ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第4回 10月19日 三浦篤

4(10/19)美術と「色」

絵画を見ればわかるように、美術において「色」の占める位置がとても重要であることは言うまでもない。美術作品に色彩が表れる場合、その機能や意味は多種多様である。色は基本的に現実を再現する役割を担うのだが、古い時代には象徴的、宗教的意味を帯びることも多い。さらに、近代になると色彩の科学が発達し、色は理論的に捉えられるようになるが、それとともに印象派以降の絵画においては感覚的な意味合いが強くなり、20世紀の現代美術に向かっていく。以上のような「色」の美術史を西洋美術に即して、具体的に作品を見ながらたどってみたい。その上で、西洋美術とは異なる日本美術において「色」がどのような文化的な意味を持つのかを、近代美術に焦点を当てながら検討する。人間が感じる色に西洋、東洋の違いはなく、生物学的にある範囲の中で色を認識しているのだが、色の名称の示す範囲は文化圏によって違っているのが興味深い。

講師紹介

三浦篤
専門は西洋近代美術史、特に19世紀フランス絵画史(マネ、ファンタン=ラトゥール、アカデミスム絵画など)と日仏美術交流史(ジャポニスム研究、日本近代洋画史など)。
授業風景

【学術フロンティア講義「色」第4回】 

 

 10月19日の学術フロンティア講義では、西洋近代美術史、日仏美術交流史が専門の三浦篤先生に、「美術と『色』」と題して講義をしていただきました。

 

 三浦先生は、西洋絵画における「色」の役割を、現実再現、象徴的な役割、感覚的・造形的な役割の三つにわけました。中世までさかのぼってみると、聖母マリアの衣服は、青いマントで天の真実を表し、赤い服は天の愛情を示しているといった、象徴的、宗教的な意味が見てとれる。また、受胎告知の場面には、純潔を示す、白い百合の花が見られる。キリスト教文化圏では、こうした約束事がほぼ例外なく守られていたが、「色」の約束事が通用する範囲は文化によって異なります。もちろん、「色」の持つ感覚的な役割には、赤がお湯、青が水を示すなど、普遍的な側面があります。しかし、絵画における「色」を分析するためには、それぞれの時代に発見された色彩の描き方について注視しなければならないのだということが三浦先生の講義からは伝わってきました。印象派、新印象派、ポスト印象派、フォーディズム、抽象絵画から村上隆や村上春樹『色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年』の表紙など、幅広い時代、幅広いトピックで、美術と「色」について知ることができる時間でした。

コメント(最新2件 / 57)

Kai0508    reply

自分はもともと美術にらあまり興味がなく絵画についての知識も乏しかったので、今日の講義は自分に新しい知識ばかりであり、非常に興味深かった。美術における色の意味合いが非常に重要であるということをよく理解できた。ありがとうございました。

iroww55    reply

色の機能の分類と実際の絵画の中での使われ方など普段学べないような絵画論が学べました。知っている絵画の数が少ないため実際どの程度の絵画が色の理論を使っているのかは分かりませんが興味が生まれました。

ヨシyoshi4    reply

時代を経るごとに絵画における「色」の持つ意味合いが変わっていく様子を、具体的な人物や絵画をパワーポイントで紹介しながら確かめていく形式の講義だった。聞いたことのない画家などが登場したが、美術に疎い自分でも論点を理解できる分かりやすいもので、歴史を辿るような講義だったので、興味深く聞くことができた。

あのにますqwerty    reply

西洋画から東洋画、宗教画から抽象画とバラエティに富んだ紹介だった。モンドリアンのコンポジションは、非色と三原色を用いた究極の抽象画ということで印象に残った。
高校の世界史の授業で美術作品を暗記させられたが、聖母マリアの服の色に注目することはなかった。美術作品を鑑賞するとき、色という単純でも深い視点が役に立ちそうだ。

fujiiTK48    reply

以前にモネの絵画を美術館で見たことがあり、その時もやはり少なくない感動を覚えたのだが、今回色彩の用いられ方を軸とした一種の美術史をたどったことで、数百年の文脈の中でモネの印象派が持った歴史的意義を改めて感じることができた。

mirai63dc    reply

見やすく人気のある印象派の絵画から、いわゆる「美術はよく分からない」というイメージを作るのに一役買っているような抽象絵画まで、一見全く異質のように思えるものが、色の理論という点で考えれば同じ系譜の上にあるとも見ることができるというのが、とても新鮮でした。また、絵画を表現する先生の言葉の豊かさに刺激を受ける講義でした。

