ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第8回 11月21日 北澤大輔、吉田毅郎

海の食料生産~漁獲と養殖の将来~

世界では、欧米での健康志向の高まりや、アジアでのタンパク質摂取量の増加等を背景として、1人あたりの水産物消費量と世界人口の増加によって、水産物の消費量が急激に伸びています。水産物の生産は、大きく分けて、内水面と海水面における漁獲と養殖によって行われます。1990年代以降は、漁獲量はほぼ横ばいで、養殖生産量が大幅に増えてきています。これからも増加していくと予想される水産物需要に世界、あるいは日本はどのように対応していけばよいでしょうか?本講義では、過去から現在までの水産物生産の状況について、統計データ等を用いて紹介するとともに、現在考えられている将来の課題を抽出します。また、これらの課題を解決するために必要な政策、技術開発等について考えます。

講師紹介

北澤大輔
平成14年に東京大学大学院工学系研究科環境海洋工学専攻博士課程を修了し、博士(工学)を得る。平成14年に東京大学生産技術研究所に講師として着任し、平成16年より同助教授(平成19年より准教授)として活動している。専門は海洋生態系工学である。物理モデルと生態系モデルを結合した数値モデルを用いて、湖沼や養殖海域などの様々な水域の環境を解析している。また、周辺環境と調和した海洋の食料・エネルギー利用技術の研究開発を行っている。
吉田毅郎
授業風景

2018年11月21日の学術フロンティア講義では、生産技術研究所・北澤研修室から吉田毅郎先生を迎え、海における食料生産、特に養殖漁業の技術について講義していただいた。

講義は海の歴史から生命の誕生、総面積や平均・最高深度などのデータ、日本の排他的経済水域、海洋大循環、食物連鎖といった基本的な話題から始まり、海洋における食料生産が一次生産(植物プランクトン)に依存すること、沿岸域では一次生産が高くなる条件が揃っていることが示された。日本の場合、世界有数の面積を持つ広大な排他的経済水域を有効利用することが重要である。

次いで話題は人口と食料の問題に移った。これまでの講義でも近未来の人口増加とそれに伴う食料問題が話題になってきたが、世界の水産物の需要も増加している。近年は漁獲方面の増加は頭打ちとなっているが、養殖による生産量は急増している。

次に日本の食料と漁業を巡る問題に目を向けた。自給率の低さが問題にされて久しい日本の食料事情だが、その原因となる肉類の消費が増える一方で魚介類の消費や生産量は低下の一途をたどり、今後の生産量も増加は見込めないと思われる。そして水産業界最大の問題が就業者の減少と高齢化の進行で、なり手をもはや望めない中、科学技術による省人・省力化に活路を見出す他なくなっている状況である。日本の水産物生産力を向上させる上で、科学技術を介在させやすい養殖は有望な方法のひとつといえる。

とはいえ養殖は万能薬ではなく、様々な問題も引き起こす。エビ養殖によるマングローブ林の破壊は教科書レベルで有名だし、また森林を切り開かない沿岸養殖であっても与えた餌量に比しての収穫量が低い上、生簀の周囲の汚染が進みやすく最悪の場合大量死を引き起こすなどの問題がある。

それらの問題を解決する技術的方法についての内容が、ある意味この講義の眼目であった。養殖魚の排泄物で海藻類や底生生物も同時に育てる複合養殖、海の環境に左右されない陸上での養殖、また海が荒れやすい沖合に生簀を作る沖合養殖の為の様々な技術が動画や写真付きで紹介された。日本のみならず、漁業大国として世界随一の研究水準を持つノルウェーや、景観も重視する米国の例なども引き合いに出された。いずれにせよ沖合養殖技術は未完成であり、これからの技術革新に期待が持てる分野である。

スーパーに行けば養殖ものの魚介類が簡単に手に入る当世であるが、これも講義で展開されたような数多の研究の果てに実現されたものである。授業で紹介された沖合養殖にかかわる研究の全てをここで詳しく説明することはできないが、それぞれに目の付け所、問題を解決するための発想が異なり、興味を強く惹かれた学生もいたに違いない。世界的な健康志向の高まりで、魚介類は優秀なタンパク源として注目を集めてもいる。講義に登場したアイデアが、いつか世界を救うのかもしれない。

(文・永嶋)

