ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第9回 12月02日 遠藤貢

COVID-19パンデミックとアフリカ

アフリカ大陸では8月下旬段階で累計の新型コロナウィルス感染者数が120万人を超えた。中でも南アフリカはその半数を占める。ただし、十分な検査態勢が整っていない国も多いことから、実際の感染者数はさらに多いことも指摘されている。一方で、アフリカは感染症対応においては従来から世界の最前線に位置づけられてきた。本講義では、現在のパンデミックのもとでのアフリカにおける様々な対応について検討を行うことにしたい。

講師紹介

遠藤貢
現職: 東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授(2007年4月~) 学外活動: 日本比較政治学会会長(2018年~2020年)、日本国際政治学会理事、日本アフリカ学会評議員など 主要業績(比較的近年のもの) a)単著: 1.『崩壊国家と国際安全保障:ソマリアにみる新たな国家像の誕生』、有斐閣、2015年 b)編著・共編著: 1.国分良成・酒井啓子・遠藤貢編『日本の国際政治学3 地域から見た国際政治』、有斐閣、2009年 2. 遠藤貢編『武力紛争を越える:せめぎ合う制度と戦略のなかで』、京都大学学術出版会、2016年 3. 遠藤貢・関谷雄一編『東大塾 社会人のための現代アフリカ講義』、東京大学出版会、2017年 4. 末近浩太・遠藤貢編『紛争が変える国家』、岩波書店、2020年 c)共著: 1.「アフリカにおける中国認識—中国の南部アフリカ進出と域内関係の変容」川島真、遠藤貢、高原明生、松田康博編,『中国の外交戦略と世界秩序』、昭和堂、2019年 2. 「『アフリカの角』と地政学」北岡伸一・細谷裕一編『新しい地政学』)東洋経済新報社、2020年
授業風景

2020年度第9回学術フロンティア講義では、12月2日に東東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授の遠藤貢先生にご登壇いただきました。

アフリカのコロナの感染状況は200万人を超える程度で、死亡者は5万2000人ぐらいだと言われている。感染者の累計数の数を国別に注目すると北アフリカや、南アフリカ、アフリカの角と呼ばれるエチオピアでも感染が広がっている。アフリカビジネスパートナーズ(ナイロビに本部をおく組織、一週間に一片ずつコロナ感染状況をシェアしている)のデータによると8月では一時落ち着きつつあったものの、日本の夏に当たる7〜9月に感染のピークが予測されていた通り、実際に7月にピークがあった。最近は北アフリカを中心に感染者数の増加傾向が見られる。モロッコやチュニジアは若干増加ペースが減少しているが、南アフリカ、エジプトが増加傾向にある。しかし、そもそもデータが正確かどうかは断定できない。特にタンザニアは4月29日に509人の感染者、21人の死者が発表された以降更新されなくなった(選挙があったことなどの理由が考えられる)なの例もある。データには現れない「静かな流行」への懸念が見られる。

アフリカ諸国の対応は比較的迅速で、3月ぐらいからロックダウンの政策が敷かれていたがその後、長期に実施することができなかった。経済を一方で回す必要があることで葛藤する点は日本もアフリカ諸国も変わらなかった。JICAの活動も、7月以降の国際線発着が再開したこともあり、続々再開している。

アフリカにおけるコロナウイルスの致死率は1%未満の国にある国もあり、2%ほどの国もある。数値として特別高いわけではない。他の地域と比べるとアフリカの感染者数増加も人口規模の割に増加も緩やかで思った以上に悪くない状態だと言える(数値の信頼性はなんとも言えない)。

医療システムの脆弱性から、アフリカにコロナが広がることに対する強い懸念が残されていたが、比較的迅速に対応できた。日常での新しい生活習慣について(マスク・手洗い)も対応できている。理由は諸説あるが、アフリカの多くの国では若年人口の割合が大きいため無症状の患者が多いのではないかというのが一点。医療のレベルでは十分ではないものの、コミュニティレベルで保健システムが機能していたとも言えるかも知れない。