ユウキa525    reply

今までの「色」の講義の中でもっとも色そのものについてを取り扱った講義であるとおもった。Sセメスターの美術論では17世紀ごろまでの絵画の見方を学習したので、主に印象派以降の絵画を扱った今回の講義を通して、中世以降のおおまかな美術史の流れをつかむ事が出来た。色のもつ主な役割の変化から見る美術史は新鮮であった。印象派の筆さばきは光と絵具の差に起因すると言う事は知らなかった。また印象派を踏襲しつつも、別の道を歩んだイズムを比較する中で、これまで理解しきれなかった抽象絵画をもまた、美術史の観点からその意義を理解出来たように思う。現代日本画、日本文学に息づく五行説にも興味をひかれた。

S1N1O2W3    reply

色という大きなテーマのもとで、中世以降の絵画における筆触やモチーフ、あるいは絵画というものに対する画家の意識の変遷を一度に見ることができて良かった。抽象画を突き詰めていくと、最終的には一見素朴(?)な風景描写、人物描写に回帰せざるを得なくなるという話が印象的だった。

浩行yh21    reply

美術と色というテーマでいままでより直接的な色のテーマだったので、素直に面白かったです。また、美術に疎い僕は美術館などに行ってもよく分からず終わってしまうでしょうが、多様な絵画を紹介しながら、美術そのものの解説もあったので、分かりやすかったですし、以前から興味があった美術についてさらに関心が高まりました。

わかなwk29    reply

私は全く美術に関して知識がありませんでしたが、そのような私にとってもとても面白い講義でした。特に最初の方のお話であったマリアの服の色にこめられた意味が興味深かったです。

オグ666A    reply

今回はようやく「色」が主となる講義でした。芸術に欠かせない色についてでしたが、色の使い方にも様々な方法があるということなどを学びました。私の人生にはあまり関わりはないと思われますが、機会があれば是非意識してみたいです。

syu7727    reply

美術に関しての知識はありませんでしたが、色には、現実再現の役割、色の約束事において特定の意味を伝える役割、約束事にとらわれず感覚を表現する役割など様々な働きがあることを絵画を通じて学ぶことができました。色に対しての見方が変わりました。

taka0904    reply

これまでの講義でもっとも親しみやすい「色」の講義であったため歴史や文学を熟知していなくとも理解しやすい内容であった。色の文化的意味や色から見た様々な絵画の共通点を丁寧に説明してもらった。とりあえずゴッホ展に行ってみようと思った。

ゆ3y26    reply

前回までの色という言葉に含まれる概念について主に扱った講義とは異なる視点の、色そのものに纏わる講義であり、面白かった。西洋絵画における「色」の役割として先生が列挙された三つのうち、特に感覚的・造形的役割としての色について、印象派から20世紀の抽象絵画に続くものとしてその変遷に伴う表現手段としての色の扱い方の変化を辿っていくのは大変興味深かった。芸術と認知科学、社会変動の関係の密接さを強く感じたように思う。

color81    reply

今回は主に西洋絵画における色の役割、歴史に関する講義で、今までで最も「色」というテーマに即した内容で面白かった。特に、聖母マリアの服の色には、絵の具の色ごとの値段の差や、宗教的な位置づけを考慮した決まりがある、という話は驚いた。また、今回の講義では、説明だけでなく、モネの「睡蓮・緑のハーモニー」など、数多くの絵画をスライドで見ることができ、印象に残りやすかった。

ちびまる1412    reply

たくさんの絵画を資料として出して頂いたので見ごたえがあって楽しかった。色の持つ意味合いや使われ方が時代とともに変わっていくことを学べてとても面白かった。

komkom15    reply

今回の講義は「美術と『色』」というタイトルであったが、あまり美術に対する知識がなくても、十分に愉しめる講義であったと思う。自分自身、美術館に足を運んだことも全くなければ、資料集的なものでそこまで注目して見てきたわけではない。しかしながら今回の、西洋画を「『色』が表す象徴性」という観点から見るのは新鮮で、非常に興味の持てるものであった。

ren    reply

西洋絵画における色の在り方の変遷を見ることができて非常に興味深かった。色はあくまで何かを描写するための手段だとばかり思っていたが、時代によっては色自体に特別な意味を込めたり、さらには色そのものが描く対象となったりということがあったというのは驚きだった。
様々な絵画に登場する聖母の衣の色に、共通する宗教的な意味があったとは知らなかった。他にも様々な象徴的な意味があっただろうが、そのどれもが当時の芸術家の間では当たり前の共通認識であったのだろう。色の持つ意味を知り、当時の人の認識を知ることで、絵画の鑑賞の仕方も変わってくると思う。

