ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第10回 12月09日 阿古智子

国家安全と民主主義の相克―新型コロナウィルスと香港問題を通して考える―

新型コロナウィルスへの対応に関して、情報の公開や共有を遅らせた中国政府の初動に非難が集まったが、言論統制や権力濫用のリスクは、民主主義国家においても常についてまわる。メディア、市民、専門家の相互監視の目を強め、公文書を適切に管理して情報公開を進められるよう、言論の自由を守り開かれた討議ができるよう、私たちは市民活動を活性化させ、政府や関係組織に働きかけなければならない。子どもたちが自由に考え、表現し、市民としての責任を果たすことができるよう、教育環境を整えることも重要だ。ビッグデータの時代、強大な影響力を持つアクターが世界の「監視社会化」のイニシアティブを取ろうとしている。本講義では、国家安全と民主主義の相克について主に香港問題を通して考える。

講師紹介

阿古智子
東京大学大学院総合文化研究科教授。在中国日本大使館専門調査員、早稲田大学准教授などを経て、2013年より東京大学准教授、2020年より現職。主な著書に『貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告』(新潮選書)、『超大国中国のゆくえ―勃興する民』(新保敦子と共著、東京大学出版会)、『東アジアの刑事司法、法教育、法意識:映画『それでもボクはやってない』海を渡る』(石塚迅、山崎直也と共編著、現代人文社)、『香港 あなたはどこへ向かうのか』(出版舎ジグ)など。
授業風景

2020年度第10回学術フロンティア講義では、12月9日に東京大学大学院総合文化研究科教授の阿古智子先生にご登壇いただき、昨今の主に香港に関わる中国情勢についてお話しいただいた。コロナ禍で国内の問題が論じられる中で、海を挟んだ隣国が根幹から変わろうとしている現状についてお話しいただいた。

まず最初にコロナ禍の中国では何が起こっていたのかについて時系列にそって確認した。昨年の12月にはSARSに似た感染症の症例が見られることを武漢の医者が発信していた。しかし、その医者は発信の直後、病院の監察課に事情聴取され「不確定な情報を流布した」ことで反省文を欠かされる処分を下された。民衆の不安を煽るような情報は厳しい規制が行われています。

同じ病院に勤める別の医者も内部告発をしている。この人も病院の監察部門から厳しい叱責を受けた。その後、感染症の流行という形で2人が正しかったことは明らかになったが、本人たちは「あの時にもっと声をあげるべきだった。尋ねられた全ての人に話し続けるべきだった。」と雑誌のインタビューに残している。しかし、そのインタビュー記事はすぐに削除されてしまった。ネットユーザーたちは検閲に引っかからないようにインタビュー内容をあらゆる言語や、QRコード、モールス信号などで拡散し続けたが、インタビュー記事に対しても厳しい規制が加えられている。武漢市在住の作家、方方は「方方日記」で封鎖下の武漢での日々の暮らしや政策について「非常事態の日常」を記録した。その内容はSNSで発信されたが中国国内では出版できず、アメリカで英語版が発行されると売国奴と国内では批判された。さらに、方方を賛同した教授は教職資格を剥奪された。最初に反省文を書かされた李文亮医師は自身も新型コロナウイルスに感染し死去した。死後1ヶ月たった時に、「烈士」として名誉回復した。

香港ではSARSの経験を生かして1月から緊急事態体制になっていた。しかし、中国本土と陸路で繋がっており、中国本土からの流入が止められなかった。マスク不足が深刻化し、医療従事者を中心として、中国との関係を気にする政府への批判が高まった。昨年から起こっていた民主化運動に積極的であった「黄色」のグループは率先してマスク調達を行った。「黄色」のグループのうち、国家安全維持法の施行を前にデモシストは解散となった。デモシストのリーダー格である黄之鋒は香港人権民主主義法案について、欧州や米国でロビー活動を行っている。去年の夏、ニューヨークタイムスにも意見広告を提示しているが、それに対しても政府系の新聞では「新世代の売国奴」であるとして、「香港の未来を危険な賭けにさらそうとしている」と攻撃的な言論で口撃されている。

中国政府は若者に民主化運動への共感が広がることを極度に恐れている。香港を讃える歌を歌うと逮捕される現在の香港に対する批判として「あつまれ動物の森」に活動の場を見出した。黄之鋒が「理想の社会をゲームの中で実現できる」と主張した次の日には、突如香港では「あつ森」が買えなくなってしまった。