具体的な例に移ると、南アフリカでは、3月15日に「国家的災害自体を宣言し、26日以降はさらに厳しい外出規制を敷いたケニアでも3月15日でも全てのコロナ感染が起きている国からの入国を停止した。外出禁止令や、感染リスク減少を促進する政策などを早急に実施している。権威主義的国家の方が対応が迅速であることなども起因しているのかも知れない。

遵守するべき対応に関しても、8月にコロナウイルスに対して、手を洗う、握手を避ける、マスクをつけるなどの新しい生活様式についてどれだけできているかをアンケートを実施したところ、7割前後の人たちが首肯している。アフリカの国々の特徴として、創意工夫が行われている。現地の布を使ってファッショナブルなマスクを着用するような実践が行われている。

ロックダウンが一定の効果をもたらして感染拡大の抑止効果を産んだ面はあった。しかし、「生物学的な脅威から守る」ロックダウンなどの政策と貧困の問題で食べるものが維持できなくなっている「社会経済的な生命の危機」のバランスに齟齬が生じた。南アフリカを筆頭にアフリカ諸国の格差は非常に大きい。富裕層が巣ごもりをする間に貧困層は困窮し、商店を襲撃するなどをし始めた。ロックダウンの3月から4月にかけた激しい経済の落ち込みの中でも特に格差が深刻な南アフリカは激しく経済が落ち込んだ。5月以降も経済水準は他国と比べても低迷している。

アフリカ全体で、2003年から続いていた高い経済のプラス傾向が3.3%低下の予想となった。一人当たりの実質13年前の規模に後退してしまうのではないか。約4千万人が極度の貧困に陥り、教育を受けられていない人も2千万人ほどに登るのではないかと言われている。

エボラの場合は体液接触と高い致死率である一方で新型コロナウイルスは少し毛並みが違う。しかし、西アフリカでの流行を踏まえて、エボラの観戦対策が、新型コロナウイルスに一定程度機能してるようだ。野生種のポリオをWHOは長年かけて根絶した。そうした経緯があり、様々なウイルスに対する対応能力が潜在的に構築されてきたのではないか。

強いロックダウンのような政策にはそれを破るような動きが発生する。その動きに政府はなんらかの形で対応するようになる。それが、治安の問題である。特筆するべきは、アフリカの国々では警察への信頼が低い。信頼度はアフリカ平均45%で、ナイジェリアなどでは24%である。警察自体はそもそも信頼が高くない組織として認識されている。様々な役職の中でも警察が非常に汚職にまみれた組織であることが明らかになっている。

最後に個別の国々の事例を紹介した。

まずはエチオピア。2018年3月にエチオピア人民革命民主戦線中央執行委員会で選出されたアビイ首相は就任後、数千人規模の政治犯の釈放とエリトリアとの関係改善を推し進めた。最も人口が多いオロモ出身で、エリトリアとの和平を成立させたことでノーベル平和賞を受賞した。しかし、和平ができてしまったことによって、もともとエリトリアと不和だったティグレと呼ばれる民族との軋轢が生じている。アフリカの角においても歴史的に中心を担っていたのがティグレを中心としてエチオピアの北西部であった。エリトリアとの国境であり、長らく政権の中心を担っていたティグレとの軋轢は非常に国の中心を揺さぶるような問題である2019年12月にアビイ首相はエチオピア人民革命民主戦線を解体し、承継政党として繁栄党を発足させた。この繁栄党の発足の結果、中核の一つであったティグレ人民解放戦線から除外されてしまった。コロナ禍において、2020年の春に予定していた選挙がコロナウイルスのため無期限で延期となった。連邦政府とティグライとの強い緊張関係が続き、結果、連邦政府を無視してティグライでは9月に州単位で選挙をしてしまう。11月に軍事施設への攻撃がきっかけで内戦状態になった。現在エチオピアで何が起こっているのかはよくわからない状態になっている。