NANA0524    reply

前回同様、今回の講義も大学に入って初めて受講する分野でした。美術作品を鑑賞するには特別な感性が必要かな、と身構えてしまいなかなかきちんと接することができずにいましたが、今回は「色」という明確なテーマを持って絵画について学べたので入りやすかったです。西洋絵画、そして日本の絵画がいかにして「色」を取り入れ意味をもたせてきたのかを改めて知ることができて勉強になり、面白かったです。私はモネなどの印象派の絵画については素直に美しいと思えますが、幾何学的な絵画についてはまだ良さがわかりません。色という観点でさらに学びを深めればそのような絵画を違った視点で見ることができるようになるのだろうか、と思い至ったので、今後は展覧会やテレビなどを活用して積極的に美術に触れていきたいです。

matii29    reply

象徴的な役割として服の色などが決まっているというのは面白かったです。真実が青、愛が赤、純潔が白という約束は色に対する感覚的なイメージから来ているのでしょうか。
日本の現代美術と五行思想のあたりは、現代において特に主流のものとも思われないのになぜ日本美術史の流れで詳しく取り上げたのかよくわからなかったです。

しんすけtj16    reply

今回もまた、前回までに引き続いて、斬新な内容というか視点で、いつも化学ばっかりな自分からしたらすごい面白かったです。もちろん僕以外からしても面白かったと思いますが。しかも、今までで一番色というテーマがわかりやすく出てきていて印象的でした。資料も見やすかったです。

dar816    reply

絵画に関する知識も世界史の知識もほとんどなかったのですが、バックグラウンドなどを聞きながら絵を見て、今までただの画として見ていたものを、違った見方が出来て面白かったです。

dpedr01a    reply

絵画の歴史は、色やタッチ数、さらに現代では輪郭に縛りを加えてきた歴史だとわかりました。抽象画はなにかを表象させるから抽象画なのであって、むしろ色に込められたカギを読み解く方が専門知識を要するのだな、、などと勝手に思ってみたり。専門知の共有を楽しんでいたのが近代絵画史であり、各個人の解釈を楽しむのが現代絵画である。そのように考えれば、村上の小説に対する先生の分析は専門知と解釈の結節点のようだなと感じました。

marina00204    reply

西洋絵画において色の役割がいくつかあることは初めて知った。色にも約束事があったり、役割が異なったりルールなどを知るのは大変興味深かった。今まで意識しなかったことを、今度美術館に行ったときなど意識して見たいと思う。

マイmk01    reply

私は絵画の高い安いの基準がいまいち分かっていませんでしたが、それはただ単に巧拙だけではなく、また目に見えて描かれているものが本当に伝えたいこととは限らないのだと分かりました。その巧拙に関しても、主観による好き嫌いはあるにせよ、技法として確立されたものがあり、考えられ描かれているのだと分かりました。中でも宗教画の話はとても興味深かったです。たとえば、今まで聖母マリアの衣の色の違いに注目したことはありませんでした。また、光は混ざると白色になるけれども絵の具は混ぜると黒色になることから、明るさをいかに表現するかという話も興味深かったです。今まではただ好き嫌いだけで絵画を眺めていましたが、知識があることで違った見方もでき、さらに面白くなるなと思いました。

こう6d1d    reply

絵画の中の色は単に鮮やかさを付与するだけのものだと思っていたので、色自体を見せる美術の形があるというのは驚いた。
キリスト教的な色の意味を多く扱っていたが、その色を別の文化圏の人がみるとどのような意味を感じるのか気になる。