一方、台湾は早い段階でマスクを調達して配布している。国内供給だけでなく海外にもマスクを供給している。IT担当大臣はマスクの在庫一覧システムを作る情報を民間IT企業に後悔し、国民の力を借りながらマスク配布の効率化を達成している。台湾が重視していたのは国民との対話、多様性の確保である。国民の声を逐一聞いてアクションに移すことが感染拡大対策に有効に働いている。中国のような監視社会によるコロナ封じ込めにたいして、台湾の封じ込め方は、コミュニケーションを重視した上で、マスクの調達などは国民が「便利に」できるように情報技術を活用している。

国家安全について、コロナ禍は国の危機である。危機に直面した時にどう立ち向かうか。コロナの危機に国民と立ち向かう、という大義名分にぴったりな状況なのだ。環境破壊や宗教も含めて集団訴訟自体が国家の安全を脅かすとして訴訟させないような圧力がかかっている。国家安全維持法が香港でも施行された。本来は治安維持については香港国内で決めるという決まりだった。6月30日に中国の全人代が勝手に、立法会を迂回して「外交と防衛に関するもの」として「国家安全維持法」が施行された。ねじ込むような形で制定されたのだ。民主派議員が英国に亡命された時に銀行口座が全て政府によって差し押さえになっている。今後は「クラウドファンディング」に違法性が適用される可能性がある。中国政府の法解釈が今までとは違うものになっている。

一枚のイラスト、警察が紫の側をあげている。「捕まえるぞ」という警告である。対して学生は本来は白い紙にメッセージを掲げる。しかし、抗議の口も封じられて今や白紙を掲げることしかできなくなってしまった。教育局は国家安全法に関わる教材や香港の歌を歌うことを禁止した。人民解放軍のコスチュームをふんだんに用いたデザインになっている。警察の力の使い方が正しかったのかも検証されていない。

国際関係として、中国が国際社会で躍り出たいという思い、アメリカへの焦り、アヘン戦争で割譲された香港という場所へのこだわりなど、香港問題は一筋縄では行かない。一国二制度に基づき高度な自治を認めて一定のルールに沿って国際社会との協調を模索していたはずだ。中国は政治的に厳しい引き締めを続けている。一国二制度の50年の歴史も破られている。中国国内の経済成長の鈍化で不安定な状態になっている。

コロナ禍で世界が大きく変わっている。民主主義の揺らぎが起こっている。香港では一国二制度は事実上終わってしまった。「高度な自治を求めている」という主張に対して、中国政府は「過激な独立派」と断罪することで大きなギャップが広がっている。大学で自由に研究できなくなり、調査報道のケーブルテレビでリストラが突如執行され、経歴にデモ活動が残ることが大きな十字架になるかもしれない。

アメリカや日本の混迷を槍玉に挙げて、「民主主義は悪い仕組みである」と中国の現体制を強調する人もいる。しかし、民主主義がなくなるとき、弱者が見向きされない格差と力を持つものの都合で不合理が生じてしまうだろう。大きな動きに対して一人一人がどうあるべきなのかが求められている。

こういった現状を踏まえて、日本がどうしたいのかを考えるべきではないだろうか。日本の外交で制裁を課すということはあまりされない。アメリカの中国への制裁についても慎重に検討する必要がある。制裁があっても、中国の強硬的なやり方は通ってしまっている。中国については情報をコントロールする力が危険である。外の世界が見えていないので政府の問題に気づけない状況の国民が一定数いる。情報を制している中国は今後も力を持ち続けるだろう。国際社会がもっと強調体制を組み、ルールを破ったことについては許さないという姿勢を持つべきである。香港への声明を書いた時に、香港にいられなくなった人たちを日本に受け入れて、犯罪操作に強直する協定を破棄するべきだと書いた。日本の司法、治安体制と、香港の司法。治安体制はもはや国際的な人権に背いたものになっている。

周庭さんは「日本の人たちは投票する権利や様々なことを主張する権利を持っているのに何故それを大切にしないのか」政治がこれだけ迷走しているのによく何も言わないなという義憤はある。阿古先生が教えられている大学院の学生は中国人学生の方が多い。そんな中国人の学生たちが「香港の研究」を中立的に、学術的に判断している。

