ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

第6回 11月13日 加藤 照之

津波

「水」は人間に大きな恩恵を与えるが、一方大きな災害を生み出す元ともなる。「津波」はその最たるものであろう。日本は特に古来から津波の襲来を受けてき た。講義ではまず、その語源に触れ、歴史的な側面から述べてみたい。続いて、なぜ津波が発生するのか、そのメカニズムに触れ、特に2011年に発生した東 北地方太平洋沖地震津波について、なぜ発生したのか、なぜ多くの人命が失われたのか、また、「津波災害」からの教訓を後世にどのように伝えていくべきなの か、等について理学的な側面や社会学的な側面など様々な角度から論じてみたい。

講師紹介

加藤 照之
東京大学地震研究所教授。 昭和27年11月21日生まれ。昭和55年東京大学大学院理学系研究科修了(理学博士)。専門は固体地球物理学。主としてGPSを用いてプレート運動や地 殻変動を計測し、その原因を探ることを研究テーマとしてきた。GPSをブイに搭載して津波を計測するGPS津波計を開発。著書「GPS測量の基礎」「地殻 ダイナミクスと地震発生」(いずれも共著)など。
授業風景

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コメント(最新2件 / 30)

W.S.    reply

映像資料による津波の場合の水の動きが普通の波とは異なるという説明が一番分かりやすく、津波がどのようなものなのかよく分かった。また、「3月11日の地震を実体験した」ということを忘れかけていたが私も体験者の一人だったということが具体的に思い出された。

Yamato    reply

インドネシアのKrakatau火山の噴火でどのように改定の地殻変動が起きるのかよく分からなかった。
"起こったことはとてもよく説明できる。しかし起きることを予想できない"という言葉にはっとさせられた。また、津波中の火災は不思議な光景だった。

横山 怜太郎    reply

津波は現代の日本にとって最もタイムリーな言葉のひとつだが、津波と波は厳密にはどう違うのか、その科学的な性質は知らないものである。この講義では津波の起こるメカニズムや被害の実態など、一歩踏み込んだ解説を聞くことができた。次週も期待。
南京大学の学生さんは積極的に授業に参加していたが、日本人なら普通黙ってしまうところでも発言するなど見習うべき点が多かった。

かしわざき    reply

津波は我々にとって非常に身近な災害である。津波の発生原理を考えるに、発生自体を抑えることはどう考えても不可能なので、常に津波が来た時のこと、津波が来た後のことを考えなければならない。
母校が海に近く、津波が起きた時の逃げ方を教えられたが、どう考えても隊列など組んで行くより先生の指示を無視して一目散に逃げ出した方がよいのが現状である。津波に限らずあらゆる災害対策マニュアルはもっと時間を意識すべきではないか。

ikeda    reply

津波とふつうの波のちがいを示した映像がとてもわかりやすく、新しい発見があった。これからも大きな地震が起こることが予想されるので、対策が必要となる。

塚崎 隆志    reply

自分の印象としては津波という現象が認識されはじめたのが近年であると勝手に思っていましたが、百人一首などの昔の文章に津波らしき記述が見られたというのは新鮮でした。
また津波が普通の波と見た目はほとんど同じでありながら水の量が大きく異なるため、逃げ遅れる人がいるというのは知らなかったし、こういった知識を皆が持っていないと、再び大きな被害が起きてしまうのではとも感じました。

T.H.    reply

「松山波こさじとは」で、まさか津波をよんでいるとは思わなかったし、それを活かすことで、津波の被害を軽微にすることができるというのは面白かった。津波は川をさかのぼり被害を与えるというのも興味深かった。
津波を発生させるのは、地震・地すべりだけでなく、噴火でも起こるというのは、初めて知った。スラブ内地震というのを初めて知り、近いうちにおこるかもしれないということに驚いた。また、津波と普通の波が遠くからだと見分けがつかないということが恐ろしいと思った。滑り方によって発生する津波の大きさが異なっているというのは興味深かった。

