはそれを支えるだけの深さがあるのだと分かりました。これほどの深さの本を書いた夏目漱石の頭のなかはどうなっていたのか非常に気になります。

ヨシyoshi4    reply

「吾が輩は猫である」の登場人物が、全て文明開化に深く関わりのある職業の人である、という視点は、文学が時代背景を反映していることを示しており、興味深かった。また、無名(主人公の猫はこちら側)と有名の対比など、普通に読んでいただけではまず思い付かない観点も教えていただけた。このように、誰もが知っている文学作品にも、知らなかった考え方が豊富に含まれていることがわかり、多くのことを得られる講義だった。。さらに、最後のまとめとして、毛の色(皮膚の色)の違いが、最終的に日露戦争勃発の原因となった、というまとめも面白かった。

ユウキa525    reply

夏目漱石の作品はただ読むだけでは味わえないメッセージが隠されているように思う。高校時代、授業で「それから」を扱って、これは「近代的自我」の物語なのだと解説を受けたことを思い出す。今回の講義でも、登場人物の職業や、猫の毛の色、さらには固有名詞から、西洋の侵略の在り方、近代、日清・日露戦争、さらには西洋の侵略の歴史と美術史の連関など、物語にちりばめられたメッセージがあざやかに解説された。漱石の作品はなみなみならぬ教養に裏打ちされたものであることを改めて痛感できた良い機会であるとともに、少しでも先人の教養の深さに追い付かねばと、思いを新たにすることが出来た。

わかなwk29    reply

吾輩は猫である は文学としては読んだことがあったが、当時の時代背景まで考えたことはなかった。猫の毛の色=肌の色という考え方は面白く、また日清戦争や日露戦争にまで話が及んでいて非常に興味深かった。

dar168    reply

講義が始まる前、色と吾輩は猫であるとの関連がピンと来なくてあまり予想出来なかった。
作品の中に、作品の時代がわかっているともっと面白く読めることがあると気付き、今まで惜しかったと思った。日本史はあまり学んでこなかったが、講義の中で関連のある出来事を聞いて興味深く感じた。
今回、色というのは猫の色、つまりは肌の色ということで、前回の馬場先生の講義中にも肌の色というものが出てきて、差別的になるのはよくないけれども肌のいろは意味深いものを持っていたのだと感じた。

浩行yh21    reply

吾輩は猫であると色を結び付け、そこから時代背を景踏まえた本文解釈を繰り広げたのは大変興味深かったです。その内容だけでなく、文学の解釈という面においても非常に奥が深く、聞いていて飽きない話でした。今まで読書など大してしてこなかった自分ですが、文学への好奇心を駆り立てられました。

S1N1O2W3    reply

小説の分析ってこんなに自由にやっていいんだ!という愉しさが伝わってくる講義だった。作品世界と、執筆当時の国内・国際情勢がぴたりと重なり合っては、すぐに離れてを繰り返しながらも、互いに綿密に複雑に絡まり合っているその様を自由に解き明かしていく過程はとてもスリリングだった。作者・夏目漱石が何重にも張り巡らしたメタファーの連続が、目の前で露わになっていくとともに、あまりに有名な『吾輩は猫である』という温かさをもつユーモラスな文学作品が、どこか冷徹な印象のある、新たな表情を覗かせるものに変わっていくのを現在進行形で感じ取り、恐ろしさすら感じた。

オグ666A    reply

前回までのインド哲学から一変し、今回は日本文学からでした。今まで小説を読むときにはあまり意識したことがありませんでしたが、その小説が書かれた時代の背景を考えて読むことにより、さらに読むのが面白くなるということを学びました。