香港人も経済的な事情、親戚関係者、中国と行き来している、精神的に難しい状況に立たされている。

阿古先生は、研究者として見るべきものを見て、日本人として、香港の人、中国の人の友人として、様々な立場で意見を表明こと自体が非常に難しい中で、それでも研究者としてあるべき姿を学生に見せる阿古先生の堂々たる講義であった。

(文責:岩永淳志)

コメント(最新2件 / 25)

spring1359    reply

興味深い講義をありがとうございました。中国における民主主義のほころびは以前から見られたことではありつつ、コロナ禍の中でさらにそれが拡大しているような印象を受けました。国家安全維持法施行後の香港の様子を詳しく伺って、インターネットでの発信のような香港の人々のプライベートな領域まで自由ではなくなることや、人々の考えや価値観の根本に影響を与える教育の分野が中国寄りになることがとても恐ろしいと感じました。しかし、これが香港の人々をかわいそうに思うというような他人事の、特殊な出来事として捉えるだけでなく、いつ失われるかわからないわれわれ自身の民主主義、自由についてしっかりアンテナを張るためにも深く考えるべきだと思いました。

mytm1187    reply

講義ありがとうございました。香港のデモの様子はよくテレビで見ていて、警察の酷さに絶句してしまいました。自分の身の危険を顧みず果敢に抗議を続けた香港の方達の努力が報われることを願います。日本人の若い人たちも政治に対する意識を上げてもっと積極的に不満に対して声を上げたり、選挙で意思を伝えるべきだと思いました。
また、言論の自由があると言うことがいかに大切なことであるかを実感しました。間違っていると思うようなことに文句を言っただけで逮捕されるのはとても恐ろしいことだと思います。国による情報操作が行われていると言うのも洗脳のようで恐ろしいことだと思います。
中国は現在アメリカやイギリスの政府からかなり非難を受けていて、資産凍結などの経済制裁も行われており、国家としての信用を失いつつあると思います。中国がコロナ後の世界を牽引するうえで、経済的には申し分ないほど大きな国になりましたが他の国との信頼関係が大切であると言うことも念頭において、中国政府が香港に対してするべきことをしてくれればと思いました。

mermaid592229    reply

普段ニュース等で見聞きするものの、周囲の人と深く議論したりする問題でなかったが、今回の講義を通じて改めて概観を掴むことができ、深く考えさせられた。中国に限ることではないが、同じ人間であるにも関わらず、生まれた国によって持つことのできる権利が異なっているのは明らかにおかしいことであり、今後も国際社会が最も重視していくべき問題の一つであると感じる。一方で、コロナも一つのきっかけとして、リーダーシップをとることのできる国が少なくなっており、国際社会の分断が進んでいることも問題であり、講義の中でおっしゃっていたように、国際社会として協調してこれらの問題を解決していく必要があると感じる。また、日本人の若者の政治離れの問題に関する観点についても改めて考えさせられるきっかけになったし、コロナウイルスによってより若者の政治への関心が失われていっていると感じている。私自身もこれまでは議論に参加することはあっても、自分から公の場に意見を発信していくことはしていなかったが、今後は発信力も大切にしていこうと思った。

LP37    reply

熱い講義を聞かせていただき、本当にありがとうございます。
目の前で香港の民主政治が奪われ、自分は何も出来ないどころか香港の国内法に過ぎないはずの国家安全維持法に怯えて行動しなくてはいけないという現実をとても悔しく感じています。また、市民や海外の人の基本的人権を奪うこれほど大きな問題であるにも関わらず、中国との関係を考慮して弱腰の各国政府にももどかしさを感じます。ただ幸いなのは全ての中国の国民が中国共産党の考えに賛同しているわけではなく、中国や香港の人々の中には民主主義がまだしっかりと生きているということです。人は死んでも他の人の心の中で生き続けると言われますが、香港や台湾、あわよくば中国においても、人々の心の中で民主主義や基本的人権が受け継がれ、いつの日か民主主義を取り戻せる日が来れば良いと切に願います。果たしてそのために如何なる行動をすれば良いのか見当もつきませんが、私に出来る最も簡単かつ大切なこととして、民主主義の大切さを噛み締め、香港や台湾を応援する気持ちを持ち続けていたいです。