次にタンザニア。与党革命党でマグフリ大統領が2015年に就任した。前政権下では大規模な汚職をしていた背景から、強い指導力を持って汚職対策を推し進め、情報統制や、野党の妨害なども推し進めている。今年5月、首都トドマのキリスト教会にて「神の恩恵で」新型コロナウイルスを克服したとする。マスクをつけていないことからコロナの脅威がさったと強調した。タンザニアは多くのアフリカの国々と同じ複数権威主義体制と言える。民主的な選挙と複数政党制という意味では正当性ではある一方、選挙実施過程に大きな問題があり、権威主義体制から抜けることができていない。2020年10月の選挙でも、野党の有力候補が選挙管理委員会から処分されるなどの動きがあった。予想通りに総選挙が実施されて、マグフリ大統領が圧勝した。通常はアフリカの選挙実施においては国際的な監視団に選挙監視されるのだが、コロナ感染リスクへの懸念から監視されなかった。選挙の信頼性に不安が残る。

アフリカにおいてコロナ禍での事例を紹介したが、アフリカで出てきている現象は別にアフリカ独特に見られるわけではない。共時的現象である。治安機構の暴力性、情報統制、民主主義の後退、新たな排除の論理。これらはアフリカだけでなく世界的に共通した現象を代表するかのように進行している。

ある種の閉塞感がある中で、コロナを契機にした新しい政治事象が出てきているのであろうか。

(文責:岩永淳志)

コメント(最新2件 / 25)

ito hiroka    reply

貴重なお話ありがとうございました。医療体制が脆弱とされるアフリカでのコロナの感染状況は、個人的には心配していたのですが、予想よりも押さえ込まれているようで安心しました。恐れるべきはコロナ自体よりもコロナによって外界(国際社会)と隔絶されてしまうことではないかと感じました。アフリカは民主主義の歴史が浅く、独裁のような既得権益層とそうでない人々の格差が大きい国が多いと感じていましたが、国際社会による干渉によってなんとか是正されようとしていたところを、コロナ禍の影響によって干渉がよわまり「ディストピア」化、民主主義の後退が促進されているのかと思いました。

mermaid592229    reply

ニュースでは見たことがあっても、アフリカの詳しい対策や感染状況などに関しては詳しく調べたことがなかったので、今回様々なデータや事例を用いてお話をしていただいて、非常に勉強になった。特に、コロナによって情報規制や貧困層の苦しい生活、政治上の対立や不正など、あらゆる問題が表面化していることはアフリカでも起きているのだと感じた。感染状況が当初想像されていたよりも酷い状況でないことはアフリカという脆弱性を持つ地域にとって幸いであったと思うが、貧困の問題、紛争の問題等、表面化する問題に対して国際機関等が介入することのできる機会が減ってしまった点は大きな問題であると思う。今後の情勢に注意するとともに、それらの問題を解決していく方法について私自身も興味を持って考えていく必要があると思った。

yasu1026    reply

講義ありがとうございました。
今回の講義を通して、アフリカ大陸におけるコロナの影響を深く学べました。コロナの病理学的な側面ではなく、どのように政治に影響するのか、どう権力者がこのパンデミックを政治利用する恐れがあるか(エチオピア・タンザニア)、日本とは違う地域で民衆がどう反応するのか、といったことが学べました。
この講義の少し前にアメリカで人気のトークショーのThe Daily Showにてアフリカがどうコロナ対策で世界を牽引しているのかというテーマを取り上げているものを見ました。(How Africa Is Leading the World in Corona Response | The Daily Social Distancing Show, Youtube や 公式サイトなどで見れます)この中では過去のエボラやHIVなどの公衆衛生の懸念から、エピデミック対処が迅速にできる体制にあったという点に注目していました。先生の講義の中でもこのような公衆衛生の問題をあげられて話していただいて、改めてCOVID-19対策はロックダウンをするしないでは当然収まらず、さまざまな社会的要素が絡み合った問題であると改めて認識しました。

spring1359    reply

興味深い講義をありがとうございました。個人的に印象的だったのは、アフリカでは感染症対策の経験が比較的多い為に意外と感染が抑制されているという事実でした。先進国の中には高度な医療設備が整っているにもかかわらずうまく活用できていない国もあるように思います。医療の運用、とくに小規模なコミュニティにおける感染症対策に関して学ぶべき部分があると感じました。また一方で、治安の悪化や情報統制、民主主義の後退といったある種の二次災害が生じており深刻であることを認識し、日本が他人事でなくなる日も来るのではないかと感じています。

