I Want to Learn How to Think Beyond Academic Disciplines

Vol.5 2010.11.10 Yasuo KUNIYOSHI

Relation between the Robot's Corporeality and Cognition/Behavior

It has been clear that for intelligence acting in the real world, the effect of its corporeality is just as important as processing information.

This lecture first explicates what important roles are played by the physical and geometrical natures of the body, illustrating with specific examples such as dynamic movements of the whole body as well as active visual functions.

It then points out that corporeality is the source of information when we think about the emergence and development of behaviors and cognition, and provides principles for drawing various possibilities from the body.

Lastly, the lecture explains a view that "the body makes the brain," introducing researches into models for simulating the development of a fetus and/or a newborn child based on lobotics method. This new paradigm not only sheds a new light on inquiries into principles of human intelligence, but it also connects to a new methodology toward creating a robot intelligence that is flexible and adaptable and totally different from the previous fixed program.

Instructor

Yasuo KUNIYOSHI
Professor at the Graduate School of Information Science and Technology/Faculty of Engineering, Areas of Specialty: Robot Studies, Intelligence System Information Science. He finished the Graduate School of Engineering at Tokyo University in 1991 (Ph.D. in Engineering). That same year, he became a Research Scientist at Electrotechnical Laboratory, AIST, MITI. He served as a Senior Research Scientist in 1995. From 1996 to 1997 he was a Visiting Scholar at MIT AI Lab. In 2001 he became an Associate Professor at Tokyo University. Since 2005, he has served as a Professor at Tokyo University. He conducts researches on the creation and development of cognition based on corporeality, sciences of imitation, humanoid robot, etc. His publications, including research articles, number roughly 450, and he has written and edited 19 volumes in total. Previous awards include Incentive Award and Outstanding Paper Award from the Robotic Society of Japan, Sato Memorial Intelligent Robot Research Incentive Award,IJCAI Outstanding Paper Award,Gold Medal from "Tokyo Techno Forum 21." He is a member of Science Council of Japan, Robot Societies of Japan, the Japanese Society for Artificial Intelligence, Information Processing Socierty of Japan, IEEE, Japanese Society of Baby Science and other associations.
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comments(最新2件 / 5)

tomykaira    reply

本日の講義では、普段想定されないような珍しいロボットについて学ぶことができ、興味深かったです。

とくに赤ちゃんロボットと学生のインタラクションや、起き上がりロボットの何度も失敗している状況に感情移入してしまうことなどは、人型ロボットが癒しになれるという新しい気づきを与えられました。AIBOなどのロボットブームは現在下火のようですが、新しいタイプのロボットが癒しやペットの形で家庭に現れることに期待しています。

本日のテーマの一つにあえて単純な作りにすることで生物のような高い適応性を持たせるという話題がありました。現在の主なロボットはおもに工業用で、予め予測された環境で動いているものです。ですが、今後ロボットが家庭に進出するとなったときには考えられないほどの作業環境の多様性がうまれます。その場合、コストも考えればいかに学習によって適応できるかが製品としての質を左右すると考えられます。

また、このような適応性は(話にも出ましたように)いわゆる人工知能にとっても重要なファクターだとおもいます。現在多くのソフトウェアがユーザの行動を学習し、それにあった動作をするようになる(いわば、ユーザに慣れる)ように設計されていますが、まだまだサポートが弱かったり、逆に学習が強く効き過ぎたりしてつかいにくいです。遺伝的アルゴリズムやメタプログラミングというと実用ソフトに搭載するには敷居が高いですが、単純なカオスであれば適度な適応性をたもちながら簡単に組み込めるのではないかと思います。
このようなシステムとくにかな漢字変換ソフトウェア(IME)とウィルス対策を中心としたセキュリティソフトウェアで重要な課題であるようです。ユーザやコンピュータ内の情報、ネット上の情報を環境とみなし、それに適応できる簡単でかつ効率のいい方法をロボット工学の知見から発想できるのではないかと期待しています。

本日先生が「直近の応用はあまり期待できない」ということを仰っていましたので、月並みですが、私なりの応用例を挙げさせていただきました。

meg    reply

 本日の講義では、ロボット開発に関わる具体的なモデルや実験の様子・シミュレーションをお見せいただけたことも興味深かったですが、それ以上に、それを支える原理やその根本にある哲学に触れられたことが非常に勉強になりました。特にカオス結合場においてプログラムなしに適切な行動を創発するという方法論の背後にある逆説的な発想ーー複雑な事態に対応するためには多くのプログラムが必要であると普通は考えるけれど、逆にプログラムを書かないことで柔軟な対応を発見させるーーはとても哲学的だと思いました。