1k_neru    reply

国家のために個人の発信を制限すると、一時は責任や弾劾を逃れられるかもしれないが、最終的には明らかになることであり今回のパンデミックのように手遅れになってしまう場合もあるので、中国に関して、やはり自由な発言・発信が許されるような国家運営を目指して欲しいなと思いました。香港についても、中国当局の要請で完全な封鎖ができずコロナの流行を許してしまった、民主的勢力の海外市場やゲームなどを用いた工夫も封じられてしまったという状況で、中国からの圧力を脱せるような動きが期待されるなと感じました。お話頂いた通り、民主主義は経済的、行政的な微妙なバランスの上に成り立っているという面はあるけれど、その維持の不可能性を仮定して社会主義的な行政を行っていると今回のような悲劇を助長するので、現代的な政治体系を築く努力をして欲しいなと感じました。

mizutatsu0116    reply

日本でも香港の民主化問題について報道で取り上げられていたので、その存在は知っていたが、遠い国の話のように、自分達には関係のない問題としてみていた。しかし自分達と同年代の学生たちが自由を求めてデモを行ったところ逮捕されたという話や、教育現場にも国家安全維持法の影響が及んでいること、ネットでの発言にも監視の目が及んでいることは基本的人権を侵害する大きな問題であり、見過ごすことのできない動きだと感じた。また国家安全維持法は海外の人も処罰の対象になり得ることに衝撃を受けた。もはや人ごとではなくなっており、世界中の人々の基本的人権が奪われる事態に発達する恐れすらある。早いうちから国際社会が声をあげ、中国の行動を牽制する必要があると思う。現在台湾が狙われていることも懸念する。これ以上中国の行動がエスカレートしないよう、国際社会は監視していく必要がある。
また選挙権があったり言論の自由があることは、日本に住んでいると当たり前のことに感じてしまうが、常にそうした自由は奪われる恐れがあるのだと知った。私たちの人権を守るためにも、日頃から政治に関心を持ち、参加することは不可欠だと感じた。

ultra100    reply

今回は特に香港や中国に注目して話を聞けて、その中で一番思ったことは、言論の自由が奪われるほどつらいものはないだろうということだ。自分が発信すべきだと思ったことを発信できる環境になかったり、発信したら処罰されてしまったり、まわりがなんとか工夫して伝えようとしたり、不自由なことが多いと国民は人権というものを感じられなくなる。単純に制裁・弾圧を繰り返す政府や警察を怖いと思ったし、香港の一国二制度の終焉もあり、なんとか制限なく意思を発揮できる場をつくることを考えていかなければならないと思った。

kamiwafu8746    reply

コロナ禍のなか、情報公開を行わない大国の存在が世界に与える影響が顕在化した。感染症問題は今や一部地域にとどまらない現象となったいま、国家権力のあり方が世界中の人々の暮らしを左右しうるということは考慮していかねばなるまい。

minami373    reply

新型コロナウイルスにまつわる出来事とこれからの社会との繋がりが良く分かる講義でした。ありがとうございました。中国はこれだけ距離が近い国でありながら、どこか遠い話だと考えがちであったと反省しました。日本でだって政治に無関心な人が増えれば、民主主義が危うくなるかもしれない。そう考えることは何もおかしなことではないのだなと思いました。
手遅れになる前に意識しなければならない、ということで一つの物語を思い出しました。フランスで出版された物語「茶色の朝」です。日本版では第6回の講義を担当してくださった高橋先生がメッセージを書かれています。この物語では「茶色」を強制する政府とそれに初めは違和感を覚えながらも「茶色に守られた安全」に甘える主人公が描かれています。結末は言うまでもなく、決してハッピーエンドにはなりません。何か行動を起こすのは大変でも、関心をもつことなら誰にでもできる。だからそれは今すぐに始めるべきだと、今回の講義とこの物語を重ね合わせて感じました。

kohei8192    reply

ウイグル人弾圧とか、SNS監視とか、負の側面の報道のイメージが強く、中国について「1984年」のディストピアのようなイメージを持っていた部分があった。しかし、李文亮医師の主張の正しさを認めて、記事が削除される中でも様々に形を変えて伝えようとする人が多くいたということを知ることができ、中国に対する心理的距離が縮まった。
経済的なつながりさえあれば良いわけではないという言葉が印象的だった。権威主義の台頭は、国際的に民主主義の空気を保つことで防がなければならないが、日本の課題は「政治的発言をすると白い目で見られる」という雰囲気だと思う。

