ディシプリン(学問領域)に
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第1回 10月04日 新藏礼子

免疫から見る異物とは?

「異物」とは、何かの基準について異物であるかどうかを判断するものだと考える。私たちのからだを守っている「免疫」から異物は何なのか?というのは未解決の課題である。教科書に記載されている「自己」と「非自己」=「異物」を区別するのが免疫ではない、ことを考察する。

講師紹介

新藏礼子
国立大学法人東京大学定量生命科学研究所 免疫・感染制御研究分野 教授 学歴 1986 京都大学医学部医学科卒業1992 京都大学大学院医学研究科外科系専攻入学1996 同上修了、京都大学医学博士取得 職略歴 1986~1992 京都大学附属病院他で、麻酔科医として病院勤務 1992~1999 京都大学大学院医学研究科分子生物学(本庶佑教授)の大学院生・研修員として日本で発見されたalymphoplasiaマウスの解析と変異遺伝子の同定を行った。 (Shinkura R et al. Nat. Genetics 1999 他) 1999~2002 Harvard Medical School, Children’s Hospital (F. Alt 教授) HHMI Research Associateとして、抗体遺伝子のクラススイッチ機構の解明を行った。(Shinkura R et al. Nat. Immunol. 2003他) 2003~2010 京都大学 大学院医学研究科 分子生物学および寄附講座免疫ゲノム医学(本庶佑教授)の助手、講師、准教授として、抗体遺伝子編集酵素AIDの研究と体細胞突然変異の機構の解明を行った。(Shinkura R et al. Nat. Immunol. 2004, Wei & Shinkura R et al. Nat. Immunol. 2011他) 2010~2018 長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部 生体応答学教授として腸管 IgA 抗体による腸内細菌制御機構の解明を行った。研究成果を特許出願(日本 特許第5916946号、米国US9,765,151モノクローナルIgA抗体の製造方法)し、日本・米国で成立。 2018-2019 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 応用免疫学教授として、IgA抗体医薬開発に向けた研究 (Okai, et al. Nat. Microbiology. 2016)や、アレルギー治療薬の特許出願 (特願2016-160573免疫調節剤)を行なった。 2017 ~現在 東京大学 定量生命科学研究所(旧分子細胞生物学研究所)免疫・感染制御研究分野教授として、腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構の解明、および選択的IgAクラススイッチ誘導によるアレルギーの根本治療薬の開発に従事。IgA抗体の特許出願(海外を含めて16件)を行った。 2022 IgA抗体開発のためのベンチャー・イグアルファン株式会社の発起人となり、設立後は技術顧問として研究成果についての情報提供を行っている。 2023 幅広い分野のIgA抗体に関する研究成果を同一のプラットフォームで議論して推進するために、「IgA抗体医療学会」を設立した。
授業風景

第1回の講義では、東京大学定量生命科学研究所免疫・感染制御研究分野教授の新藏礼子先生より、私たちの体が認識している「異物」について、免疫学の分野からお話を伺った。

授業の冒頭ではまず、学問との向き合い方・研究職の魅力についてお話しいただいた。麻酔科臨床医として勤務したのちに研究者となった先生は、研究職という仕事に「好奇心を押し殺すことなく、自由な発想で自分の思う通りに実験ができる」という魅力を感じているという。まずは先人の研究をたどり、そこで生じた疑問を自由に探求していくことで、常に常識が移り変わるサイエンスの世界が作り出される。疑うことを恐れず、議論をして考える力をつけて欲しいというメッセージは、科類や学年を超えて集まった学生たちを鼓舞するものであった。

さて、最初に投げかけられた問いは、「免疫学における異物とは何か?」である。免疫とは、病原菌のような抗原から我々を守ってくれる存在だ。抗原=異物、と言えそうだが、ではこの抗原とは何か。免疫学の教科書を見てみると、「抗原とは免疫系が認識する物質」「免疫は抗原を認識する」と説明が循環しており、実は定義が明らかになっていないのである。

では、「異物=自己に対する非自己」という説明はどうか。実は、この「自己/非自己」の区別では、異物の在り方を十分に捉えきれない。なぜなら、非自己であっても有益な常在菌や胎児は攻撃してはならないし、逆に自己であってもがん細胞は攻撃しなくてはならないからだ。