1k_neru    reply

アフリカにおいては、医療技術があまり発展していないイメージがあったので、他の大陸に比べても感染者数推移を小さく抑えられているのは意外でした。そのことをHIVパンデミックなどの経験から早い段階で見越していた各国の指導者たちの対策が功を奏したのだなと思います。また、日本では緊急事態宣言まではあまり行動にまでは移せてなかったものの、アフリカの国々では上の指示した行動をしており、市民の意識が高かった事も大きかったのだなと思います。ただ、経済についてはもともと貧富の差が大きかったアフリカの国々においてさらに格差拡大の一途を辿ることとなり、直接感染することでの被害を縮小しても二次的に国家レベルの損失を負うことになるので、考慮の必要があるなと感じました。自粛要請と個人の自由の確保の問題はアフリカでの格差拡大だけでなく日本においてもバランスの難しい問題だなと思い、日本においてもこれ以上監視を強めて外出の必要な人に対する目を厳しいものにしてしまうよりは自分の感染リスクを自分で管理できるように各々行動していくべきだなと感じました。

mytm1187    reply

講義ありがとうございました。自分にとってはコロナが蔓延してからと言うもの、アメリカや欧州、韓国や中国といった近隣国のコロナの情報はよくニュースなどで耳にしていましたが、アフリカの状況がよく見えていなかったので今回の講義を通じて知ることができ、とても面白かったです。日本では警察に対する信用は確固たるものであるのに対し、アフリカでは警察すら信用性を持たないと言うのが驚きでした。また、タンザニアのようにコロナを利用した選挙不正と思しき事態が起こっていると言うことも初めて知り、とても衝撃的でした。民主主義は国一律の抑え込み政策がしにくく、感染拡大を抑えるのがむずかしいと考えていましたが、中央集権的な国家では感染者数を偽るようなこともおこると考えると国内が混乱したりするので、中央主権が感染収束に良いとも言い切れないのだなと思いました。

GFree59    reply

アフリカの情勢にそれほど詳しいわけではなかったため、新鮮な気持ちで今回の講義を聞いていました。Covid-19の世界的流行の中で、一次情報を発信する人の数が減少することによって事実かどうかを判別することがより難しくなっているように感じます。その意味で、エチオピアで行われている情報統制が行われやすくなっているのだろうかと考えました。社会的な背景の差異があるものの、アフリカにおける現在の社会の情勢と世界的に進むであろう将来の社会像に重なる部分があるという見解はある程度の説得力があるように思います。

minami373    reply

貴重なお話ありがとうございました。アフリカは日本から遠く、報道も少ないため、なかなかその実態に触れることがなかったので、コロナ感染症を世界規模で捉え直すことができました。アフリカにおいて、手洗いや三密を避けることといった遵守すべき対応がおおよそ為されていることには正直少し驚きました。ケニアでキャッシュレス決済が奨励されているというお話を聞くと、より一層アフリカについての知識不足を実感させられました。きっと多くの日本人のアフリカに対するイメージは、海外の方が日本には侍がいると思うようなものであることが多いのでしょう。また、若年人口の多さや多くを占める熱帯気候によって感染拡大(特に死者数)が抑えられているというのには納得しました。エボラ出血熱などを考えると、こうも先進国で流行したウイルスのみ騒ぎ立てて、アフリカから目をそらしていたのだなと思いました。
ちょうど講義があった日の朝日新聞の天声人語にエチオピアのアビー首相のことが書かれていました。「戦争を美化しようとする人がいるが、戦争は関わる人全員にとって地獄の縮図だ」そう語ったものの、現在も政府と人民解放戦線との間では軍事衝突が続く。しかし、それに失望を語るだけではなく、アフリカの現状ひとつひとつに目を向け、「自分ごと」として捉え直すことが大切なのだなと感じました。コロナ感染の現状を知ることは今最も身近に感じられる話題として、その一歩目になるのかもしれません。