コメント(最新2件 / 32)

akanexwx    reply

漁業が切り開いている産業のポテンシャルや漁業が引き起こす環境問題を改めて考えることができました。複合的な養殖を行うことで環境への負担が減少されるのは印象的でした。養殖に使う餌を作る過程を追うと養殖が環境にダメージを与えないのはほぼ無理に近いと思いますが、複合養殖をすることで無駄を減らすことができるのならばサステイナブルな食につながるのかな、と思いました。

kyomasu0616    reply

私は社会基盤学科に内定しているのですが、土木の業界でも人手不足は深刻なので、今回の講義は非常に共感して聞けました。
まして、第一次産業は本当に大変で、現場は苦労しているのだと思います。そのためにも、無人化など、私たちの生活を支える第一次産業が儲かるような仕組みを作らなければ、と思います。

yokamoto9858    reply

中国などに代表される新興国での水産資源に対する需要が高まるとともに日本での将来的な水産資源の供給が追いつかない状況が発生しつつあるということに危機感を感じた。

iwa1023    reply

水産関係の話はあまり聞いたことが無かったので、新鮮だった。とくに、養殖によって環境問題が発生していることは全く知らなかった。

今回面白いと思ったのは、漁業に関わる科学技術の話だった。まず科学技術を省力化・省人化に使うという点で、漁業でも他産業と同様の手法が使われているという知見を得た。自分では、漁業はどうしても人がやるものだと思っていたので、とても興味深かった。

僕のイメージでは漁業は安定して収穫が得られるというものではないように感じていたが、養殖やそういったものを支える技術によって、これからも漁業が存続していくと良いなと思った。

toriimo0817    reply

私の地元は瀬戸内海に面しており、牡蠣筏がたくさん見られます。そうした背景もあり、養殖というのは海岸線の入り組んだ、波の穏やかな場所で行われるものと決めつけていましたが、今回の講義でもあった通り、波のある沖でも養殖をしようとする試みがあることを初めて知りました。
波が立つプールで体験したことがありますが、水深が深くなると海面と比べると波の影響を受けにくくなり、揺れが小さくなるということでした。そうしたことを養殖技術に生かすことで、養殖の可能性はさらに広がると思いますし、ゆくゆくは食料問題全体にもプラスの影響を及ぼしうるのだろうと感じました。

tomoko0422    reply

普段魚介類をたくさん食べているのに、海洋食糧生産について全然知らなかったことに気づきました。沿岸の方に陸と海底からの供給によって栄養塩が豊富にあるから漁がしやすいなども知らなかったし、今ノルウェーが海洋食糧生産先進国であるということも知りませんでした。更に、この授業では「食」をテーマにしているので、度々人口爆発に伴う食糧不足問題をいかに解決していくかという話がなされてきましたが、海洋食糧生産の観点からも考えられているということが興味深かったです。さらに、養殖技術の話においても、いけすを沈めれば波の影響を受けにくいなど具体的な話も聞けて面白かったです。特に日本は台風など、自然災害がとても多い国なので、そうした工夫がなされているということに興味をひかれました。

m0e0g    reply

日本の魚介類の生産も消費も減少してる割に、世界では技術による推進もあって養殖が伸びてるとのことでしたが、とくに生産量の多いヨーロッパの国々では漁業の従業者数や年齢層はどうなっているのか、どんな取り組みをして生産量を維持しているのかが気になった。漁業は稼ぎが良くないというが、沖合養殖の技術開発をしてロボットとか作っても採算をとれるかが難しそうだと思ったし、実際普及していないからそういうことなんだろうと思いました。

松本 剛    reply

日本の養殖業の伸びが小さいことは前から気になっていたことでした。養殖場拡大の遅れや技術の未熟さなどが理由だと思いますが、個人的には養殖業で製造された魚の品質が悪そうに思われていることも大きいと思います。人は海ほど魚を育てるのが上手ではないはずで、都合よく育てるために人工的な何かを餌にしたり、餌を大量に流して養殖場周辺の水質を悪化させてはいないかと不安な点は多いです。また、ストレスで病気になる魚もいると聞きます。食料問題や魚介類減少の問題を認知していながらも天然物好きな頑固な僕らを納得させるような養殖技術が知られれば、養殖業に一気に支持が集まり食料問題解決への一歩となると思います。