新藏先生が考える免疫学における異物とは、「生体が持つ恒常性(全身のバランスを整える働き)を乱す物質。病気の原因」だ。免疫系は全ての物質の性質を認識した上で、この基準において異物を判断し排除している。これが免疫系の最も重要な働きである。

恒常性がよく機能している時は、体は外部からの刺激に反応しにくいが、病気になると刺激に過剰に反応してしまう。高品質IgA抗体による薬は、悪玉菌による不要な刺激を減らすもので、そもそもの外部からの刺激をなくすことで健康にアプローチするものだ。IgA抗体はさまざまな種類の抗原に対応するため、多様な感染症の予防が期待できる。

また、抗体は一度出会った抗原に対し、B細胞による遺伝子突然変異を通じて、より強い結合をして効果を強める。この免疫学的記憶が強く発揮され、かつ善玉菌と共存できるのが、新藏先生が研究するW27IgA抗体だ。

抗体の重要性を示す実験として、コレラ毒素を投与したマウスの、同毒素の少量事前投与の有無による致死率の違いが紹介された。これはワクチンの有効性を示すものだったが、先生からは同時に、コロナウイルスやインフルエンザのmRNAワクチンを完璧にすることの難しさもお話しいただいた。絶えず変化するRNAウイルスには修正免疫がつきにくく、大きな変化である不連続変異にはIgA抗体では対応できない。ワクチンのみに頼らず、手洗い・うがいを通じて粘膜を自分で守る行動が重要になる。

授業の終盤では、 IgA抗体を生かすための他の2つの研究を紹介いただいた。

1つ目は、自分の体内でより良い抗体を作れるようにするにサポートするアジュバントである。これは、抗体の免疫学的記憶を導く胚中心反応を盛んにするために、B細胞が胚中心に加わる確率をあげるものだ。2つ目は花粉症の治療薬だ。喉や鼻の粘膜でIgA抗体が働くように誘導し、そもそも花粉の刺激を受けないようにする薬である。

これらの研究は、他の研究者とは全く違うアプローチだったという。自由な発想を持ち、他人とは違うことを考えることの大切さを改めてご教示いただいた。

身体とは私たちに最も身近な存在でありながら、その内部で行われる「異物」の判断にはまだ謎が多いという事実はなんとも不思議なものだ。その謎への好奇心を生き生きと研究に昇華されている新藏先生の授業は、免疫学の最先端の研究に触れつつも、コロナウイルスや花粉症といった身近な話題を通じて理解されるものであった。質疑応答では、学生が経験した症状と服薬の関係についても免疫学的説明が可能なことが示され、講義内容の理解に実感が伴った学生も多かったのではないだろうか。私たちの体内で判断される最も身近な「異物」への考えが深まり、今後続いていく講義への大きな手がかりとなる初回講義であった。

(文責:TA本幡/校閲:LAP事務局)

コメント(最新2件 / 14)

Ita4048    reply

私はあまり生物には詳しくないが、免疫や抗体の定義についてあまり詳しく分かっていないというのを初めて知ってとても驚かされた。また、私は毎年花粉症に悩まされているため花粉症の治療薬になりうるIgAの話はとても身近であり非常に興味深かった。

so-6man    reply

授業大変楽しく聞かせていただきました。
文系なのもあって、授業のメインの内容については知らないことだらけで新鮮に学んでいたのですが、自分で考えることの大切さについてはこのコロナ禍ですごく考えていたことだったので、改めて冷静に捉え直すきっかけになるお話を聞けて良かったと思っています。
周りと比べると自分の情報収集力に自信がなくて、いつも正しい情報を受け身で待っていることが多かったのですが、こういった学びの最先端に触れる機会を手にした以上、誤解や間違いを恐れずに自分の考えを構築していく姿勢を持っていきたいと思います。
本日はありがとうございました。

tyuken85    reply

研究内容自体が非常に興味深かったのに加えて、その随所に発想の転換がみられてとても勉強になりました。IgA抗体のような免疫は抗原接種によって獲得するしかないとばかり思っていたので、飲むIgA抗体医薬というのは非常に魅力的で斬新に感じました。
質問です。強いIgA抗体を作るためには抗原を学ばせる必要があるという理解なのですが、もし将来飲むIgA抗体が使用されるとして、それは特定の抗原を学ばせた後の強いIgA抗体なのか、それとも変異前のIgA抗体なのか、どちらが現実的なのでしょうか?薬として活躍しそうなのは前者な気がするのですが、RNAウイルスの変異の話などを踏まえると後者の利用が現実的なのではないかと私は考えています。