やまふじTF92    reply

美術に関しては全く知識がない自分でも楽しめる内容だった。「西洋絵画における色の役割」ということで、時代によって色の使われ方がどのように変遷していくかを先生と一緒に追うことができた。授業のスライドには絵画もたくさん出てきて、視覚的にも楽しめる授業となった。テーマである「色」を十二分に感じることができる講義になった。

saya83    reply

美術と色、という素人の私からしてもきっと大切な関係性があるのだろうと思われるテーマということで、とても楽しみにしていました。受講して、今まで特に考えることなく見ていた絵の色がどのように選ばれたのかを少し知ることができ、興味深かったです。規律や規則を重んじるキリスト教関連の絵では、聖母マリアの衣の色が決まっていたり、印象派では、自分が必要だと思った色を必要な所に加える、など。その時代や流行にともなう変遷を知ることができました。

Chikaka05    reply

「色」というテーマ講義の中で最も正面から切り込んだ講義だったと思いますが、とても面白かったです。聖母マリアの服の色など色に象徴的な意味があるという話に興味を惹かれました。今回聞いた意味を持つ色を実際に作品の中で探して試してみたくなりました。わたしは絵画の中で印象派が一番好きです。柔らかな光の表現をしているからです。感覚的に捉えていた印象派の絵を理論的に解説していただいたり、その後の発展についても述べているいただき、最初から最後まで楽しんで聞けました。

tutysp30    reply

今回は美術と色ということで、絵画に使われている色の持つ意味について知ることができた。普段美術館などに足を運ぶことがあまりなく、絵画の知識はあまりなかったが絵画のスライドを通して分かりやすく解説していただけて、とても面白かった。

うどtyd41a    reply

美術についての講義を受けるのは初めてでしたが、かなり関心を持つことができました。時代の中で色の役割が、象徴的、写実的、そして造形的なものへと変化していく流れが理解できました。個人的に現代美術について扱ってくれたことが嬉しかったです。

syuya0216    reply

美術をテーマにした今回の「色」の講義は今までで一番面白かった。時々美術展に行ったりと元から美術に興味はあるほうだったので、知っている美術作品もけっこうスライドで取り上げられていた時は、先生の解説を聞いてまた新たな見方ができたりして楽しめた。色彩の使い方に焦点を当てて、美術様式の歴史的な変化を丁寧に説明してくださったので理解も深まった。

u2ae4w    reply

色彩理論の発達により色彩分割の技術が生まれ、これにより実質的に明るさを保ちつつ混色することができ、現実の色彩をより良く再現できるようになったとのことだった。
一方で、例えばモネは、特に晩年になるにつれ、より主観的な色彩の表現をするようになったとのことで、連作に描かれる風景の色味の変化が現実より大きいことからも伺えた。
その後の新印象派のスーラは、モネのような感覚的な色彩分割の手法をさらに科学的に洗練したとのことだが、描かれる色彩はやはりモネ同様に完全に客観的なものではないように感じた。
これらは理論的な技法を洗練しそれを用いる一方で、客観的な色彩よりも風景から受け取った感覚や表現したい色彩を大事にするという点で共通しているように感じた。

ren62M    reply

今までの講義の中で一番「色」らしい授業でした。画家たちが様々な効果を考えながら完成させた作品を今まで何も考えずに見てきたので反省しました。今度絵画を見る時は「補色」に着目して見ようと思いました。

motoaki308    reply

文化的背景を知らなければ数多くあるうちの1つとしてしてしか捉えられない美術における色も、実は時代時代によって特別な意味合いが持たされているという事実に驚かされた。また、かつてヨットの日本代表や監督を歴任なさった方が「モネの絵には風がうまく表現されている」とおっしゃっていたが、「レガッタ」という絵の中でその話に軽くではあるが触れていただいて、競技者としては非常に嬉しかった。

hakka23    reply

色の役割という観点から、西洋絵画史の流れを概観することができ、あまり美術史の知識を持たない私でも楽しく講義を受けることができた。スライドで様々な作品を見せていただいた中で、モネの連作が印象に残った。同じものを書いていながら、色使いの差や場面の切り取り方の差によって印象の全く異なる作品が幾つも生まれていることに感動した。

ちぇる115M    reply

今回の講義は最初に自分の想像した「色」についての講義に今までで最も近いものでした。
もともと絵画には多少興味があり美術館にも1人で行くことも多かったので、今回の講演は非常に興味深いものでした。
印象派の絵が好きなので、時代を追って色という観点からみることができてよかったです。
これを機に新たな視点から美術に触れていきたいと思います。

