ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第4回 10月30日 廣瀬 通孝

水とVR(ヴァーチャル・リアリティ)

水とその再現は、情報通信再現技術にとって、ハードルの高いテーマのひとつである。水は液体であり、単に形が要素における再現されればよいというわけではなく、その動き、透明感、つや、など、いろいろな表現力が必要となる。本講義では映像技術だけではなく、コンピュータ技術において、水をはじめとする液体を取り扱うにあたって、どういう努力がなされてきたかを簡単に紹介する。また、液体を液体たらしめているのは、それが流動しつつ自由に変形するという点であるが、時間軸と液体の共通性についても触れてみたいと思う。

講師紹介

廣瀬 通孝
東京大学大学院情報理工学系研究科、教授。 1954年鎌倉生まれ。1982年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。東京大学工学部講師、助教授を経て、1999年先端研教授、 2006年より現職。専門はシステム工学、バーチャル・リアリティ。日本バーチャルリアリティ学会会長、情報通信研究機構プログラムコーディネータ、産業 技術総合研究所研究コーディネータなど歴任。1995年読売新聞東京テクノフォーラムゴールドメダル賞、2004年大川出版賞など受賞。主な著書に「バー チャル・リアリティ」(産業図書)など。
授業風景

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コメント(最新2件 / 23)

W.S.    reply

今回は水のVR表現ということで、これまでの水不足のケーススタディーなどとはかなり角度の違った話題だったがとても面白かった。そもそもどのように表現が行われているかも知らなかったので表現の仕方の紹介もためになり、最後の方のゲームにおける水表現の進化の紹介はとても納得するような内容だった。これからは色々と疑って観察してみたい。

横山 怜太郎    reply

平板な面表現から出発した水のCGが、透明感や光の反射、水泡を利用することでリアルに成長してゆく様は興味深かったが、それ以上に光速を秒速30㎝と仮定して光速移動の際の景色をCGで作るというアイデアはコンピュータならではの技が光っているように感じた。

Yamato    reply

"ゲームにおける水表現の変化"の項で示されていたような、時代ごとの水の表現の差異が興味深かった。影の表現の仕方、水面の反射や透明感、ツヤの表現など奥の深さを感じた。また、今後さらなるリアリティを増すような技術の発明は起きうるのか、そしてVRが現実を超えうるのかが気になった。(余談だが、模型によって波の撮影を行っていた円谷プロは偉大だとも思った。)

sawa    reply

水をVRで表現するためにここまで複雑なことを考え、行っているのは大変興味深かった。同時に、ここまで考えられているからこそ本物と見間違えるほどリアルなものが出来上がるのだと納得もした。

しゅうへい    reply

CG技術は近年ものすごく進歩している分野だと思う。その中でもやはり一番先端をいっているのはゲームであると感じる。ゲームにおけるリアリティは大変重要視されており、映像技術の進歩はゲームから始まっているらしい。
確かにCGは発展しており、フルCGの映画も多くなっていて昔と比べても本当にリアルになってきていると感じるが、現実とCGの混ざったものにはやはりまだ違和感を覚える。大きなものは特にそうで質感の違いからか、いまいち入り込めないのだが、まだ進歩の余裕はあるのだろう。

Goya    reply

文系の人間なので、VRのことについて簡単に知れて良かった。(おそらく一生プログラミングなどとは縁がないとは思いますが。)ゲームにおける水表現の進化はとても面白かった。20年でもの凄い進化をとげていることに驚いた。

塚崎 隆志    reply

ヴァーチャル・リアリティを形成する映像技術は普段から目にしてはいたものの、意識したことはなかったですが、実際にいかにして作られるか、という事はあまり知らなかったので非常に興味深かったです。水のようにもっとも身近な物質が、ヴァーチャル・リアリティ技術において表現するのがとても困難であるということも割と新鮮でした。

T.H.    reply

VRの起源が航空宇宙産業でフライトシミュレーター、宇宙での船外活動の予測に用いられ、未だ四半世紀しか経過しておらず、これだけの進歩をとげるというのは面白かった。VR世界というと、何か遠い気がしたが、ゲームも一種のVRであると知り、親しみを覚えた。影、反射など光に関することが難しいというのは当然だろうと思いつつ、一方で、そこまで表現できていることに驚きを覚えた。
CGと物理学が密接な関係にあるというのも興味深い。

M.A.    reply

CGの進化とか、バーチャル世界の仕組みがわかった。シミュレーション世界で、今ある世界の法則とかを変えたり、普通では体験できない法則を見たりできるのはすごいと思った。ゲームの中にさりげなく使われている水の表現が進化していて、リアルになっているのは、面白いと思った。21世紀に入ってからの水表現の進化を画像で見て、本物のように見えた。飛躍的な進化をしているということが分かった。