achi003    reply

免疫に関しては高校の生物基礎程度の知識しかなかったのですが、今回の講義は非常に楽しく聞くことができました。
自分にとって有害な菌は攻撃しなくてはならないが、有益な菌は攻撃してはならないという中で、有害な菌にのみ都合よく働いてくれるような抗体が人体に存在しているということで、生物の体はうまくできているのだなと感じました。
花粉症治療薬の開発も進められているということで、花粉症持ちの私としてもこの研究の発展に期待を寄せたいです。
また今までに開発されているワクチンや薬は副作用という問題も抱えていますが、IgA抗体に関する薬が実用化されることとなった場合にも、やはり副作用などは想定されているのかが気になりました。万能な治療薬、予防薬というのはなかなか難しいものだとは思うのですが、IgA抗体医薬はかなり画期的なものになりそうで、自分が知らないだけで研究の世界では画期的な研究がたくさん進んでいるのだということを実感する時間となりました。
抗生物質を処方された際には整腸剤をもらうというのを、忘れないようにしたいと思います!

hakuto6565    reply

講義ありがとうございました。
自分は新型コロナワクチンの研究に携わる教授の話を聞いたりして、彼らの真剣な姿勢を見ていたので、ワクチンに対して反対意見を持つ人々の意見をあまり真剣にとらえてきませんでした。
しかし、新藏先生の話を聞いて、これまでの自分の姿勢は盲信に近いもので、思考停止で反対している人々と何も変わらないことを感じました。
U-tokyoアカウントのおかげで様々な信頼性の高い情報源にアクセスできる環境にいることに感謝し、自分なりに情報を集めて、ワクチンを受けるかなどの判断に臨もうと思いました。

noman221948    reply

研究者として生きていくにあたって、新藏先生の考え方は素敵で見習うべきだと思いました。僕も将来研究職に就きたいと思っていて、民間に就職するかアカデミアの道で生きていくかはまだまだ決められそうにないのですが、研究者としての精神性を身につけられるように大学生活を過ごせるように頑張ります。特にDDSに興味があって、将来は薬学関連の研究をしたいと思っていたのでちょうど免疫にも興味がありました。教科書を信じすぎるのは良くないとのことでしたが、基本的な免疫についての知識が圧倒的に不足しているので、余裕があれば免疫学についてのおすすめの教科書を紹介していただけるとありがたいです。授業内容に関しては免疫の役割は自己と非自己を識別するものだと認識していたのですが、それ以上に非自己であっても有益なものは攻撃してはいけないなどの当たり前のようなものも教科書的に誤認していたんだなと痛感しました。病気についての解釈ですが外部の不要な刺激に免疫が過剰に反応して恒常性が破綻するといったお考えでしたが、病気に関しては加齢などの内的要因によりホルモンの調整ができなくなり発病する場合などもあると考えました。抗体に関して産生されればあとは量が重要だと考えていたので、抗体の強弱という概念をコレラウイルスのマウスの実験を通して知れて面白かったです。また、アルツハイマーやパーキンソン病などの神経疾患と腸内環境が関係あるなどは初めて知ったことであり論文を読もうと思いました。論文などを読む際に常に疑って読んでいけばいいとおっしゃっていましたが、知識がない状態ではそれらを疑って読んでいくのは何も理解することができない様に思われるのでそれらの教科書的な知識を身につけてから読んだほうがいいのでしょうか?抗生物質に関してのお話で体にとっていい菌も殺してしまうため抗生物質耐性の持つ整腸剤を同時に飲めばいいとおっしゃっていましたが、それらを同時服用することによって耐性菌が発生しやすくなるなどのリスクはないのだろうかと考えました。抗生物質がなぜ万能薬として様々な菌を殺すことができるのかといった仕組みに関しても興味が出ました。最後のあたりに説明されていた研究内容に関してはついていけないところが多かったのですがIgAの多量対ゆえの特性を利用して汎用性のある薬を作る話は興味深かったです。勉強していずれ理解できる様に頑張ります!面白い授業ありがとうございました。