ゆ3y26    reply

以前「吾輩は猫である」を読んだときを思い返すと、日露戦争の盛期の話として設定されていながら、一見してあまり戦時中であることを意識させない小説であった。しかしながら、今回の小森先生の講義を伺い、この小説の中心にいる「猫」たちの名前の由来である毛の色に始まり、彼らの会話や価値観にその片鱗を見て取れることができると分かり、とても興味深い読みであると思った。漱石がこの時期に社会に対して考えていた事の一部でも、この小説を通じて現代の私たちが知ることができるというのは、とても高揚感があった。

mirai63dc    reply

文学作品が書かれた当時と現在とでは読み手のもつ知識や社会背景が大きく異なるため、一つの名詞、一つの日付を取ってもそこから受け取ることのできる情報や想起されるものが全く違うということ、また、そのため、その隔たりを埋められるように一つの名詞、一つの日付がどのような背景を持つのか一つ一つ正しく理解していくことが、文学作品を読むために必要な姿勢だということを学んだ。
猫の毛の色をあえて「皮膚」の色と表現することで当時の世界情勢の根底にあった人種主義を読者に思い起こさせる、そのような言葉の選び方や、書生と人力車夫、代言士といったモチーフの選び方、そしてそれらの要素の配置の仕方それぞれが、すべて文学的表現を成り立たせる構成要素であるということをこれ程はっきりと自覚させられたのは初めてだった。これまで文学に面白味を見出せていなかったが、主題だけでなく表現を楽しむことを教えられ、文学への興味が湧いた。

やまふじTF92    reply

この夏にたまたま、気まぐれで、『吾輩は猫である』を読んだ自分にとっては、とてもタイムリーな講義になった。執筆された当時の時代背景と小説内の表現の関連は、読んでいた時には考えもしなかった。特に、猫の毛の色が肌の色を指しているというお話はとても興味深く、衝撃すら受けた。今回の先生のお話を頭に入れた上で、もう一度小説を読み直したいと思った。

tutysp30    reply

吾輩は猫であるという作品の中で無名と有名の対比がなされていることを今回の講義で学んだ。無名の「吾輩」に対して、名前のある猫たちも自分の「皮膚」の色によって人間に安易な名前をつけられただけであった。また、「吾輩」の主人がアンドレアデルサルトの真似をして写生を始めたのに対し、それが偽りだと知って、ダヴィンチを勧められてからは水彩画を止めてしまった。章の最後は「生涯此教師の家で無名の猫で終る積りだ。」で終わっているが、夏目漱石がこの作品が好評となり、有名作家への道を進んだことに対してどう思っていたのかが気になるところである。

NANA0524    reply

大学で文学に関する講義を聞いたのは初めてでした。夏目漱石の小説も教科書で取り扱ったもの以外ほとんど読んだことがなく、今年の夏休みに『坊ちゃん』と『三四郎』に手をつけたくらいでしたが、今回の講義は予想以上に楽しむことができました。猫の視点で描かれた一つの文学作品から、当時の時代背景や読者の驚き、作者の思想まで知ることができて非常に興味深かったです。小中高の国語の授業で小説を扱う時は、登場人物の心情を読み解くことが中心だったので、まるで日本史や世界史の勉強をしているかのように『吾輩は猫である』を読めたことは私にとって貴重な経験となり、新たな読書の楽しみ方を会得することにもつながりました。猫たちが主人の影響を受けているところをみると、「吾輩」の理屈っぽくて客観的な感じは、戦争に翻弄される世界の中で水彩画に夢中になる英語教師のくしゃみ先生を主人に持つ故なのかなと思いました。

ちびまる1412    reply

猫の毛の色とその主人の職業との関係から、さらにその時代背景や出来事(日新日露戦争など)に合わせた、当時の読者が抱くイメージ等を教えてもらい、こういう読み方があるのかと驚きました。あまり文学について深く学んでこなかったので、今まで本当に表面的なことしか読んでこなかったのだなと思いました。また登場する外国人の名前の虚実の混交などとても面白かったです。

ren    reply

「吾輩は猫である」という有名すぎる作品に込められた、あまり知られていない意味に触れることができて非常に興味深かった。猫の毛の色に始まり、登場人物の職業、さらには猫の主人の飲む消化薬にまで意味が込められているとは驚きだった。短い作品に多くの意味を込めるために単語一つ一つにまで気を配って書かれていることに感動した。
現代の人にとっては伝わりづらい意味であるかもしれないが、当時の人にとってはすっと心に響くメッセージであったに違いない。作品に込められた意味は、もちろん当時の人に向けたものであるから、文学作品を読む際には、当時の人の視点に近づくためにも、時代背景を知ることから入らなければならないのだと知った。