M.A.    reply

百人一首の恋の歌でも、津波のあった時のことを伝えるような文を含んでいるというのがおもしろかった。大昔から幾度となく津波は人をおそっていて、その後、様々な形で後世に伝えていて、その当時の被害の大きさをうかがい知ることができた。津波というのは、地震によって引き起こされるイメージがあったが、噴火などによっても起こることがあるというのは驚いた。海のなかで起きるスラブ内地震というのは初めて聞いた。津波と普通の波では、同じ高さでも威力が全く異なり、しかも、波打ち際からは見分けがつかないというのは恐ろしいと思った。3.11地震によって日本が、東に5m、下に1mさがってすごい威力だと改めて感じた。

Goya    reply

津波の恐さを改めて知った。話の中で出てきた、末の松山のような大昔と同じ範囲に津波が来たというのは面白いと思った。昔の教訓が生きているのは面白いが、もし、それを越える地震、津波が来ると恐いと思った。
東海、東南海、南海地震が来ると言われて、数年経っているが、もし来た場合の津波の被害というのは想像できない。自分は神奈川県の高台に住んでいるのであまり心配はないが、祖父母が浜松に住んでいるので心配である。

S.M.    reply

津波のメカニズムなどについては高校までの授業や3.11後の報道などで既に知っていたことも多かったが、津波地震の話はとても恐ろしいと感じた。また改めて津波の映像や実験映像を当時を思い出しながら観ていて、もう忘れかけていることに気付いて自分のことながら少しショックを受けた。

Koya    reply

2011年3月11日の東日本大震災で津波に関しての多くの報道に接していたので、津波の恐ろしさについてある程度認識していたが、講義を受ける中で、人間が昔から津波の被害に遭っており、これからもその危険と向き合わないといけないことを強く意識した。地震はいつ起こるか予測することが難しいので準備を怠ることはできないと思っても時の経過とともに対策を忘れていってしまう。被害を受けた者が最低限命を守るための対策を決めて、それを後世まで伝えて守っていくことが大切だと感じた。

クロ    reply

これまでの講義では、水が人間にもたらす恩恵に関する面が紹介されていたが、今回は、水がもたらす災害である津波について学んだ。津波が過去にも存在しているのは当然のことだと考えていたが、そこから得られた教訓が、現代の防災にも役立ったというのは非常に驚いた。
また、津波は単にとても大きな波だと認識していたけれど、普通の波に比べて波長が長く、大量の水を含んでいるというのは非常に興味深く、自分の判断だけに頼ってはいけないことだと改めて思った。

しゅうへい    reply

2年経っているとは言え、あの出来事から日本人が受けた衝撃は大きく、水から連想する言葉としては、東日本大震災を境にして変わってきているのではないか、と思う。ランキングで言えば下位の方であったろう"津波"が、身近なものとして、その脅威を感じられる自然災害として水から思い浮かぶものとしてはすぐにでてくるものになってきていると感じる。
文明をうみだした水、生活必需品としての水、しかしその水のもう一つの側面である、我々の生活の脅威としての水が意識され出している。地球全体を覆うプレート、海水の動きからうみだされる地震、津波のことはまだまだ分からない部分が多いのだろう。

山田 晃平    reply

2011年の地震・津波の話を聞くといつも、"東北"地震という名前のせいで、北関東太平洋岸の被害がなかったことになったら悲しいことだな、と思います。
また、津波の恐ろしさは、実際に遭遇しても見えているうちには判断できない、という所にあるのかな、と知り、事前の対策が必要だと痛感しました。

平井 悠登    reply

・津波の歴史上での記述などが興味深かったです。
・津波の性質についての知識が深まったと思います。
・雑談も面白かったです。

tagaga    reply

津波の歴史から、津波と通常の波との違いまで様々、知らなかったことを学ぶことができた。過去の津波の記録が多く残されており、東日本大震災でもその教訓により人の命が助かったこともあったと知り、大切さを学んだ。しかし、海は人々の生活に必要なものであり、高地の内陸に住めばいいという問題ではなく両立は難しいが、安全と生活を深く考えていく必要があると感じた。