 しかし構成論として掲げられた「”人間”は、つくれる」という言葉にはあまり良い印象を抱きませんでした。「つくれなければ本当の理解とはいえない」という言葉の言わんとすることは分かりますが、そこでは「科学は人間を、つくることができるまでに、完全に理解できる」という自負が前提になっているように見えます。この自負がなければこうした技術の進歩は見込めないのかも知れませんが、一歩間違えれば科学万能主義に走ってしまう可能性もあると感じました。科学で理解可能なのはあくまで化学の範疇で切り取られた人間像であることを忘れてはならないと思います。

jump坊主    reply

僕たちが赤ちゃんだったときに持っていた身体を再現し、思考回路にカオス理論を組み込むと、ロボットがおこりやすい動きを探し、自己安定化するのはまったく予想外でした。カオス理論は予測不可能、規則不在なはずなのに、人間の脳?ロボットの情報処理ではアバウトな規則が存在するのですから。
赤ん坊の動きそのままのロボットがカオス理論により生まれるとしても、それは赤ん坊の身体にとってフィットする行動をしているに過ぎず、思考を一切していない訳であって、それは思考→行動ではなくて、環境→行動を示しているに過ぎません。僕たちが生まれたてのときはおそらくロボットと同じように、環境によって行動が誘発されていたのかもしれませんが、少なくとも思考という過程が今の僕になるためには必要な訳で、思考ばかりはシステムからしか生まれ得ないと僕は思っています。
なぜなら、実際思考をしている僕たちの頭では、思考を形成する意識が脳内でおこっている化学電気的反応と連動をしているからです。意識と反応の因果関係はよくわかりませんが、相関関係である点ではシステムです。
でも先生の研究からカオス理論が因果関係に寄与していることが分かったら面白そうです。今回の授業を聴いていて思ったのですが、アシモって最近どうなったんでしょうか?

久保田悠介    reply

今回の講義で、ロボット研究に関しての私の見方がひどく一面的で限定的であったことがわかりました。ロボットは、人間がやる作業を代わりにやる存在でしかないと思っていましたから、それ以外にも研究対象として豊かな可能性があることに驚きました。
今回一番興味深かったのが、ロボットに映像を見ていたときの私自身の反応です。とくに、自力で起き上がろうとするロボットを見た時の反応が私にとって予想外でした。私はあの時ロボットだとわかっているものに対して、「人間みたいだ」と思って感情移入しているようでした。理性によって作られたロボットに対して感覚が同情し、いやあれはロボットだから転んでも痛くないはずだと理性が感情を抑制するという構図が、不思議に思われました。あの場面において、私はロボットを理性による定義とは別に感覚的に「人間のようだ」と思っていたようです。ですから、人間かどうかを判断するのは一義的には直感ではないかと思いました。
ですが実際に私がロボットを「人間そっくり」と思ったかどうかは疑問の余地があります。講義に誘導された可能性がありますし、たとえばテレビでたくさんの失敗の後やっと飛行機が飛んだというようなドキュメンタリーを見たとして、今回起き上がろうとするロボットを見たときの興奮はそのドキュメンタリーを見ているときの興奮と似たものがありました。
それに加えて私は「あれは人間みたいだ」とは思っても「あれは人間だ」とは決して思っていませんでした。
もうひとつ関心があるのは、プログラムされていようがなかろうが、「人間らしさ」をロボットで無限に表現したときロボットと人間の違いは何かということです。理性によって捉えられた人間の特徴をロボットがすべて持っているとき、なお人間とロボットを分かつものは何であるか。独我論者にとっては人間だろうがロボットだろうがたいした差はありません。しかし他者を認める人にとっては重大な問題です。いくら観察してもロボットかどうかはわからないが、それが作られているのを見たからロボットであることは知っているとき人間はどういう反応をするのか、あるいは感覚は何を訴えるのか。
ロボットについて考えれば考えるほど人間とは何かがよくわからなくなってきます。非常に興味深いと思いました。

mare    reply

今回の講義では、ロボットを通じて、私たちの運動や心と身体との関係について刺激的な見方を示して頂いたと感じており、非常に興味深かったです。

私はこれまで、ロボットとは人間に「プログラム」されて、歩くとか仕事をするとか、そういったもののイメージでしたが、先生が取り組まれているような、「人間とは何か」をつきとめるための、もっと素朴で根本的なロボットの開発について触れ、非常に感動しました。
ですから私にとっては、紹介していただいたロボットの工学的な応用とかはどうでもいいです(笑)

数学的に不可解なカオス系としての身体から、プログラムなしに、環境に適合した運動が創発される。
その運動に伴う感覚情報から、さらに、神経系・脳が創発されることの可能性。
ロボットというモデルから私たち人間について論じる際に、今回の講義で伺ったお話はどれも感動的でした。

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