トシ2t2k    reply

西洋美術の変遷を知ることができて興味深い講義だった。絵画における色の使われ方も、時代によって違いがあるのだということを知ることができた。東洋と西洋では、色の分類の仕方が異なっており、それが芸術性の違いに現れているのだと感じた。例えば、白黒を赤青と並列にみなす意識が、水墨画のようなモノクロの美術を生み出したのだと思う。

ust91    reply

あまり美術や絵画とは関わりがありませんでしたが、興味を持って見ることができました。象徴的な色の使い方が古典的な美術において思っていた以上に強い影響力を持っていたことに驚きを感じました。また、西洋画における方向性の変遷についてのお話がありましたが、西洋音楽の発展とも共通点があるように思いました。

gosh120    reply

色に真正面から向き合った講義、という印象を受けた。
宗教画における規定された配色の作法のように象徴的な意味合いを持った色、純粋な表現のツールとしての色、表現される抽象的な存在そのものとしての色など、美術史の流れに沿って色が持ってきた複数の役割を知ることができた。色そのものを中心に据えた現代アート的絵画は、写真技術の普及に伴い重要さを増した絵画の非写実的表現の一つの典型であるように感じた。

ひろきju25    reply

西洋の宗教画に色に関する暗黙のルールがあるということを初めて知りました。

ryu35    reply

あまり美術に興味はなかったが、それでも興味深い点がいくつもあった。宗教画における色が持つ意味合いなどがその最たる例で、もっと深い解説が欲しいところだった。
ルネサンス以降の近代絵画の変遷は正直名前だけでしか理解していなかったので、色を軸にすることによってかなり統一性のある説明を構築できたのが印象的だった。

nakamura12ab    reply

美術という色に直に関係するテーマであり、これまでの講義の中ではとっつきやすいものでした。美術にはあまり興味はなかったのですが、西洋絵画における色の意味や歴史を楽しみながら学ぶことができました。

riou774    reply

絵画と色の関係について取り扱った授業で、時代の変遷とともに色の取り扱いが変わるということを学びました。
絵画史は今までに聞いたことがなかったのですが、そのような僕でも簡単にどこが何を指しているかなどがわかりました。
この授業を受けて最もよかったと思ったことは、印象派からどのようにして現代美術に移行したかというところの理由を聞くことができたことです。
現代美術は自分ではよく分からなかったのですが、印象派の行き着いた結果から脱却してあのような形になったとするととてもよく納得がいきました。
解説も丁寧で、美術に興味を持つことができました。

yone36    reply

美術における色の捉え方は、ルネサンス以前はほとんど変わらなかったにもかかわらず、ルネサンス以降は次々と更新されていったという事実は、ルネサンスにおけるパラダイムシフトがどれほど人類史上特異な転換点だったかを物語っているように思いました。

海f208    reply

元々美術史に興味があったのでこの機会に通史を学べてよかった。マリアを描く際に使用される色の約束ごとが面白かった。
先日ルノワール展に行った時、ひとくちに〇〇派といっても、画家がそこに至るまでに様々な画風を経ている点が面白いと思ったので、個人に着目した話もいずれ聞いてみたい。

paripi48    reply

青 赤 黄という色の三原色の概念をもとに、様々な美術作品及びその変遷を解説していただける興味深い授業でした。美術鑑賞のさいに使える知識が増えることでより美術を楽しめるようになると思います。また欧米とは異なり東アジアの色の概念が5色である、ということも興味を惹かれました。そういう観点でも日本の絵画を鑑賞していきたいです。

takeab1415    reply

色が意味を表すというのは面白かったです。またそれは文化にもよるというところにも。
ドラマやアニメ等の色を持つメディアにおいて、よく綺麗な女性を強調するために全体的に白っぽく見える効果を使ったりするのも一例なのかなと思いながら聴講しているととても合点がいった。
また、月の絵を描くときに月の色を何色で塗るのかは国によって変わってくるという話を聞いたことがあり、この問題を考える上で今回の講義は有用だと思った。

かずひこPN09    reply

西洋美術史における”色の歴史”を学んだ。現代に近づくにつれ、素人には意味不明な絵画が増えて行くイメージだったが、それが画家たちの試みの中で生まれたという、ある意味当然ではあるけれども、この講義で表面的には理解することができた。しかしながら、私は、そういった意味不明の絵画を相変わらず”意味不明”なものとしてしか受け取れないので、質的にももっと絵画を楽しめたらいいのにな、とも思う。

