ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい

学術フロンティア講義
【Aセメスター】
2011年度「記憶と記録」

2014.Jun.02

概要

「記憶」は、過去を振り返り、自らのアイデンティティを確認するために欠かせない能力だと考えられてきた。その「忘却」を防ぐため、「記憶」を補助 する「記録」が発明された。そして、記録技術の発展に伴い、記録は補助としての役割を脱し、今日では記憶に影響を与えるようになっている。一方で、歴史に よって過去の出来事が文字として保存され、その過程で過去は選別、編集されてきた。科学技術の発展が著しい現在、記録は量的にも質的にも大きく変化し、記 憶と記録の境界は変容し、曖昧化しつつある。記憶が記録を作るのか、記録が記憶を作るのか、記憶をどう捉えたらいいのかは、現在再考すべき課題となってい る。

本講義では、文理融合の観点から、「記憶と記録」を検討し、両者の新しい像を立ち上げたい。バーチャル・リアリティの分野から歴史を見直し、追体験 と記憶の関連を取り上げる。ロボットや植物は記憶を持つのだろうか、そこから記憶をめぐる新しい観点を検討する。思想史、表象文化、歴史編纂、オーラル・ ヒストリーの各視点からも、記憶と記録の関係を論じる。本講義を通して、「記憶と記録」に対する認識と我々の思考の空間を、より豊かで広々としたものにし たい。

成績評価は各講義ごとのHPへの書き込みと、最終レポートとの総合評価による。詳細はこちら

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