nas123    reply

世界の水産物生産の中で養殖の割合の伸びが著しいことに驚いた。また、日本で漁獲が減少しているということは知っていたが、人口増加で食料需要量は増えているはずの世界全体として見ても漁獲は横ばいであるということにも驚いた。日本の漁業における高齢化などの問題を考慮しても、養殖の技術がますます発展すればと思っていたが、養殖には汚染などの問題があるということを知って、そうした環境問題の対策となる技術の進歩が優先事項だと思った。技術が進歩していけば、漁業従事者の危険も減少し、収入も安定するようになって若年層の労働力も増加し、日本の漁業における高齢化問題も解決できるようになるのではないかと思う。

ayane0212    reply

世界的に人口が増加し、それに伴って水産物の需要も増加してきたということで、より養殖に力を入れるため、技術の研究がなされているということが分かった。

ilovefood2    reply

漁獲量には限界があるため、世界の水産物供給の安定のためには養殖業の発展が必要不可欠であると思います。
今後、養殖業を発展させるためにはいかに養殖の自動化・効率化を図っていくかというのが大切だというお話だったので、ノルウェーなどの養殖先進国を参考にしながら日本という国の特性に合わせた技術革新を行なっていってほしいと思いました。

taku98    reply

養殖には自家汚染などの課題があるとは知らなかった。
漁業人口が減少する中で省人化と生産性の向上が課題だと分かった。
日本では魚介類の消費が減少傾向で、世界と逆の動きになっているが、日本の漁業者は輸出で儲けることはできないのかと疑問に思った。

tomii1227    reply

近年、世界の水産物生産量は漁獲によるものはほぼ横ばいの一方、養殖が徐々に増加してきている。加えて、世界の人口は爆発的に増加してきており、それに伴い食料の不足も懸念される。さらに一人当たりのタンパク質消費量も増えてきているため、今後ますます漁業の負担が増える可能性が見込まれる。特に養殖は今まで行なっていた海域に加えてさらなる海域の開発が必要となる。日本で沖合養殖技術が発展していってほしい。
また、環境面をも考慮した養殖方法の考案の必要性も感じた。

411haruki    reply

最近ニュースでなぜあれほど養殖業が取り上げられているのかがよく分かる講義であった。我が国の水産業は、EEZの設定や周辺国の乱獲により数十年前から衰退傾向にあり、内面養殖業に活路が見出されているものの、未だ回復の兆しが見られない。

fuya0469    reply

欧米の肉食文化が普及した今日の日本において水産物の消費は健康を考えるうえで重要なテーマであると思う。また寿司に代表される日本の食文化においても水産物の重要性は言うまでもない。日本食が海外で健康食として注目を浴びる状況についても鑑みて、水産物の生産状況を知ることができた本講義は非常に有益な講義でした。ありがとうございました。

2754@riben    reply

食というと農業など陸上で行われるものの方につい意識が向きがちで漁業に関してはなかなか考えたことがなかったので興味深かった。
養殖物の方が脂の乗りがよく好まれることもあるという現在の状況下で養殖に関して新しい知見を得られた。

Gooner0919    reply

養殖の問題点を改めて挙げられて、海の汚染以外にも解決すべき点について考えさせられました。今後、食料自給率を向上させていく中でも技術開発は重要だと感じました。

Umay9002    reply

漁獲と養殖についての知識は、殆ど中学校の地理程度にとどまっていたので、改めて勉強になって良かった。養殖は衰退しつつある漁獲に代わる画期的な漁業で、問題になるとすればコスト面だけだという認識があったが、今回の講義で汚染の問題がとても深刻であることに驚いた。マグロの養殖が一時期話題になっていたが、こうした機会に養殖の良い面だけでなく負の面も注目されれば漁業を巡る議論がより深まるのではないかと思った。