mizutatsu0116    reply

私たちはコロナ問題について考えるとき、経済的打撃や感染拡大による医療崩壊だけに目を向けてしまいがちだが、アフリカのように政府や行政機関、経済が不安定な地域では違った側面での影響が見られるということを学んだ。
確かに感染者数だけを見れば、アフリカは他の地域に比べて、コロナ渦による打撃は小さいだろう。しかし感染者数が少ない=ダメージが少ないといえるだろうか。私はそうは思わない。例えば経済的に窮地に立たされた貧困層が店を襲撃するなどして、治安が悪化したり、GDPの減少によって貧困層が増えるといった問題は深刻だ。さらに外出規制を機に、警察が強権化し、警察による不当な暴力が増えれば、警察をはじめとする行政機関への信用は失墜する。またタンザニアのように、選挙に向けて情報統制を行い、タンザニア国内の感染状況の不確実性を利用し、国際機関による選挙監視を回避して選挙を強行したことは、選挙への信頼性を脅かし、民主主義を揺がしかねない事例だろう。
ただ感染者数や経済への影響を意識するだけでなく、多角的な視点からコロナ渦が及ぼす影響について考察してみたいと思った。

Polaris_737    reply

先日は、大変興味深い講義をしていただき、本当にありがとうございました。先生の講義を拝聴して、自らの傲慢と無知を恥じる気持ちでいっぱいになりました。というのも、今まで自分は無意識のうちにアフリカを感染症対策や医療の面ではかなり遅れた国であると認識してしまっていたからです。連日報道される、アフリカでの様々な感染症の蔓延や十分な医療が受けられないまま亡くなっていく幼い子供たちの姿を見る中で、自分の中では無意識にアフリカの医療体制への偏見が芽生えていってしまいました。このような、不正確な知識で、現地の人々の努力も知らずに勝手な偏見を抱いてしまうことは、極めて問題のあることである、というのは以前から認識していたのにも拘らず、自分も無意識にそちら側に回ってしまっていたということを大変怖く思うとともに、深く反省しました。
また、ロックダウンが極めて有効に作用した、というお話がありましたが、今後様々な本を読んだり様々な人のお話を伺ったりしていく中で、「アフリカではなぜロックダウンを早期に迅速に行うことができたのか」という疑問に対してこれから自分なりの様々な答えを見つけていこうと思いました。

kohei8192    reply

テレビ等では、国内やアジア、欧米の状況についての報道はあっても、アフリカの感染状況、政策対応について知る機会はほぼないので、アフリカの対応がかなりうまくいっていることは初耳で、驚きだった。テレビを垂れ流すだけの受け身的な態勢でなく、主体的な情報集めの必要性を感じた。ポリオやエボラ出血熱による経験値の、アフリカの対応への寄与を考えると、それらの感染症を対岸の火事のように見ていたことを反省した。

aim180    reply

タンザニアの選挙の話にアフリカに特有のコロナパンデミックの怖さを感じました。感染者数が全く更新されていない中で選挙を迎えるというのは驚くばかりです。ですが、コロナ禍は貧困問題のあるアフリカで特に猛威を奮っているというわけではなく、逆に比較的医療体制の整った欧米諸国で感染爆発が起きていることも、この話で意識すべきポイントであると思います。特定地域に絞ってパンデミック状況を知り、同じ災害が異なる環境においてどのように被害をもたらすのかを考えることに面白さを感じました。

yjiro1638    reply

コロナによる影響が日本とアフリカではこうも違うのかと、新たな視点がこの講義を通じて得られたように感じました。特に行政への影響は日本の中では今まで考えもしないことでしたが、今後日本でも似たような問題が発生しないとも言い切れないのではないかと感じました。また、いわゆる「先進国」と「発展途上国」の(イメージの中での)差異というように単純に考えてしまうことが不適切だとも思いました。先進国ほど医療が発達していて、感染も抑えられると考えてしまいがちでしたが、アフリカでも様々な経験から感染症対策が比較的うまくいっているという事実は、よく考えてみれば当たり前なのかもしれませんが、固定概念にとらわれてしまうと見えにくいものでした。今後世界全体で各国の感染症対策がしっかり共有されてくると、いろいろな発見があるのかもしれないと思いました。