ひろきju25    reply

私は『我輩は猫である』を読んだことがなかったため、猫の毛の色についての言及があること自体今回の講義で初めて知りました。猫の毛の色を人種の比喩とし、飼い主の職業で当時の世相を反映させるという夏目漱石氏の技術にただただ感銘を受けるばかりです。

matii29    reply

単なる猫の日常を描いた物語としか思っていなかったが、実は色々なものが隠されていて現実世界と結びついているということを知ることができた。さりげない言葉から戦争や文明開化、黄禍論といった時代背景を浮かび上がらせる夏目漱石の技術と知識、文学の奥深さに驚かされました。

color81    reply

夏目漱石の「我輩は猫である」を題材にした講義で、猫の毛の色を、人間の肌の色に置き換えて考える、というのは意外な視点で面白かった。私はこうした小説を読むとき、それが書かれた時代背景まで意識することはあまり無かったので、現代では誰もが知る有名な作品である「我輩は猫である」も、今回の講義のように日清・日露戦争という枠組みを通してみると、また新鮮な発見があって驚いた。また、主人公の猫に名前が無いことと、アンドレアデルサルトの「無名さ」が関連している、という指摘も興味深く、文学批評には幅広い視点が必要なのだと感じた。

マイmk01    reply

歴史背景を踏まえながら「吾輩は猫である」を読むことで、ただ文学作品として読む以上の深い意味を知ることができ、面白かったです。特に猫の毛が肌の色、すなわち人種を反映しているという見方ははじめてでした。現代を生きる私たちが読んでも気づかなくても、当時の人にとってはたくさんのギミックが隠されていて、ただ物語として面白い以上の面白さがあったのだなと思いました。それと同時に、背景知識の大切さも実感しました。

ren62M    reply

「吾輩は猫である」を読んだことがなかったので小説をプリントで配布してもらえたのはとても助かりました。文中に出てくる日付と当時の出来事をリンクさせて考えるのは興味深かったです。

taka0904    reply

「吾輩は猫である」などの有名な文学作品を深く読むのに歴史背景などを考慮して読むことは必須なのだと多少感じた。この講義のテーマであり「色」は今回は猫の毛の色という形で登場し、そこから広がる小説の面白さが先生の講義から享受できた。

あのにますqwerty    reply

吾輩は猫である の猫の無名性は、飼い主の名前が小説中で明らかにされていないことと通じる。私は 吾輩は猫である を読んだことがなく、この小説を読むことも新鮮だった上、歴史的解釈を交えながらの解説も興味深かった。

motoaki308    reply

普段自分は小説は小説として読んで、その本に関わる歴史的背景などを考えることはなかった。しかし、今回の講義を経て「吾輩は猫である」1冊の中にも日露戦争(政治)やサルトとダ・ヴィンチの対比(美術)やタカジアスターゼの服用(薬学)といった様々な分野が背景としての役割を果たしていることがわかった。文学研究とはどういうことをする学問なのか分からなかったがこの講義でその片鱗を見れた気がする。

hakka23    reply

猫の毛色についての話に始まり、肌の色に着目し、当時の時代背景を投影した新たな視点で「我輩は猫である」を読み直すことができ、とても興味深かった。また、アルドレアデルサルトとレオナルド・ダ・ヴィンチの無名、有名の比較など、猫の無名性と関連して、本文に様々な意図が隠されていることを知り、1冊の本についての視点の幅広さに驚いた。

yone36    reply

『吾輩は猫である』は読んだことがなかったので、少し前まで童話のようなものみたいなイメージを持っていたこともありましたが、こんなにも社会情勢を反映していた小説だったのかと驚きでした。それにしても、これほどの示唆に満ちた小説の鑑賞能力があるとは、当時の識字層はかなりの教養の水準にあったのだと感心しました。

mdk216    reply

「我輩が猫である」は、いままではただの小説だと思って読んできましたが、日清戦争や文明開化などの当時の背景と合わせて読むことが今回の講義でできました。
そのような学術的な視点から文学作品を読むということが興味深く、斬新でした。