nezumi02    reply

教科書を含めて全てをまずは疑ってみることの重要性を改めて認識できました。
既存の情報は間違っている可能性があるということを理解はしていても、実際教科書を読むときはそれを正しいものとして受け取ってしまいがちでした。今後は何事も自分で考えてみることを常に意識したいと思います。
免疫の話については詳しくなく、興味深く聞かせていただきました。
ありがとうございました。

dadasaba2023    reply

文系であり全く予備知識などがないため、話を聞かせていただいて少し理解した気になってはいるものの実際はそうでもないのかもしれないですが、普段触れない分野のことを聞けてとても良い体験になりました。全てを疑うというのが印象的な言葉でしたが、自分もそのようなことについて色々と考えさせられました。言葉の意味はきっちり決まらない、定義できないということを昔言われたことがあります。その言葉についての定義がなくて本当に色々と話は進められるのかどうか疑問に思い、いろいろ調べていたら”定義は全て危険である”という言葉に出会いました(意味についてはきちんと調べたわけでもなくただ字面だけ見ただけなのですが個人的にとても気に入った言葉です)。また、言葉の意味は他の言葉との関係で決まるということを言っている人もいました。スライドの最初の方の抗原の定義についての話がありましたが、スライドに書いてある循環?していそうな抗原の定義は、他の言葉との関係で成り立っているとも言えるのかについて考えてみたりしました。分野によって定義が比較的かっちりしていたりそうでなかったりするという説も聞いたことはあるのですが、そもそも定義のかっちり度というものにはいろいろな要素が含まれるのかなと思いました。

k1t0k1t0    reply


非常に興味深い講義でした。ありがとうございました。最新の免疫の考え方などの内容が非常に面白いだけでなく、新藏先生の研究者としてのあり方にも感銘を受けました。
ご自身の研究分野ではあると思いますが非常ににこやかに我々にわかりやすく解説いただく、パッションあふれる姿にまさに「研究者というのが“天職”なのだろうな」と思ってしまいました。自分がアカデミアの世界に進むかどうかはまだ定まっていませんが、無意味な枠組みに縛られることなく納得のいく選択をしていこうと考えさせられました。
内容については、IgA抗体の有用性について理解を深められました。特に、花粉症治療に利用できるというのは、自分が花粉症持ちであることもあり、非常に嬉しく感じました。
生体内の異物という観点で、恒常的な状態に対して異常な状態が病気としてあり、もとある恒常性を乱すものとしての異物という考え方は納得させられました。そのうちで、恒常性の過程で免疫系は自己と非自己という二極だけでなく、自己も非自己も異物も全てについて認識し、排除の是非が検討しているという発想は重要だと感じました。免疫に限らず、異物に対する“排除”のあり方については一考の価値がありそうだと思いました。

mitsudashinya2    reply

研究者としてのキャリア形成から新藏先生の研究分野の抗体医療、現行のmRNAワクチンの話題まで、とても興味深く拝聴しました。ありがとうございました。
さまざまなことを考えさせられましたが、ここでは免疫系や腸内細菌の話題を起点として私が考えたことについて書きたいと思います。
授業を聞いていて、腸内細菌の存在の重要さに強い印象を受けました。消化機能にとどまらず、脳の状態に連関するというレベルで人間の生命維持に関わっているというお話を聞いて、人間と腸内細菌の共生関係は、かなり不可欠で根本的な物なのだと知りました。消化器内部という、体の内側でも外側でもある場所に、人間本体とは他の生物でありながら人間の生命維持に強く関与する存在がいることは、人間という存在が単なる一個の生命体以上のものであることを示唆するように感じました。その上で、免疫系が異物を排除しようとする際に突然変異を起こしてIgA抗体のバリエーションを作り、強力な抗体を選ぶというお話を聞いた時には、前述の腸内細菌という一応は他者として存在するが共生関係にある生物だけでなく、人間の身体を構成する要素そのものが、やはり想像以上にダイナミックでコントロールしがたいものであるという印象を強く感じました。先生も少し触れいらっしゃったように、癌という事象もこの議論に接続できるのでしょう。さらに付け加えれば、この免疫系と突然変異に関するお話は、自己のシステムの内部に本体の遺伝子と直接関係せずに変異していく遺伝子が存在するという点で、真核細胞におけるミトコンドリアや葉緑体の細胞内共生説も彷彿とさせました。
さて、前述した話題は、少なくとも生物に関する学問的知見が人間(ここでは私自身)の自己の存在に対する認識を揺さぶるという意味ではいずれも共通します。最新の科学が、人間という存在が特別で安定したものであるというイメージに疑問を提示していくということは、生物学や医学の面白さであり重要性のひとつだと感じます。このように、生物に関する研究は、ダーウィンの進化論をはじめとして、これまでもこれからも人間とは何かという一見人文学的な問いに良い示唆を与える存在なのではないか、などと想像もしました。私は文系の学生ですが、大変楽しかったです。
新藏先生と、新藏先生を選んでくださった先生方、ありがとうございました。