Tetsuya1221    reply

この講義で香港の実情に恐怖を覚えました。
民主主義がしっかりと働く状態にしようと思った時、つい抜本的な方法をと考えがちですが小さな修正や一人一人が意識を変えていくことが大切であるとこの講義を通じて実感しました。
 一方で理想的な民主主義のあり方自体も漠然としてが当たり的なものになりすぎていると思います。具体的に何がどうなれば理想的と言えるのか、その共通認識が一般に形成できていないと思います。現実においては利益の問題が絡み非常に複雑になってしまいますが、政治的な立場に囚われない目指すべき理想を再び議論して定義し、それを提案していくことが重要ではないかと考えました。

ito hiroka    reply

コロナ禍に乗じて強権的な支配により、一国二制度の根幹を揺るがそうと目論む中国と、それに翻弄される香港の現状の話、興味深く聴かせていただきました。沖縄とアメリカ軍の関係のような、コロナ対策をしたくとも国境などを自由に管理しきれないもどかしさを感じました。少しでも体制崩壊につながるタネ、特に独立に絡むものを徹底的に排除しようとする中国当局の現在の姿勢は、戦前日本やナチスドイツを彷彿とさせ恐怖すら感じます。少しでも民主的な、すべての人の基本的人権が守られる国になるよう、私達が声を上げて行かなければならないと感じました。
香港では国家安全維持法が施行され、もはや一国二制度は崩壊しているとお話を頂きましたが、それは何も香港に限ったことではなくて、台湾・韓国・ひいては日本に至るまで、将来的に同様な形で中国からの圧力を受けることは十分ありうると思います。そのような事態によって民主主義の原則が脅かされたとき、今の香港市民のように自分たちの主権・基本的人権を求めて声を上げられるか、僕には自信がないです。幸い現代はSNSで誰しも情報を発信できるですから、身近な政治の話題について少しずつでも意見交換していくことが大切だと思いました。ありがとうございました。

GFree59    reply

近年の世界情勢をニュースなどを通して見ていると、中国の影響の増大とは別に、本来の(あるいは本義的な)民主主義体制がうまく機能しなくなってきているように感じます。人権の上に立脚している民主主義の低迷の中で、人権を無視した中国の施策を国際社会が止めることが難しくなっている現況にはただただ憂うばかりです。

yjiro1638    reply

今回は中国を中心としたコロナ禍における現状、および民主主義について多くのことを学びました。特に香港のデモやそれにかかわることについては、お恥ずかしながらメディアを通した情報(それもほんの一部分)しかもっていなかったですが、今回の講義ではよりリアルな話を聞くことができて、心揺さぶられるものがありました。僕を含め、現代の日本人は民主主義を「勝ち取った」という感覚が薄く、あたかもそれが普通のように、いや意識しなければ気が付かないようなものとして考えてしまいがちですが、これでは、いざそれが脅かされている際に声を上げることができないのだと思いました。また、中国からある意味人権侵害のようなことを、日本人その他外国人が受けているというのは、自国内のことだけを考えていては気が付かないものなのかもしれないと感じました。日本ではなんとなく、政治的な発言をすることがタブー視される傾向にあるような気がしていますが、それでも僕たちは学生その他さまざまな立場以前に一人の人間であり、幅広い現実を知っていくだけでなく、それを発信していくということの大切さを強く感じました。

yasu1026    reply

講義ありがとうございました。
今までのこの科目の講義の中でもトップレベルに今までの様々な疑問が解決した講義でした。現代のニュース、特にネットベースのものではソースが明確にされていなかったり、すぐ政治的な発言だと「陰謀論」のようなレッテルが貼られがちになってしまい、たとえ情報が真実であっても、報道源がちゃんとしていてもどうしても懐疑的に捉えてしまう癖がついてしまっている気がします。日本人という中国国内の問題に対して外部からどう見えて評価するべきなのか、どのような意見を持つべきなのか。このような考え方と共に、中国国内の人がどのような立場に置かれて、国内の人がどう評価しているのか。2つの視点両方に適切に触れることが問題の解決の糸口であると感じるものの、自分と自分の国を客観視するということ、特にhomogeneousな日本においてはこのことがとても難しく、自分の民族以外にしっかり向き合ったり、危機意識を持つ、共感しようとする精神を育むのが難しいと感じます。そんな欠点に対しても一歩ずつ社会としてそして我々が社会の一員として格差や不平等、人権侵害や違法統治などに対して毅然とした態度で改革を求めていく姿勢を持って日々を過ごしていくべきだと改めて感じました。香港問題などは対岸の火事ではなく、同じアジア太平洋地域に属する日本にももしかしたらいつか降りかかる災であるのかもしれないという心構えでいるべきと思いました。