Ugetsu5    reply

権威主義の広まりといった社会・政治的背景が影響した部分はあるものの、寄生虫への対応といった医療の遅れがしばしば論じられているだけに、アフリカでのコロナ対策のスムーズさは意外であった。コロナ禍を利用した政治動向(エチオピアでの選挙延期・タンザニアでの監視の無い選挙)があるということであったが、内部から変えていくことが困難であることを考えるに、対岸の火事と思わずに海外からブレーキをかけていくことが必要ではないかと感じた。コロナに限らず、未対応の寄生虫の問題(利益の悪さから先進国の製薬会社が薬品を作らないことなどによる部分)であったり、(先進国との垂直的な)経済問題を抱える地域
であったりはするので、アフリカに今後も注視していく必要性を感じている。

cf1133    reply

貴重なご講義をありがとうございました。アフリカでコロナ感染の問題が深刻だという話も聞くことはなかったし、自分とは関係のないことだと思い、知ろうともしていませんでした。知っていたとしても、感染者は多くないから心配ないだろう、くらいにしか感じなかっただろうと思います。また、アフリカで行われている感染対策の話を聞き、アフリカは医療において遅れた地域だという先入観を抱いていたことにも気づかされました。
コロナを利用した選挙不正や情報統制が行われているという話も非常に衝撃的でした。ただ感染者数を見て影響力を推し量るのではなく、政治・経済・社会といった様々な面から考える必要があると感じました。

LP37    reply

様々なデータを用いたわかりやすい講義をしていただきありがとうございました。
アフリカはかなり感染の拡大が深刻なのではないかと勝手に想像していたので、自らの無知を恥じるとともに、アフリカで今までに起きた感染症拡大の事例を先進諸国はもっと参考にして拡大を抑えることができたのではないかとも感じました。感染拡大を抑えるためには各人の良識に頼るだけでは不十分で、ある程度の制限やメディアのコントロール(フェイクニュース、偏向報道対策など)は残念ながら必要になってくると個人的には感じるのですが、これは情報統制や民主主義の後退など非常に大きな問題を抱えており、Covid-19感染拡大対策の難しさをひしひしと感じました。

musashi1825    reply

アフリカで医療の脆弱性が指摘される中、さほど感染爆発になっておらず、一定の押さえ込みができているという事実の理由に、これまでの様々な感染症の経験があることは非常に興味深いなと思いました。
日本と比べてみると、日本はSARSやMARSの時も大陸から海を隔てているが故に、さほど大きな被害は出なかった記憶があります。日本はこの海に囲まれているという環境が、日本を医療先進国でありながら、感染症対策後進国になってしまっている要因になっているように思いました。

nori1121    reply

講義ありがとうございました。今まではコロナウイルスの感染状況について、日本、欧米諸国を中心とした先進国、中国といった国の状況ばかり注視してきました。アフリカやインドの感染者数をニュースで見ても、人口多いし医療体制も不十分だから感染拡大が抑えられていないのだろう、くらいのぼんやりとした感想しか抱いていませんでした。しかし、講義を聞いて、認識を改めさせられました。医療体制が不十分なのは事実ですが、アフリカで感染が予想以上に抑えられていると聞いて驚きました。アフリカにはアフリカ独自の経験値があり、コロナの例だけでなく、アフリカから学ぶことは多くあるのではないかと思いました。また、エチオピアの例から、コロナが及ぼす政治的な影響ももっと深刻に考えなければいけないと痛感しました。
アフリカにおける民主主義の交代などの予期せぬ二次災害を予想し、自身の行動、進路についても考えていこうと思います。

kou0907    reply

日々のニュースでは、アメリカやヨーロッパ等の先進国のパンデミックしか報道されていないのでこのようにアフリカのお話が聞けるのはとても貴重だった。感染者数だけみれば医療体制が比較的整っている先進国より、あまり整っていないアフリカの方がコロナ対策がうまくいっているように見えるが、実際には経済的側面を二の次にしたためであることを学んだ。経済とコロナ対策を両立すべきか、経済を後回しにするべきか、どちらが正しいのか、より良いのかわからないが、やはり先進国はコロナの感染を抑えたアフリカを称えて援助していくべきだと思った。

