ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい
第7回 03月22日 高橋 英海
キリスト教の変容とキリスト教における変容
2012年3月22日・3月23日
やや大きめのタイトルを付けてしまいましたが、実際はもう少し小さな話です。今回の講義の前半では中東で生まれたキリスト教が海路を経てインドへ伝わる過程で、そしてシルクロードを経て唐に至る過程でどのように変容していったかを視覚的資料も交えて見ていきたいと思います。後半では福音書で語られるキリストの「変容」、そのキリストに倣った人間の変容、そして終末における世界の変容について、主に東方キリスト教の伝統の中でどのように語られているかについてお話しするつもりです。
- 講師紹介
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- 高橋 英海
- 1965年生。フランクフルト大学博士(Dr. phil., Orientalistik)。専門はシリア学(Syriac Studies, Syrologie)。著書・論文にAristotelian Meteorology in Syriac、“The Mathematical Sciences in Syriac”、“Transcribed Proper Names in Chinese Syriac Christian Documents”、「インド・ケーララ州の「聖トマス・キリスト教徒」」など。シリア語やアラビア語の文献を中心に、古代ギリシアの哲学・自然科学の中東世界における伝承や、キリスト教とイスラームの関係、シリア・キリスト教のアジアでの伝播などについて研究しています。
- 学生の声
今回の集中講義は特定の分野に関する学習のきっかけも作ってくれました。「キリスト教における変容」という講義を通して『聖書』における種々なる変容とそれに関連する要素を知り、『聖書』に対する関心が高まりました。『聖書』を一度読んだことがありますが、深く考えることなく単にキリストを知る物語として読み通しました。今回の講義を聞いて、「変容」という視角でもって『聖書』を再び読み直すことに決めました。また、『聖書』を読みながら、日本の記紀神話との比較、また日本の記紀神話における「変容」に対する思考もしたいと思います。
(南京大学修士1年生の感想より抜粋)
- 講師インタビュー
石井 ではでは次に行きたいと思います。高橋先生。
高橋 私は初めて参加させて頂いて、私自身は楽しかったのですが、授業については準備不足だったので。何を話せば良いのかなというのがずっと迷っていて。ちょっとどんな学生なのかとか良くわかっていなかったというのもあって。話してみて、やっぱりもうちょっとどう思っているのかを聞きたかった感じはしますね。授業の中にそういう時間を自分で作ってみても良かったかなとも思います。学生さんともう少し話せたら良かったと思いますね。
渡邉 (編注:渡邉正男先生は高橋先生の講義を聴講されました)私は面白く聴かせて頂きましたし、自分が今までやっていたことと絡めて聞いてみたいこともあったので楽しかったですけれども。学生さんがちゃんと勉強してきているというのがすごい。「中国キリスト教史」みたいなのを持ってきていたので、立派だなぁ、放っておいてもちゃんと勉強しているんだなぁというのが。事前の課題を出してほしいみたいな感想がありましたけれども、自分でやれば良いんですよ。あとはやっぱり先生同士でやっちゃうと、空中戦になっちゃう可能性があるので、そうならないように学生を交えてどう話をすれば良いかというのを考えた方が。うまくできるかわかりませんけど(笑)。
高橋 事前に先生同士で話しておいてというのも面白いなと思います。
渡邉 せっかくなのですから、南京大学の先生のも一緒に話してもらえれば良いんじゃないですか? こちらの去年やった講義では先生同士の討論というのを一コマ設けていただいたと思うんですが、ああいうので、東大の先生と南京大学の先生も交えて学生もいるところでやってみたら。
石井 もともとは先生同士の滞在期間を重ねて、討論をして頂こうという希望を抱いていて、渡邊雄一郎先生になんとか藤原先生の時に来てくださいとお願いしていたのですが、やはり難しい。
刈間 渡邉先生と高橋先生のところだけが重なったんですよね。
渡邉 刈間先生の講演も聴かせて頂けたんですが、全部中国語だったので、映画を楽しんでいたという(笑)。やっぱり今後どれくらい参加させて頂けるかわからないのですが、中国語勉強しないと駄目ですね(笑)。
刈間 あとは如何ですか、南京で初めておやりになった感想というか印象というか。
高橋 いや、単純に、行っていろんなものが見られて美味しいものが食べられて非常によろしかったです、はい。大学の学生さんともうちょっと話をしたかったというのがあって。どのくらい向こうが分かってるのかとか、何を考えているのかとかをもうちょっと知りたかったかな。一生懸命聞いてくれているというのはわかるし嬉しいんだけど。
石井 有難うございました。
(2012年4月24日に行った南京集中講義意見交換会より抜粋)
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