福井    reply

津波のシミュレーションを見て、津波は普通の波に比べて波の奥ゆき、幅が広く、大量の水が波の背後に潜んでいることがわかった。しかし、津波と普通の波は陸地から見ても区別がつけにくく、陸に上がってきて初めて津波の大きさに気付くものであり、このことが被害を大きくしているとのことだった。海辺の近くで自信を感じたり、津波警報が出たりしたら、海を見て、大丈夫だろうと自分で判断するのではなく、指示に従ってすぐに避難すべきであると感じた。

南大生    reply

先生の授業は面白いです。地震を専攻としない私も先生の授業の内容をよく分りました。
来週はきっと南京大学でこの授業に参加する。

姜水謡    reply

いい勉強になりました。実に深い内容ですけど、でも先生のとてもおもしろい講解を通して、その内容が簡単にわかるようになりました。来週の授業を楽しみにしております。

wesuixi    reply

授業はとても面白かったです。特に津波と普通の波のシミュレーションは印象的でした。実際にやる時はきっと水の表面張力を考え加えてなければならないでしょう。趣味があります。何か特別な方法を整理する、もしくは液体に工夫しているでもありませんか。

銭宇飛    reply

とても良い講義でした。勉強になります。v
from Nanjing University

劉子堯    reply

何か中国の基礎教育をなめ過ぎる感じがしました…でも先生の授業は面白くて理解しやすいです。:)

KEN    reply

それ程高くないように見えるものでも、津波だったならば大きな被害をもたらすという話が興味深かった。VTRで見たように、波と津波では破壊力がまったく違い、有事の際に正しい知識を持っておく事は防災において重要な事だと感じた。
自分は関西出身なので、実際に地震を体験した人の話を聞く事ができたのは貴重な体験だった。

森山健太郎    reply

津波に関する日本・中国文学的表現も踏まえながら、実際に津波とはどのようなものなのか、本来の波との違いやその威力も把握できる、すばらしい授業でした。
関東だけでなく日本全体で大地震が危惧されることもある現状、津波に関する正確な知識を持っておくことは非常に重要だと思われるため、そういう意味でも今必要とされる講義なのではないかと思いました。

大野    reply

この授業に直接の関係はないのだが、この授業で自分たちも東日本大震災の当事者であることを思い出したし、そのことを僕が忘れていたということに衝撃を受けた。僕はあの震災を記憶にとどめねばならないし、津波についても昔から何度も日本を襲っているが、その記憶を教訓として残せるかがとても重要なのだろう。

戸塚啓介    reply

学生のうちの一人の方が実際に経験した地震の話や、中国からの留学生の方の発言、そして生々しい映像資料など、これまでの講義とは雰囲気の異なる講義であったと感じました。次回の講義の内容が楽しみです。

mochi    reply

津波と通常の波の違いが特に分かりやすく理解できた。先週の水辺の風景という落ち着いた風景の一部としてのいわば「静の水」から、打って変わって人間社会に恐ろしい動揺と破壊をもたらすいわば「動の水」への講義の転換がテーマ講義ならではの面白さを感じることがてきて刺激的であった。

石川 大希    reply

東日本大震災以降、津波という災害に対して個人的にも日本全体的にも敏感になっている今の世の中だが、科学的な津波の解説を受けたのは初めてで、非常に興味深かった。百人一首の中にも津波をうたったものがあったり、古今東西日本は津波の脅威にさらされているのだから、今後も大きな被害を出さないよう研究を進めてもらいたい。

miyakawa    reply

津波についての最先端の研究内容を分かりやすく説明してくださり、とても勉強になった。また、百人一首などの歴史的記述に表現される人間と津波とのかかわりが興味深かった。

KY    reply

東日本大震災と似た自信が過去に起こっていたというのは知らなかった。昔のことだったので、その記憶が風化していた最中の地震が東日本大震災だったのではないかと思った。そう考えると、いかに地震や津波の恐怖の認識や対策の必要性を風化させないかは、現在を生きる我々の義務だと思った。津波地震の存在も知らなかった。地震の大小だけで津波の可能性を測れないというのは厄介で、常に注意を要するものなのだと思った。

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