hoku125    reply

 日本人は特に魚貝類を好んで食べる民族であり、私自身も刺身や寿司、煮魚や焼き魚など様々な料理法で魚を食べるが、近年は天然の魚資源が頭打ちになっていて養殖の割合が増えているという。今食卓に上っている魚介類が、10年後には食べられなくなってしまう、などということが起こらないためにも、養殖などの技術の開発は大切だと思った。また、それと同時に現在の地球の資源を損なわないようにするということも重要だ。これから世界の人口が増えていく中で、たんぱく質の需要が増加することが予想されるが、目先の利益を追求する(例えば魚を乱獲する)ことにとらわれるのではなく、長い視野で考えることが必要だと改めて感じた。
 吉田先生は、養殖場において生簀にカメラを入れて魚の数をカウントする技術の開発などに携わっていらっしゃるそうだ。確かに海の中は陸上と違って商品である魚介類の管理が難しい(可視化するのが大変だ)ということは容易に想像がつく。先進的な技術を取り入れることが、漁業従事者が減少し、かつ高齢化の一途をたどっている日本の漁業の現状を打開する手立てになるのではないかと思う。
 また、沖合の養殖において、生簀内の魚の糞を有効活用する方法を模索する動きもあるというお話には非常に興味を持った。環境汚染を和らげる効果があり、かつ糞を餌としてナマコの養殖がおこなえる、という一石二鳥の取り組みのようだ。果たしてナマコが逃げていくことなく生簀の下にとどまっているか、ということや、ナマコの排泄物は環境に影響を与えるのか、ということなど検討すべきことは多々あると思うが、アイディアとしては非常に面白いので、いつか自分でも現地を見に行ってみたい。

Saki0204    reply

最近魚を食べる人が減っていると思います。養殖により漁獲量が増えても、消費量が減っているとなかなか漁業につきたい人も増えないなと感じました。日本は海の資源に恵まれた国なので、もう少しその資源を生かすべきであるし、後継者問題にも着手すべきだと思います。

daiki7141    reply

主に人口大国である中国の経済発展に伴ってタンパク質を摂取できる水産物の消費が著しく増加しており、またそのことが世界の食糧供給などに関していかに深刻な問題であるか考えさせられました。今後は、養殖などといった内水面漁業の漁獲量が世界の水産物消費を大きく左右するように思われますが、養殖は地震に伴う津波や、高潮といった自然災害や異常気象に脆弱な印象があり、養殖が盛んな地域での局地的な災害が世界を揺るがすリスクをはらんでいると考えられます。養殖が安定した水産物の供給源になりうる技術の開発に期待しています。

Keisuke1014    reply

Sセメスターでも海の生物資源に関する授業を受けており、その時から複合養殖というものは知っていたが、改めてすごい発想だと思った。残餌による海洋の汚染が問題になる中で残餌を餌として綺麗にしながら他の生物も育てられるというのは一石二鳥の良いアイデアだと思う。Sセメの時は違う組み合わせでの複合養殖の話を聞いたのでいろんな組み合わせが考えられるのだと知り、複合養殖が多くのところで取り入れられたら良いと思った。またSセメでは餌の方の改良の話を主に聞いたが、今回は生簀の改良など新しい対策方法を知れてよかった。同時に多くの角度から対策が講じられている海洋汚染の問題は深刻なのだと改めて思った。

naga2018    reply

急激に増加するタンパク質需要に対して、漁業面では養殖生産量を増加させることが、供給量の確保や資源保護の観点からも大切であることが分かったが、それと同時に養殖規模の増大に伴う、マングローブ林などの森林破壊や、残餌や排泄物などによる周辺の水質汚染など環境破壊も深刻となるため、それらの改善や防止も目的とした制度整備や技術開発もまた非常に重要であるなと感じた。

n2018o    reply

急な講義にも関わらずありがとうございました。
よく言われることではありますが、日本の排他的経済水域の広さは世界有数で、海に進出、供給余力があると言いますが、私は需要が減少している現在、従来の方向性での開発は難しいと考えます。
新たに需要を創出するための開発をすべきだと思います。
漁獲量が30年ほど前から変わっていないということに驚きました。また、平成20年頃まで肉の消費量を水産物の消費量が上回っていたという事実にはさらに驚きました。もっと昔から肉が多く食べられているイメージでした。
養殖が海の食物連鎖に関わらないという考えは、当たり前のことながら、初めて気づきました。食物連鎖に配慮しなくていい養殖は魅力的だと思いました。
養殖池の水質があまりに悪く驚きました。やはり問題になるのですね。
ナマコや海藻が水質を良くしてくれるというのも初めて聞きました。

kensugawar@food2018    reply

自分は魚食が好きで、養殖によって美味しい魚を安定的に供給できるようになることは歓迎です。ともすれば餌の過剰投与に伴う環境破壊を招きかねず、そもそも適した立地も限られている養殖生産だが、これらの問題に対処するべく、複合養殖や沖合養殖といった方法が考案されていると聞き驚いた。ただしこれらの方法も養殖をする際のリスクを完全に払拭できるわけではなく、病気の集団感染の危険や、やはり少しずつ水質が悪化することは避けられないだろう。これらの危険は養殖システムの構築によって更に減らせるかもしれないが、養殖自体がまだまだ発展途上の技術なので、更に安定的な養殖方式を開発する必要があると考える。

