ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

学術フロンティア講義
【Aセメスター】
2017年度「家」

2023.Sep.27

概要

 住まいのことを考えるにせよ、家族のことを考えるにせよ、「家」は我々にとって、豊かなイメージを喚起する力を持っている言葉だ。にもかかわらず、「家」を語ることが難しいのは、それが我々の弱さと結びついているからである。字源をたずねれば、漢字の「家」のかんむりは、家屋の屋根に由来するという。可傷的な存在が必要とする保護を、助けを提供するものとして成立したはずの「家」が、その揺るぎなさゆえにかえって桎梏となり、あるいは保護をもたらすはずの外界からの遮断がむしろ無法を助長するといった矛盾を、我々はまさに自身の弱さにおいてくぐり抜けることを余儀なくされる。そしてそこで刻まれた経験は、しばしば逃れ出ることの難しい、共感の閉域を構成することになっている。

 「家」という言葉を聞くとき、誰もが何かを思い描くのだが、しかしその何かは、それぞれ決定的に異なっている。誰もが自分の「家」にとらわれている。そのとらわれの身から踏み出す一歩を、本講義の提供するさまざまな「家」へのアプローチから見いだして欲しい。

・日時教室

2017年9月27日―2018年1月10日 

水曜日5限(16:50-18:35)
5号館524教室→12号館1211教室に変更。
*履修に際しては履修確認・訂正期間を利用して登録してください。

・問い合わせ先

東京大学リベラルアーツ・プログラム(LAP)

Email:admin@lap.c.u-tokyo.ac.jp

ホームページ:http://www.lap.c.u-tokyo.ac.jp/ja/

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