うどtyd41a    reply

「吾輩は猫である」という作品に在る、有名か無名かの対比、毛の色の意味などに目を向けて読むというのは新鮮でした。また、文学作品を書かれた時代の背景を深く理解してから読むことで、見えてなかったことが見えてくるということを納得させられた講義でした。今まで読んできた様々な文学作品についても、この講義を受けた後では見え方が変わってくるのではないかと思いました。

ust91    reply

猫視点の小説でありながら、人間の社会の背景に非常に強く影響を受けているのが興味深く感じた。その当時の社会情勢が日単位で深く関わっているのと同時に、時代や地理的に隔たった出来事の影響も読み取ることができることに大変驚かされた。留学経験があるとはいえ、まだ海外の文化が入りきっていない時代にそこまでの背景を盛り込んだ夏目漱石の教養の深さはとてつもないものだと感じた。

Chikaka05    reply

私は今まで「吾輩は猫である」を読んだことがありませんでしたが、猫が自分の日常を語っているお話かなという風に思っていました。しかし、解説を聞いて、こんなにもたくさんの情報やメッセージが込められていることに驚きました。当時の戦争に関して、肌の色に関連付け、そしてそれを猫の毛の色に込めていて、とても深い作りになっていて面白いと思いました。名作の名作たる所以はこのような内容の深みにあるのではないかと感じました。他の名作もこのようにあらゆる切り口で分析してみたくなりました。

paripi48    reply

色、というテーマと文学が面白く絡み合っていました。歴史的背景を考察しながら物語の一言一句を拾っていく読み方は一人で読んでるときにはできない読み方だったために大変意義深かったです。二〇三高地と吾輩は猫であるが絡んでいる可能性など考えもしませんでしたが、当時の読者たちがそれを汲み取れていたならあの作品が大ヒットしたことにも納得がつきます。ここにも漱石の政府批判は現れていたんですね。本の中の情報だけでなく、作者の思想や当時の時代的背景を考慮する「深読み」をこれからも楽しみたいと思います。我輩が無名であることに注目できていなかったので、注意深く文学作品を読み進めていきたいです。

nakamura12ab    reply

恥ずかしながらこれまで「吾輩は猫である」を読んだことがなかったのですが、そんな自分にも理解できるほどわかりやすく、かつ歴史、時代背景と色を絡めるといった大変新鮮で興味深い講義でした。

marina00204    reply

「吾輩は猫である」はそもそも読んだことありませんでしたが、今回の講義を経てさらに読んでみたくなりました。猫の毛がそれぞれ人の肌の色を表していることや、登場する薬が時代背景に合っていて意味を持っていることなど、今回の講義に出席してなければ注目していなかったであろうことに触れることができました。戦争ともつながってくる話で興味深かったです。

dpedr01a    reply

文芸評論の切り口が広がったように思える講義でした。宗教・文学と続き、文化のあらゆる側面で色の持つ意味合いを考察できるのは新たな気づきだった。

chord1059    reply

恥ずかしながら、漱石の作品はあまり読んだことがなかったのですが、講義の後『吾輩は猫である』購入、読了しました。
小説が時代背景を映し出しているということは知っていましたが、読み手側の視点、当時の人間が如何にタイムリーな話題に反応するかという視点は持っていませんでした。面白い講義でした。

gosh120    reply

今回の講義を通して、文学批評に対する意識が少なからず変わった。
作品の世界の中で完結している限り辿り着けないであろう解釈の在り方(今回の場合、猫の毛の色と人種との結びつき)に触れ、文学作品をはじめとする芸術作品について、普段から何かの枠に当てはめようとして捉え損なっている部分はないかと自身に問い直す機会を得ることができたように思う。