cf1133    reply

貴重なご講義をありがとうございました。李文亮氏や香港でのデモに関するニュースは非常に印象に残っておりましたが、決して中国だけではない問題だということを改めて認識しました。権威主義体制の方が感染対策をコントロールしやすいと考える人もおり、世界的に民主主義が脅かされているからこそ、一人一人が意思を持って政治に働きかけていく必要性があると感じました。

morita1016    reply

50年間は「一国二制度」の維持を保証すると約束しておきながら、中国はそれを無視して香港に圧力をかけ続けている。日本の隣国で大きな問題が発生しているのに、この問題について関心を持たない人が多すぎる。自分自身、香港問題に関する知識が薄くて反省しました。ありきたりですが、まずは一人一人が関心を持ち、何が起こっているか認識することが、国際社会からの支援を必要とする香港の問題を解決することに近づくと思います。

somanypeople    reply

中国はコロナも先進国の中でいち早く克服したので、トランプ政権で暴走するアメリカに代わって世界のリーダーになるのではないかとぼんやり思っていたが、ここまで暴力的に国民を弾圧し人権を侵害するような政府だと言うことを改めて感じ今は非常に危険な状態だと思った。中国政府の暴走は、香港の弾圧を見てもますます止まらなくなる勢いである。今後この状況が話し合いなどで良い方向に進むとは到底思えない。現在中国では政府への不信感が高まっていることには間違い無いだろうし、どうぶつの森などの例でもそうだが現代では弾圧されてるとはいえ、国民が意見交換し団結できる方法がどんどん見つかっていて、これは政府が制御しきれないことであると思う。このまま政府の暴走が止まらず、人々の不信感が募っていくなら近いうちにテロ行為など大規模で人の命が脅かされる事件が起こる可能性が高いと思った。

TS34    reply

 コロナ禍での感染拡大防止のための安全管理という名目で、中国が香港の民主化運動をを阻害するような政策を続々と打ち出していることに大変驚きました。三権分立が確保されず裁判での判決も行政の顔色を伺うものである上、SNSや創作物など表現の自由が担保されるべきであるはずの場でも当局が目を光らせており少しでも中国政府に対する反抗や批判の意と取れるようなものは削除したり、その投稿者に法的に罰を与えたりするという状況は、民主主義とはかけ離れており人権侵害も甚だしいと感じました。
 グローバル社会における中国の影響力の大きさを考えれば中国の近隣諸国への干渉がこれから強まる恐れは否めない一方で、日本のすぐ近隣でこのような事態が起こっているのにもかかわらず日本政府は中国に対して強気に出れず、その上国民の政治への関心も低いので、まずはこの香港が抱える問題を他人事と捉えるのでなく国全体として危機的で異常な事態であると認識することから始めるべきだと思いました。

yuki28    reply

新型コロナウイルスに対する中国の対応や、香港の民主派弾圧など、日本でも話題になった話が多かったが、ニュースなどで断片的に知っているだけだったのでとても興味深い講義だった。香港の民主化運動への弾圧については、日本など他の民主主義国家が民主化を求める人々の声を聞き、中国の非人道的な行いを批判するべきだと感じた。また、新型コロナウイルスに関する正しい情報を隠蔽したことは現状のような世界的流行につながった一因であると思った。ただ、この話に関しては中国に限らず他の国でも起こっていることで、日本でも不正確な情報が広まるなど政府や各自治体から出される情報が必ずしも正しいとは言えないので、普段から批判的に捉えて鵜呑みにしない必要があると感じた。