小三元4vj8u5    reply

 今回の講義では19世紀のレアリスム絵画を中心に据えつつ、それ以前、それ以後の西洋画、更には日本画とも比較しながら、絵画における様々な「色」の役割を説いていただいた。
 実は私は先学期、三浦先生の美術論の授業を受講していたのだが、その講義の主眼は近代以前の欧州における絵画を見る上での規則、定型的表現を学び、その上で傑作の傑作たる所以も垣間見るというものだった。今回の講義では、その際のテーマだった古典的作品は専ら色の担う象徴的役割に焦点を当てる形で、天の真実を象徴する青いマント、愛情の赤い服、純潔や無原罪の白、といった決まり事とともに紹介され、それ以降の作品との比較対象となっていた。こうして同時代作品から異時代の作品へと比較対象を変え、また焦点の当て方も変えると、同じ作品でも見え方が大きく変わることを実感させられた。
 と同時に印象に残ったのは、モンドリアンの抽象画だ。私はこの作品を嘗てニューヨーク現代美術館で見たことがあったのだが、その時はその意図も意味も理解できなかった。しかし、今回印象派、新印象派からの時系列的な流れを踏まえ、画家の感覚を直接表現するものとしての造形的役割を持った色が志向されるようになってきた過程を紹介されると、なんとなくモンドリアンの挑戦の狙いも見えるような気がする。勿論、これは一つの解釈に過ぎず、そもそも作品は画家の意図から離れたものとしての自由な理解に晒されるものだとは思うが、しかし一つのテーマに絞り、通時的視点を持って文化を比較することで初めて分かるものがあるというのは事実だろう。

HAL9000    reply

今まで抽象絵画というものは斬新さだけを求めて描かれたような気がしていましたが、実は写実的な絵画の延長線上にあって、やはり何かを表現しようという意志の産物であるということが分かりました。最近「表現」について考えることが多いので、抽象絵画は「表現」というものを象徴しているようで、僕にとっては大きな発見でした。

mdk216    reply

今まで美術に全く関わりのなかった自分に取っては新鮮な話を聞くことができた。
絵のなかの色によってメッセージを伝えるというのは一見ではわからない学術的な価値があると感じた。

bananana77    reply

西洋美術と色ということで、もっとも色という言葉から連想しやすいものだったと思う。印象派や新印象派、特にモネについては非常に興味があった。服や身の回りの色彩に対して新たな教養が身についたと思う。

aruku238    reply

今回の講義では、自分がこの講座を受講する以前から考えていた「色」についての講義でした。美術史の観点から色の意義を辿ることができたと思います。特に、抽象画を色をツールとして読み解いていくことで、いままであまり理解できず興味が持てなかった抽象画についての考察方法を得ることができ興味深かったです。

HAL9000    reply

シラバスを見ながら思い描いていた講義「色」が遂にやってきたかという印象。美術館でよく見るような種類の絵を紹介しながら色の意味の変遷を辿る講義内容もとても良かったが、僕はそれよりも抽象絵画というものにかなり衝撃を受けた。今まで抽象絵画なんていうものはそれっぽい抽象画家がそれっぽい抽象絵画を描いていかにも知った風のインテリ美術家がわざとらしく評価するようなイメージがあったが、実際はそんな内容のない芸術ではなく、むしろ芸術というものの最も純朴なあり方なのですらあるのではないかということに気づいた。自分の感情だったり心の中にある何かを「表現」しようとするとき、なんのルールにも縛られず、素直にそれを爆発させるとき、それは抽象絵画として具現化されるのではないかと思った。この講義を受けて良かったです。

aobababa    reply

(書き直しです。申し訳ありません)
今まで絵画などの美術品の魅力がイマイチ理解できなかった僕にとってまさに望んでいた授業でした。色は美術品の魅力を構成する一つの要素であるとともに、それ自体が意味を持つものだということがわかりました。また、先生の優れた美術品とは何であるかの答えは今でも僕の心に残っています。

rik0916    reply

「わかりやすく」人気のある印象派の絵画だけではなく、「これ誰でも書けるのではないか」と思わせてしまい「わかりにくい」抽象絵画も、全く異なるもののように思えるものが、色という点では同系のものであるという視点が、とても面白い。
前回までの講義とは打って変わってみんなが想像していた「色」の概念にかなり近い内容の講義になったのではないでしょうか

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