u2ae4w    reply

「白君」「三毛君」「車屋の君」に対する「吾輩」、レオナルド・ダ・ヴィンチに対するアンドレア・デル・サルトなど、「無名性」が隠れた重要なテーマであるとのことだった。
単に毛の色が反映されたに過ぎない猫の「有名性」、「美学者」の嘘を鵜呑みにした「主人」が信仰した偽りの「有名性」、「美学者」が今度は真実を話すも一度騙された「主人」が疑わずにはいられなかった「有名性」など、「有名」か「無名」かを分かつ本質的要素などない、と暗に主張されているような気がした。
アンドレア・デル・サルトに至っては一般的な日本人にとってそれこそ「無名」であるため、当時画家の歴史的背景まで含めて読み解けた人はあまりいなかっただろうとのことだったが、夏目漱石はどういったことを思いこうした隠れた対比を織り込んだのだろうか。

syuya0216    reply

「吾輩は猫である」の物語の世界には、当時の時代背景や有名と無名の対比などといった、現代人が普通に読んでいるだけでは気づくことのできないような仕掛けが組み込まれていることを今回の講義を通して知ることができ、大変面白かった。それと同時に。夏目漱石という作家の才能を肌に感じた。これをきっかけに文学の世界に浸ってみたい。

かずひこPN09    reply

「吾輩は猫である」を滑稽な話としてしか読んでこなかった。しかし、小説が、それが書かれた時代を反映しているということ、そのことを認識しているという前提がなければ見えてこない寓意性があることを知った。このことは、「吾輩は猫である」に限らず、今後様々な物語を読んでいく上でも、念頭に入れなければならないと思ったし、それを実践した方がもっと面白くなるんだろうな、と思った。

ryu35    reply

夏目漱石の教養と発想に脱帽する回だった。猫の「皮膚」という比喩表現に込められた意味からヨーロッパによるアメリカ大陸植民全体を俯瞰する講義の躍動感も良く、単なる暗記に終わらない世界史の意義の一端を垣間見た気がした。

トシ2t2k    reply

その作品ができた年代の出来事を踏まえることで、新たな解釈ができるということを今回の講義で学びました。名作は時代を超えて読み継がれるものですが、そこには制作当時の時代が映されているので、歴史を知ることで、より深く作品を楽しむことができるのだと思いました。

海f208    reply

『吾輩は猫である』が当時の時代背景をここまで暗示しているものとは思わなかった。高校時代、一定期間の通史→文化→通史→文化という順に歴史を学んだためか、その文章を発表したとき、著者や人々がどのような歴史的事件に直面していたのかという結びつきが私の中で非常に薄く、新しい着眼点をたくさん得ることができた。

ちぇる115M    reply

「吾輩は猫である」は中学生の時に一度読み、少し不思議な小説だなあと思った記憶があります。背景の様々な要因を知ることで単に文学作品として捉えた「吾輩は猫である」とは違ったものが見えてきてとても面白かったです。また背景知識を得ることで当時の人々の感じた面白さを感じることもできたので背景知識の重要性を実感しました。ほかの文学作品においても背景知識のあるなしで捉え方の変わるものばかりだと思うので自分でも深めていきたいと思います。
ありがとうございました。

しんすけtj16    reply

前回のインド哲学とはまた大きく視点が違っていてとても興味深かったです。自分はしばらく日本史から離れていたのですが、日本史の面白さを再認識できたし、吾輩は猫であるももう一度読んでみたいなと思えました。

takeab14151    reply

バルナの話から一転して「吾輩は猫である」の猫の毛の色の話になり、確かに色が題材になって安心しました。
時代背景や作品の世界観から紐解く吾輩は猫であるは面白かったです。今まで文学にあまり興味を持ったことがないのですが、毛の色で名付けられているからあの猫には名前がない、また猫自身はそもそも毛ではなく皮というのは面白かったです。良い着眼点を持てば文学にも興味が持てるとわかったのは、自分の中でいいものが得られたと思います。

もぎー5696    reply

前回とは打って変わって近代日本の小説の「色」に注目した講義、とても面白かった。色というのが実際の人種を想定したものという比喩を聞いた時、実際に文化の中に残るほど顕著なものだということに驚いた。

