ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第2回 03月06日 古米 弘明

都市水代謝における排泄と再生

2014/3/6 - 2014/3/7

持続可能な社会は、低炭素社会、自然共生社会、そして循環型社会の構築により達成できるものと考えられています。本講義では、水文学的な水循環の中で、社会活動を支えるための水供給、水利用に伴う排出(排泄)とその処理(再生)の過程である「水の代謝」を対象として、水の安全性や水環境保全や水の再生利用のあるべき姿について講義します。水に関わる基礎的な知識から都市環境工学における応用的な内容を含んでいます。

  1. 水循環と水資源
  2. 公衆衛生と水の安全性
  3. 都市の水代謝における上下水道システム
  4. 水の再生・再利用と水環境保全

まず、水文学的な水循環を理解した上で、水資源確保における課題、都市における水需要に対して、どのようにその量と質を確保し,どのように”水”とつきあっていくのかという課題に焦点をあてます。そして、日本の水道や下水道の歴史を参照しながら、公衆衛生の確保の重要性や水を介した伝染病への対応について説明します。次いで、都市基盤として水供給を担う水道システムと水利用後の汚水を収集・処理する下水道システムについて、その役割や新たなに期待される機能について解説します。最後に、安全な水供給の確保や豊かな水環境の保全の基礎となる「健全な水循環系の構築」を目指すために、都市の水代謝において自然と調和した持続可能な水利用システムを創出することの意義ついて理解を深めてもらいます。

講師紹介

古米 弘明
工学系研究科付属水環境制御研究センター教授。 東北大学土木工学科助手、九州大学水土木学科助手、助教授、茨城大学工学部助教授、東京大学工学系研究科助教授、オレゴン州大学及びEAWAG(スイス)客員研究員などを経て、2007年より現職。研究分野は都市雨水流出抑制や雨天時汚濁解析、水道水源としての貯水池や河川の水質評価、小規模下水処理プロセスの解析とモデルによる最適制御である。現在において、都市ノンポイント汚染物質(PAH、重金属など)の存在形態と雨水浸透施設での挙動、合流式下水道雨天時越流水のリアルタイム制御と病原微生物の受水域における動態、衛星画像と都市計画情報を利用した地表面特性の評価及び分布型モデルによる雨水流出解析、水環境における重金属の形態とバイオアッセイによる底質汚染の評価、河川の粒状有機物と河床生態系との相互作用などについて研究をしている。
授業風景

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