跳出思维框架

第4回 11月05日 服部 正平

排泄物のDNA情報

ヒトを含む動物の排泄物には糞便や汗、尿などがありますが、とくに糞便には多数の様々な細菌が含まれます。糞便はヒトが消化した食べ物の残渣であ り、その残渣をエネルギー源(餌)にした細菌が腸管に生息•増殖し、それらが糞便とともに排泄されるわけです。このヒトに常在する細菌は常在菌と呼ばれ、 一過的に感染する病原菌と区別されます。腸内の常在菌は約1000種類、その総数は数百兆個と見積もられ、それらは集団(腸内細菌叢)を形成して存在して います。近年、腸内細菌叢がヒトの健康と病気、すなわち、ヒトの恒常性維持と破綻に大きく関与することが明らかになってきました。その生理作用は全身的で あり、脳の機能にも影響することが示唆されています。

本講義では、腸内細菌叢の集合ゲノム(マイクロバイオーム)を一網打尽に解読するメタゲノム解析と言う方法で得られた膨大なDNA情報をもとに、その生態と生理機能について解説します。

讲师介绍

服部 正平
東京大学新領域創成科学研究科情報生命科学専攻教授(工学博士)。 専門はゲノム科学。化学系企業、九州大学、米国スクリプス研究所及びUCSD、東京大学医科学研究所、理化学研究所、北里大学を経て、2006年より現 職。国際ヒトゲノム計画に従事し、21番染色体などの完全解読を達成した(1991〜2004)。その後、大腸菌O157やピロリ菌などの病原細菌のゲノ ム解読に従事し、2003年頃よりメタゲノム解析法を用いたヒト常在菌叢の生態と生理機能の研究を進めている。著書に『ヒトゲノム完全解読から「ヒト」理 解へ』(東洋書店 2005)、総説に細胞工学 特集「体内の細菌が作るもう一つの世界マイクロバイオームの驚異」(秀潤社 2013)など。
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评价内容(最新2件 / 12)

てつ    reply

この講義を通して、細菌についての考え方、そして自分の身体の捉え方まで大きく変わった気がします。地球は細菌の惑星と言えるほど細菌が多く、私たちの体も非常にたくさんの細菌が宿主の恒常性の維持に必要なことを知りました。ヒトだけでは代謝出来ない植物性のものも細菌があれば栄養に変えられることも驚きでした。また細菌叢が食文化に影響を受け、日本人は水素を酢酸に、欧米人はメタンに変える細菌叢が多いというのも面白かったです。
講義を受けて考えたのは、海外に行くと日本人はダシを使ったものが食べたくなるという話がありましたが、ヒトの食欲というのも腸内細菌がグルタミン酸を欲することでなんらかのシグナルを出すことによって食欲を感じているのではないかと思いました。もしそうなら自分の身体というのはどこまでなのか、自分で考えているつもりでも細菌の影響を受けているのかもしれないと思いました。ヒトが超生命であるという結論がすんなり入ってきました。

きお    reply

人間にはたくさんの細菌がいて、手も細菌だらけだという話は聞いたことがありましたが、実際に数を見ると改めて驚きました。「地球上の細菌の重量はヒトよりも1,000倍重い」というのは、私たちはあまり普段意識しませんが、細菌の存在の大きさを感じさせます。細菌の組成は個人差が大きいというのは知りませんでした。それぞれの人がどのようなものを食べ、どのような生活をしてそのような菌の組成となっていくのかを追った研究が可能であれば、見てみたいと思いました。

たこ    reply

今回の講義では、排泄というテーマに関連して人間の持つ細菌叢についての話をしていただいた。他人同士は言うまでもなく、親子間や双子間でも細菌叢は異なっていることはとても興味深かった。また、民族間の味覚や嗜好の違いも細菌叢の特徴差と関連していることは大変興味深かった。

かずき    reply

排泄物の半分程度は腸内細菌である、とはどこかで聞いたことがありましたが、腸内細菌が健康状態を左右するほどに重要であることには驚かされました。
ギャル曽根の腸内細菌(の菌叢?)を是非ほしいものです。

また、個体ごと、国ごとに種レベルでは大きく異なる腸内細菌も、機能としては一定することも非常に整合的な説明で、腑に落ちました。

うひろ    reply

自分の思考の至らない部分(今回の授業での腸など)での生物(細菌)の働きが、自分の体を支えているのだということが大きな衝撃だった。また、Firmicutesが増えてBacteroidetesが減ることで、脂肪の高い蓄積率が達成されるのならば、より脂肪の乗ったほうが良い家畜の品種改良であったり、貧困国の飢餓問題などで応用できるのかもしれないと思い、非常に夢があって興味深かった。

taro    reply

排泄物を解析する科学的なアプローチに触れられ、今までの講義の内容との関連も感じられて面白かったです。ただ、排泄物ではなく腸内の細菌環境の話が多かったですが、排泄物と細菌の関係性についてもう少し話を聞きたかったです。

post    reply

今回の内容は理系的要素が強く、文科生の私には所々難しい部分もありましたが、細菌の世界をより身近なものとして感じられるようになりました。人と細菌との共生関係など、初めて詳しく向き合ったことも多く
特に糞便移植が薬となることには驚きを感じました。

あつし    reply

今回の講義で私は、今までは考えもしなかった人間の腸内細菌の生態について大変興味を持つことができました。また、知る機会があるならば、今度は他の動物の腸内環境をもっと知りたいです。人間以外の動物だとやはり人間とは違った腸内環境なのでしょうか。

いとう    reply

20世紀における生命科学の発展の立役者は、大腸菌と言っても過言ではないだろう。加えて遺伝子工学においても現在重要な役割を果たしている。ヒトの糞便から分離されたこの大腸菌での研究が他の細菌のものに比べて特に優秀で有利であったとは言えないものの、大腸菌が研究の対象として選択され生命の神秘を解明してきたことにやはりどこか運命的(?)なものを感じる。人間と排泄物の関係の重要さが分かる出来事であると思う。

なな    reply

今回の講義では、排泄について細菌という観点から興味深く学びました。特に健常者の糞便を疾患の腸内に入れることで薬になる、という事は非常に衝撃を受けました。糞便には「汚い」などマイナスイメージがありますが、研究を進めることでより人類の発展に貢献し得るのではないかと、興味深く感じました。

po-nomo    reply

「排泄」というよりはヒトの腸内細菌叢に焦点を当てた授業内容でしたが、非常に興味深く聞くことができました。身体・精神疾患の治療から個人鑑定、さらには代謝機能の決定にまで関与してしまう腸内常在菌の可能性の広さは圧巻でした。常在菌の種ごとの割合は個人間で多様ということでしたが、ヒトが成長する過程において機能を中心に菌種の配分が決定される過程は、恣意的なものなのか自然選択的なものなのか興味がわきました。

たか    reply

腸内細菌の菌種組成が国ごとに大きく異なっている、また夫婦間・親子間のそれには大きな類似性はない、ということはたいへん興味深かったです。腸内細菌と関連する疾患がとても多く、菌種組成が人間の健康状態に密接に絡んでいることに驚きました。糞便移殖による疾病の治癒の研究が進めば、医学の大きな進歩につながるのではないかと思い期待が膨らみました。

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