小三元4vj8u5    reply

夏目漱石の『吾輩は猫である』に現れる猫たちの皮膚の色を、日露戦争後の日本及び国際情勢と照らし合わせながら、人種間の対立を象徴的に暗示するものして読み取る解釈を教わった。一度小説は読んだことがあったのだが、自分では全く思いもよらなかった読み方であり、興味深く感じた。
 しかしながら、人間と戦おうとしている猫は一部に過ぎず、色の違う猫同士が血みどろの戦いを繰り広げようとする訳でもない点、必ずしも人種間の対立が猫たちを通じて批判的に描かれているとは言い難いとも感じる。加えて、現代のような平等を是とする価値観もなく、欧米への憧憬の強さから人種差別や植民地の搾取を問題視する論調が必ずしもなかったであろう当時、アンドレアデルサルトの名を挙げただけで漱石がネイティブアメリカンやアフリカ系奴隷への収奪の上に成り立つ欧米文明を批判しているのだと言い切るのは無理があると思う。
 いかなる文章も一度文字化され、作品として完成された以上、もはや作者本人の意図を離れたものとして解釈される他なく、またそう解釈されるべきであると私は思う。漱石の意図が確かに同時代の知識がなくては完全には理解できないというのは同意するが、たとえ同時代の知識があっても完全に理解できるものでもない。知識を得ることで新たな解釈が出来る楽しみを知った反面、やはりどうしても時代性に影響されざるを得ず、従って学んだからといってその解釈の方が歪みの少ないものだと言うこともできないと感じさせられた。

bananana77    reply

この文章は一読したことがある。ただし、時代背景や職業に関する知識はほぼなかったので、自分一人ではここまで読み込めないかっただろう。この講義を受けて文学及び文学の世界に広がる映像を垣間見ることができた。

Kai0508    reply

「吾輩は猫である」における猫の色の違いが、その時代背景を考えることによって、その本当の意味が解き明かされていく様がとても興味深く、面白かったです。自分にはない新たな視点からの講義であったので、とてもありがたいと思いました。ありがとうございました。

komkom15    reply

前回のインド哲学の話とは打って変わり、文豪・夏目漱石の小説にスポットを当てた講義で非常に面白かった。高校生の頃「我輩は猫である」を読んだ際に、猫を「色」で読んでいることにそれほど気をつけず読んでしまっていたため、新しい読み取りのようで新鮮だった。

aruku238    reply

夏目漱石の『吾輩は猫である』は、もちろん読んだことがありその時は猫が軽妙に語るユーモアをたどることで終わっていましたが、今回の講義では当時では情報として注目しなかった事項から分析を進めることでまた異なった面から本書を読むことができ、面白かったです。それは猫の毛色はもちろん、日露戦争の時世を踏まえた物語内での人物の様子だったり、アンドレア・デル・サルトの使い方だったり、と多岐に渡っていました。この講義を通して文学研究を垣間見ることができ、本中の情報を掘り下げる楽しさ、その奥深さを教わったと思います。

fujiiTK48    reply

夏目漱石の「吾輩は猫である」を、発刊当時の時代背景を踏まえて分析的に読み解くことにより、それが単なる物語文ではなく、膨大かつ緻密な歴史的事実の暗喩に満ち満ちた書であることを明らかにした。本講義では、歴史を通して文学を読み直すと同時に、文学を通して歴史を読み直すことで、当時の読者と現代に生きる我々の同時代的な一体感を得ることが実現された。

HAL9000    reply

表面的には小気味良いユーモアに溢れた物語なのに、猫の色や、アンドレア・デル・サルトという一般の読者なら実在するのか分からないような画家の名前の登場でさえ、表面的な意味とはまた別の意味を表現しうることを知って、小説という表現形態のポテンシャルが僕の中で広がりました。漢字一文字「色」という講義タイトルは、その曖昧さゆえ多種多様な講義を聞くことが出来てまさに教養を学んでいるという実感がわきます。

rik0916    reply

恥ずかしながら「我輩は猫である」を読んだことがない。有名なフレーズしか知らない。
だがそれを差し置いても興味深い内容で、前回同様「色」そのものではなくそれが意味せんとすることを考察できる貴重な機会だった。
猫の毛色の話から肌の色、当時の時代背景という視点で小説を「読む」ことができ、とても興味深かった。本文に様々な意味があること、一つの小説・物語についての視野の広さに驚いた。

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