S.M.    reply

CG映像やVR、特にゲームが好きで興味深い内容だった。仕組みを知ることができたのも面白かったが短時間で理解・板書するには厳しい内容だった。

かしわもち    reply

どれも面白い話だったがなかなか水に入らなかった。そもそもVRについて説明する一部で水を少し使っただけに感じる。ただ水の透明さ・光沢・流動性などといった今まで学んできた中であまり意識してこなかったことと技術がどの様に関わっているかの一端に触れることができた気はする。
今日TVを見ても全てCGにしか見えない気がする。

takashi    reply

VRというと、目の部分に大がかりな装置をつけて行われるものだとイメージしていたが、今や裸眼でもできる時代になっているということに驚いた。また、VRの世界を作る際の面白さは、現実世界では一定不変の法則を自分の力で作り出し、変化を加えることにあるという話は、無から何かを作り出すという、人がまるで神のようなことをするという点で、非常に興味深かった。

tagaga    reply

VRの世界には今まであまり関心を持ったことがなかったので、知らない知識ばかりで新鮮な講義だった。現在では昔と比べると想像もできないほど技術が発達して、とてもリアルにVRを表現できることを知った。VRによる水表現の進化も、ゲームを例にして技術の進化がよく伝わってきた。身近なゲームの水表現に様々なCG技法が使われていることを知り関心が強くなった。

miyakawa    reply

講義のタイトルを見たときに難しそうな話だな、と思ったが、映像などの視覚資料や具体的なエピソードを交えて説明して下さりとても分かりやすかった。夏学期に「情報」の授業で学習したプログラムがヴァーチャル世界を作り出している、というつながりが興味深かった。現実の世界で我々があたり前のように見ているものをヴァーチャル世界で表現することの大変さについてもよく理解できた。

福井    reply

普段からSF映画などを見た時にCGなどのバーチャルな世界をどのように作っているのだろうと不思議であった。しかし今回、映画はフィルムの集合でなんとか美しく見せることができるが、即時性が求められるゲームなどでは難しいことがわかった。そして物体をコンピュータないで定義し、動かすことは物体形状を座標上の三角形の集合、または立方体の集合として数学的に捉えて、初めて可能になったことは、理解はできたが、全くできる気がしなかった。水は液体なのでさらに難しく、ゲームなどでの表現上の苦労が伝わってきた。

戸塚啓介    reply

水の表現のしかたを例として挙げながら、VRの進化 を説明していただいた。VRは航空シミュレーション から発展してきたというお話があったが、私は以 前、アメリカの兵士の訓練に戦場を再現したシミュ レータが使われているという話を聞いたことがあ る。この、現実と遜色のない世界を作り出す技術が 平和的に利用されることを心から望む。

tarou    reply

 私たちが普段何気なく目にしている、ゲームなどの仮想世界における水の表現が、多くの困難を乗り越えた結果生まれたものだということを知り、驚かされた。
 ヴァーチャルウォーターの技術は、津波の行動予測などにも応用できるかもしれないと思ったが、ゲーム中とは異なり、様々な環境条件や想定外の要因に影響される現実世界をシミュレートすることは、非常に困難に感じられた。

KY    reply

これまでとは違った観点から水をとらえた講義で、大変興味深かった。水の表現の進化を見ていったときに、現代のCGがいかに進歩しているのかを感じたし、この先もよりリアルなものへと変わっていくことへの期待も感じた。水の表現と一口で言っても、表現しなければならない要素は複数あり、その一つ一つをよりリアルに近づける方法は興味深かった。

大野    reply

僕などが接するVRは基本映画などの娯楽だが、そこにおいてVRはあくまで演出の一部であって、微に入り〜的な正確さを必要としない。娯楽の要請を超えて続くVRの進化が今後いかなる新たな需要を作っていくのかが気になるところである。

KEN    reply

水とVRと今までとは違った角度の話を聞く事ができた。
『水』という大きなテーマを据えつつ、様々な分野の話が聞けて、テーマ講義という形の授業の幅広さを味わえた気がする。
VRを極めるとそれはどんどん物理学そのものに近づいていく、又映画等では物理的な水でなく作った水(デザインした水)を使っているという話は驚きだった。

ikeda    reply

今回の講義は、水そのものをこれまでとはまったくちがった観点から捉えることを促してくれました。バーチャルリアリティ・コンピュータグラフィクスのさらなる進歩によって、人間の水への理解がより深まることを期待します。

mochi    reply

水をいかに仮想空間に落とし込み、表現するこれまでの努力を知ることができて新鮮なものだった。その中で、水が他の個体に比べてより様々な様態を見せるということがそ確認することができた。今回は「波」を中心の講義であったが、例えば「雨」や「霧」といった水が関連する様々な自然現象の表現方法への興味も掻き立てられた。

森山健太郎    reply

初期のCGにおける水の表現から、現在のCGへの表現方法の変遷は驚くべきものでした。最近の映画を代表とするCGの水の動きは実際の水の動きと遜色なく見えるため、実際の水の動きをトレースしたものなのではないかという想像が働く人もおそらく少なくないことでしょう。VR技術が進歩すれば、違和感なく現実そっくりな振る舞いをすることもいずれは可能になるのかもしれないと考えると、非常に興味深い一方で現実との区別がつかなくなるのではないかという多少の怖さも覚えました。

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