ultra100    reply

連邦国家エチオピアのティグライ州における、TPLFと政府軍の対立の事実や、選挙の延期など、緊張関係が続いていることを知った。ニュースなどでは、ノーベル平和賞の首相が空爆命令のように書かれていて、何を平和と定義するかは難しいところだなと思った。アフリカにおける紛争が原因で、食糧問題につながっているケースもあるから、そういう意味でも紛争は良い形でおさめなければならないと思った。アフリカにおけるCOVID-19は、対応がうまくいっている現状から、今後ワクチンなどが普及する未来において、先進国とどのような違いが生まれてくるのかも興味深い。

yuki28    reply

新型コロナ関連のニュースで自分が目にすることが多いのは日本と欧米の話で、アフリカについては全くと言って良いほど知らなかったのでとても興味深かった。他の感染症流行の経験が今回のパンデミックでも役に立ち、感染拡大防止につながっているという話は驚きだった。その一方で民主主義の後退や市民への弾圧が進んでいることがわかり、感染者増大以外にも問題があることを再認識させられたし、そういったアフリカで起きている問題についてのニュースに関心を持っていなかったことに反省した。民主主義の後退や市民への弾圧は、日本でも起こりうることなので関心を向けるべきだと感じた。

TS34    reply

アフリカについてフォーカスしたようなコロナのニュースはあまり見た覚えがなく、個人的にアフリカのコロナ対策について調べるということもなかったので、今回の授業で色々な新情報を得られてとても有意義な授業でした。アフリカは医療を始め様々な技術が発達していないイメージがあったのですが、比較的早い段階から徹底的な対策をしていたというのはとても意外でした。しかしコロナの感染の防止はある程度できている一方で、紛争などアフリカが以前から抱えていた問題に対して他国が介入、援助を行うということがしにくい状況になってしまったことは大変危機的であると感じました。特に、アフリカでは本来紛争などの地域の問題を解決する立場である警察への信頼が低く他国の介入なしにこのような問題を解決するのは困難であると感じられるので、社会情勢的な観点からもコロナの感染の封じ込めにより一層力を入れていくべきだと感じました。

somanypeople    reply

日本のニュースでは外国の感染状況についてあまり見なかったし、そのような情報は自分でわざわざ調べないと手に入らないので、今回アフリカにおける感染状況についての話は非常に興味深かった。日本とバックグラウンドが違うので同じコロナ禍でも当然状況が違った。例えばウィルス対応の経験値はアフリカでは高く、感染対策では比較的成功しているようだが、警察や政治的な組織が暴力的になったり排除的になったりしているようだ。このような事実を知って日本も他人事ではないと思った。確かにコロナ禍では感染対策が第一になり政治に対する監視も甘くなるように感じるし、政府の出すコロナ対策に関する指示にはあまり理由が分かっていなくでも従順になってしまっている。アフリカとは状況が違うが、それでも通じるところはあるので注意すべきだと思った。

kamiwafu8746    reply

日本ではなかなか報道でみることが少ないアフリカとコロナウイルス関連の実証的なデータをみることができて新鮮であった。特に政治的な話は興味深かった。私は、一体化が完成して世界が密に結び付いているなかで、コロナ禍が直接的に物資や援助などの結び付きが発展途上国に届かなくなったり、間接的に自国中心の観念が蔓延して困窮地帯が切り捨てられるなどの懸念があると感じている。

taki3    reply

アフリカでのコロナの現状を確認でき、とても興味深く思えた。特に意外に思ったのは、感染症対策が民間に受け入れられていることだ(マスクやうがいなど)。また、国によって対応が大きく異なっていることも当たり前ではあるが、つい見落としてしまっていた。南アフリカとエチオピアとの比較などをすると非常に面白そうである。また、選挙とコロナの関連という発想を持ったことがなかったため、非常に興味深く感じた。自国の鑑としてアフリカを振り返ることが必要だと感じ、自身でもまた調べてみようと思う。

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