ustubi23    reply

すべてのことをまずは疑ってみるべきであるというメッセージや、高校などでの学習が「本当の勉強」であるのかとの問いは、私のような学生にとって重要なことと感じました。教科書の記述すら疑い、自分ひとりでディベートをするという行為から、自由な発想、人とは違う発想が生まれる。この過程を遂行することが、これまで大学の講義を受ける中で漠然と感じさせられていた、高校までとは異なる、大学で求められる技能であるのだと分かりました。
今回の講義の内容については、免疫などについての基礎知識を欠いている私にとって決して易しいものではありませんでしたが、アレルギーの話題は身近であるゆえ、興味深く感じられました。特にIgA抗体を利用した花粉症の治療の話題は新鮮味を持って受け取られましたが、一方で、異物が粘膜ではなく皮膚から侵入して起こるアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎など)の治療にもこのアイデアを利用しうるのかが気になりました。

marika0401    reply

 新藏先生が自身の気になることをとことん追求することのできる、研究者という職に就くに至った経緯をお聞きすることができ、周りに流されずなりたい自分を大切にする生き方を実現されているところに勇気づけられたような気持ちになりました。
 ワクチンやマスクに関しては、メディアや生物基礎で知った知識のみの浅い理解で、周りの様子を伺いながら行動してしまった部分があったのですが、今回の講義を聞いて、疑問に思ったことは自分で情報を掴みに行って判断しなくてはならないと改めて感じました。知らなかった大切な事実をたくさん知ることができて非常に勉強になりました。
 また、抗生物質が腸内環境にとって良い菌までも殺してしまうという事実には驚きました。異物の排除のあり方として、自己を保持し非自己を排除するという単純な仕方では立ち行かなくなってしまうというのが興味深かったです。先生がおっしゃっていた問いですが、IGA抗体が実は腸内環境の平和を守っていた良い菌を見極める時何を手がかりにしているのかがやはり気になります。

yamori59    reply

大変貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。免疫についての話はあまり詳しくなかったのですが、熱のある分かりやすい説明でよく理解できました。特に体にとって良い菌を残し悪い菌を消すということの難しさが先生の話ぶりから伝わってきました。また、講義の中心でもあったIgA抗体ですが、抗原特異性が広いという情報から私にとって驚きの存在で、有用性を聞くごとにIgA抗体の凄さに感心するばかりでした。他にも受け身でいるだけでなく疑ってかかるくらいの気概を持つことの大事さなどを学ばせていただきました。ありがとうございました。

otomitl3    reply

今回の講義で「他で言われていることと違うことを話す」という冒頭の前置き、すべてを疑ってみる姿勢や、自分はどう思うかを考える重要性のお話はとても刺激的でした。コロナワクチンのリスクについてのお話しされた内容も、教科書的正解が用意されている場では躊躇われるもののようにも思われ、いわゆる陰謀論的な無闇に恐れる姿勢でもその逆の肯定一辺倒でもない、まさに真実を追究するためにすべてを疑う姿勢を感じさせられました。
自分は免疫については高校までの生物やニュースなどで聞くような知識を中心に漠然とした理解しかありませんでしたが、今回のお話を聞いて理解が深めることができ、感染予防のためにすべき行動についてもより自分の中ではっきりしたように感じます。免疫学における「異物」の再定義については、同様に生体の「恒常性」も厳密にどのようなものなのか考え直すことはできないだろうか、などと、自分があまりよく知らないということもあり考えさせられました。花粉症のIgA治療薬のお話には衝撃を受けました。

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