bnk258gi    reply

水産物の需要と生産の状況というのはここ十数年で大きく変わったものの一つだと思うので、様々なデータを見ることができたのはよかった。また、水産物生産に関連する技術というのが非常に興味深く、工学的な見地から食料問題を見るというのも面白そうだと感じた。

bnk258gi    reply

水産物の需要と生産の状況というのはここ十数年で大きく変わったものの一つだと思うので、様々なデータを見ることができたのはよかった。また、水産物生産に関連する技術というのが非常に興味深く、工学的な見地から食料問題を見るというのも面白そうだと感じた。

lily722    reply

海の食料生産は概念としては分かっていてもなかなか実際にその光景を見ることは少ないので、様々な映像資料を漁獲や養殖の様子を知ることができて良かった。
世界の水産物生産量のうち、漁獲によるものがほぼ横ばいであるのに対し、養殖によるものは年間成長率約8%の割合で増えていること、一方で日本の養殖による水産物生産量は横ばいであることを知ることができた。日本は海に恵まれているものの養殖場として使える海は今のところ限られているようだが、沖合や陸上などで養殖する技術の発達すればもっと養殖の可能性は広がるだろうし、複合養殖など、環境問題にも対応できる養殖のあり方を模索すれば継続的に生産していけるようにしていくことができるということも分かってとても興味深い講義だった。

rika0817    reply

先日、霞ヶ関ばたけというイベントで、釣りと地域起こしについて話を伺ったり、また、夏休みには釜石でフィッシャーマンジャパンさんからもお話を伺ったこともあるのですが、その時は人にフォーカスした話が多くて、どう漁業や海に人を惹きつけるかという話が主でした。それを聞きながらと入っても、漁業従事者を増やすというのは難しいだろうと感じていたので、今回の技術面でのお話は面白かったです。
特に、養殖による自家汚染を防ぐための技術は興味を引きました。漁業を続けていくためにも必要な視点だと思います。私が気になったのは死んだ魚を排除するロボットを作っているということだが、なるべく魚が死なないようにするためにはどうしたらいいのかということと、死んだ魚は(できるとしても再利用の方が高コストということにならずに)何かに利用できないのかという点です。もし何かご回答いただけたら幸いです。
技術そのものとは関係ないが、感想として、技術の見せ方を工夫できないのかと思いました。魚が泳いでいるところとか、機械とか、かっこいい点はたくさんあるのに動画の印象が単調で、1分か2分ぐらいで研究発表用というよりはプロモーション用のビデオを作ってみたら、何に使うかはわからないけれど面白そうだと思いました。

rakim1099    reply

ここ数年、ウナギの絶滅を危惧する声をよく聞く。もっと以前から言われてはいたものの、さらにそれが深刻になったことで聞くようになったのだろう。にも関わらず、日本人はウナギを食べることをやめない。今美味しいものを食べられればそれで良いと思っているのかどうかは知らないが、日本人は持続的な漁業、ということについてもっと思いを巡らせるべきなのではと思う。

watson920    reply

日本と世界の今後の水産業の展望と課題を講義していただいた。漁業の分野を学問的に分析する際の基礎を初めに軽く説明していただき、疎い分野なので助かった。
一次生産にその礎を置く漁業。そして世界の需要増大に対し、日本では需要も減少すれば水産業の担い手も減少傾向にあるという。こういった課題に対し、養殖業という一つの新たな道を切り開くのに様々だ研究が背後にあると実感した。実際、私の関西の実家の近くに、近畿大学があり、クロマグロの養殖など盛んに行なっている。そういった意味で養殖の未来への発展性に関しては重々承知していたつもりだったが、より国の政策的にもサポートし重視していく体制があるようで、素晴らしいことだと思った。

mmm2018    reply

天然の水産物の漁獲量には限界があり、世界的に増大している水産物の需要を満たすためには養殖技術の発達が必要であることがわかった。一方養殖には汚染や病気などのリスクもまだまだ存在していることもわかった。複合養殖など新たな養殖技術の研究が安定的な水産物供給には必要なのだと感じた。

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