nori1121    reply

講義ありがとうございました。歴史の授業や日頃のニュース等で香港と中国の問題については理解しているつもりでしたが、このような惨状になっているとは想像していませんでした。特に国家安全維持法の内容は、現代日本に生きる私の価値観からしたら到底許せない横暴なものであり、先生の意見に大きく賛同しました。自分も含めて日本人の政治に対する無関心が問題となっていますが、今回、コロナウイルスをきっかけとしてこのような香港問題の重要性が浮き彫りになっており、日本国民の知識・関心も広がってほしいと思います。前回の遠藤先生によるコロナとアフリカについての抗議でも出ていたように、コロナウイルスによって民主主義が脅かされつつある、というのは大きな問題であると思います。それに対する打開策として、私はオンライン・ネット・SNSの活用があると思います。講義やデモ、選挙すらもコロナを盾にして規制されつつありますが、オンラインでは規制しづらいのではないでしょうか。香港問題に対して声を上げる日本人、香港市民、そして中国国民が増えることを願っています。

1mae61    reply

日本人の政治的関心の薄さに対する警鐘は何度も耳にしていたが、この講義ではよりリアルに危機感を感じることが出来た。講義の終盤に自分が情けなくなり、香港の人々への同情から先生と同じように涙が出ていた。若者が政治に無関心でいられるのはある種の豊かさではあるかもしれないが、その豊かさは未来からの前借りなのではないだろうか。自分の未来が豊かであるためにたくさんの若者たちに政治への興味を持って欲しいと思った。

taki3    reply

香港の状況についてはぼんやりとしか知らなかったが、今回の講義でよりよく知れたように思う。特に興味深かったのは、香港の事例から世界の情勢をよく読み取りうるということだ。また、コロナが流行した後の中国の状況を再確認していく中で、コロナ禍の中で他国の状況をよく知れるようになったのではないかと考えた。各国の対応や感染状況が報道される中で、世界の状況をより知れるようになったのではないだろうか。これを機に香港も含め、世界の各地域について詳しく知れればと思う。

Polaris_737    reply

今回は、大変興味深いお話をしていただき、本当にありがとうございました。自分も、この新型コロナウイルスは、世界の民主主義を脅かすウイルスであると考えています。香港の、民主活動家がコロナ禍に乗じて次々と逮捕されているという、授業中で指摘されていた点ももちろんその理由の一つです。さらに、自分はそれ以外にもコロナ禍によって、民主主義の根幹をなすメディアへの信用が大きく揺らいだことも大きな理由の一つであると考えるています。一例を挙げるとすると、トイレットペーパ―が品薄となってしまったときに、メディアが「トイレットペーパーの品切れは店頭から在庫が急に減ったことによる一時的なものであり、工場での生産は通常通りに行われているから心配はいらない」という情報を発信するのではなく、「ご覧ください、店頭からは次々とトイレットペーパーが消えています。どこもかしこも品切れです」といったいたずらに人々の不安を煽るような情報を発信したことは、メディアへの信頼を(コロナ禍以前からも低下しつつはあったが)落とすことになってしまったと感じている。そもそも、民主主義とは、主権者である国民一人一人が最良と考える決断をすることによってのみ成り立つものであり、そのためには判断の材料となる正しい情報が欠かせないと思います。それなのにその正しい情報の供給源たるべきメディアが腐敗してしまった今、人々は「メディアでは報道されない真実を暴いてくれる存在」としてのインターネット上の情報源に頼るようになりつつあるように感じます。ですが、インターネット上の情報は必ずしも正確とはいいがたいものが多く、この点からも民主主義は危機に瀕していると言えるでしょう。また、今後伝染病などの機に乗じて、民主主義を侵害しようとする国家に対し、どのように制裁を加えるかも、今後の検討課題になっていくと考えています。

Ugetsu5    reply

昨今の状況ゆえか国内のことばかりに注意が向くので、今回の講義は隣国のことについて頭を整理する良い機会になった。隣国の人々が望むのが必ずしも民主主義であると限らなかったり、内政干渉になりかねない部分があったりするゆえ、難しい部分はあるかもしれないが、引き続き注視し、民主主義が失われていく状況に対処していく必要を感じた。講義の最後にもおっしゃっていたように思うが、民主主義が消えていく可能性自体はどの国にもあるわけであって、スラックティビズムに止まらないように注意しつつ問題に一つ一つ目を向けていきたい。

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